末永く愛される住宅とは

今日は天気も良かったので一人で散策。
ここ最近、家の周辺をよく歩いて回っている。

以前住んでいたところは閑静な住宅街で、何をするにしても車が必要で不便だと感じていたこともあり、6年程前に今住んでいるところに引っ越してきたが、なかなか周辺を探索する機会がなかった。
その為、周りに何があるのかよく知らなかったこともあり、ただ便利な町として認識していてあまり魅力を感じていなかった。しかし、いざ探索してみると毎日面白い発見がある。


今回は、住宅街に入ったときに思ったことを書こうと思う。
家の近くには、古くからある住宅街からハウスメーカによって開発された新しい住宅街まで、年代が様々な中規模の住宅街が点在している。
そこで感じたのは、現在の家が100年後に残っているのかどうか。
オーダー式にしろ、建売にしろ、こういった家は一体何年間存在しうるのか。
構造的な話しではなく、未来の人にも同様に必要とされるのかどうか。

現在、古民家などのリノベーションが流行っているが、これらの家はなぜそこまでして残してもらえるのか。
逆に、取り壊されてしまうものと残されるものの違いは何だろうか。
歴史的なものだからと言って全部ただ残すのも違う気がする。
少し話がぶれるが、美術館に飾ってある昔の美しいお皿などにおいてもいつも疑問を持っている。すべてのモノは使われて初めて意味を持つのであって、飾るだけでは意味がないと思っている。(もちろん後世に残すのも大事だが)

今、Society5.0や第4次産業革命が起きると騒がれている中で、各個人がそれぞれの考え方や価値観を持つようになるのではないかと考えている。
これまでの家は、(特に建売)昔の人の価値観がある程度統一されていて、何が良いかというものが大多数の人の間で共有できたことで実現できたスタイルであると考える。
しかし、上記の社会変化からこういったスタイルは難しくなってくると考える。
かといって、オーダー式にして各顧客にベストフィットの家というのは、次に住む人にとってベストフィットするのか?今住んでいる人がその家を使わなくなったら壊してしまうのかという問題に直面する。

その為、適応型建築が必要であると考える。
使う人に合わせて少しずつ可変する建築。建築も生き物と同じように進化する未来。
もし、未来にもわたり何百人もの人に利用された家があったとしたらどんな様相をしているのだろうか。また、そうなる家はどんな家なのか。


サスティナブルな町や社会を考えていくにあたり、DubaiのMasdarのようなスマートシティなどの解もあるが、まずは人の生活に最も密着した「家」という場の在り方、作り方に対する考え方を変えていかなければならないと感じる。


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