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グルの満月

今日(7月13日)はグルプールニマという、アシュラムでは非常に重要な日です。

訳せば、グルの満月(プールニマ・・レッスンの最後に唱えるマントラ、プールナマダン、プールナミダン・・のプールナ、満たされた、完全な、無限の・・と語幹が一緒・・ですね)。

その昔、この日、ヴィヤーサという聖者が弟子にブラフマスートラという、「普遍なる意識」についての書物を弟子に伝えたとのこと。アシュラムでは、この日を皮切りに、1週間、さまざまなプログラムが組まれ、日々学び、瞑想して得られた知恵を知らせる機会が持たれます。

また、全国から弟子たちが集まり、師に挨拶をします。わたくしも今日、日ごろお世話になっているスワミジたちに、御礼のメールを送ったところです。

「皆さまのご健勝と、修行の成功をお祈りしました!」と、早速、スワミ・ヨーガスワルパナンダジよりお返事を頂戴しました。

さて、よく、ヨーガでは、「ヨーガはグルなしでは成功しない」と言われますが、皆さまも聞かれたことないでしょうか。若いころのわたくしは、不遜にも、「そんなことはないだろう」と思っていました。

数学や、地理、法律のように、理解力さえあれば、自習も可能だろうと。

アーサナも同じように、さまざまな本があるし、動画もある。師と弟子・・という関係はどうも窮屈な感じがあって、もういい大人なのだから、「ああしなさい、こうしなさい・・」と言われてはかなわない・・と思っていました。

確かに、一定の身体の動かし方、あるところまでのヨーガの世界観の理解は自習でもできるようになったと思います。

でも、それは、今のように、自分の身に沁みついたものではなかったと思います。

アーサナやプラーナヤーマの行法は、時間のある時に、「やったほうがよいもの」にとどまっていましたし、「全宇宙はブラフマンのあらわれ」と言葉としては理解しながらも、よく腹を立て、人を嫌っては、個人的な欲望にふけっていました。

それが、院長のレッスンを受け、指導者養成コースを受講して、上田先生や須田先生という先輩の日々フレッシュにある姿を拝見して、そして、スワミ・ヨーガスワルパナンダジや、スワミ・カーティケヤンジという、スワミ・シバナンダの息のかかった、偉大なヨーガの先達にお仕えする機会を得て、今では、「ヨーガがなしでわたしはどう生きて来たのだろう」と思うようになっています。

まだまだ腹を立て、人を嫌い、欲望にふけっている時間はありますが、あくまで、他人は他人だし、自分の修行に集中するほうが大切になりました。

そして、その効果を目の当たりにして、ヨーガの素晴らしさに日々感動するようになっています。

こうした変化というのは、やはり、師たる存在がいなければあり得ないことでした。

師は、決して、「ああだこうだ」いう人でなく、全力で修業の成功を祈り、助けてくれる人なのでした。

(本来は、グルとは、「闇を啓く存在」)

こう考えると、やはり、ヨーガとは、(一部の人にとって当たり前ではあると思いますが)、「生き方」であるのだと思います。

「生き方」は、そのように生きている方の傍にいてこそ、伝わることが多い・・ということなのだと思います。

わたくしどもの師事する、シバナンダ・アシュラムは、その師がご存知、スワミ・シバナンダです。

その弟子のスワミ・チダナンダ、スワミ・クリシュナナンダ、そして、その弟子の、スワミ・ヨーガスワルパナンダ、スワミ・カーティケヤン・・インドの叡智であるヨーガが、その泉から、連綿と脈々とほとばしるように湧き出ているのが、アシュラムです。

こうした叡智の伝播の流れの中にいられるということ。

この喜びと感謝をあらわす日。そして、ますます修行に励む時期。

これが、グルプールニマです。

頭で理解したこと、「こうした方がよいとはわかっているけど・・」というあれこれ、、ぜひこの機会(この1週間)に行ってみてはいかがでしょうか。

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