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忘年会・新年会のストレスと社交不安: あなたは一人じゃない

こんにちは、心理カウンセラー(公認心理師)の高牟禮(たかむれ)です。

この時期カウンセリングで
話題になることが多いトピックの一つに
忘年会、新年会のストレスがあります。



楽しみにしている人がいる一方
ストレスや社交不安しか感じず
肩身の狭い思いをしている方も。

今回はこの忘年会、新年会ストレスへの
対処法をお伝えします。


忘年会、新年会ストレスの一つは
参加することへの義務感。

この圧力は、職場の同僚や友人たちからの
期待によって生じることが多く、
飲酒や人との交流に対する不安が高まります。


社交不安とは、
他者との交流や社会的な場面で
過度の心配や不安を感じること。

日常生活の多くの面でストレスを感じ、
忘年会、新年会に代表される社交イベントで
その不安が顕著になります。



12月の下旬、ある居酒屋で
Tさんの会社の忘年会が開かれていました。

店内は社員たちの歓談で賑わっています。

しかし、Tさんは角の席で、
緊張してほとんど話せません。

Tさんは自分の孤立感を感じつつ、
話すきっかけを掴めずにいました。


同僚たちの楽しい話し声が、
遠く感じられる。

Tさんはいつものように、
場に馴染めない自分を責めていました。


「T君、どうしたの? もっとリラックスしなよ」と、
隣の席のYさんが声をかける。

しかしそれは、T君の助けになるどころか
さらにプレッシャーになるだけ。


無言で微笑むことしかできない。

時間が経つにつれ、
Tさんの緊張はさらに増していきました。


そして社長から
「T君、今年はよく頑張ったね!」
と声をかけられたけれど緊張で
何も言えません。

社長や同僚の視線が重く感じられ、
うつむくしかありませんでした。

忘年会が終わり、
Tさんはほっと一息。


そして一人店を出ると、
冷たい夜の空気に触れながら大反省会。

「来年は、もう少し自分を変えられるだろうか」

深くため息をつきつつ、
自己嫌悪のまま家路につきました。



Tさんのストーリーを参考にしつつ、
忘年会、新年会など
社交的なイベントで感じるストレスに対処する
具体的方法を紹介します。う

これらの方法は、
さまざまなシチュエーションで役立ちます。



1. 事前準備と心構え

  • イベントの事前情報を把握する:
    誰が参加するのか、どんな活動が予定されているのかを事前に知ることは、心の準備になります。

  • リラクゼーション技法を習得:
    イベント前に瞑想、深呼吸など、リラックスする方法を練習し、使いこなせるように備えます。

2. 会場での戦略

  • 小グループでの交流: 大勢の中で話すのが苦手な場合は、少人数のグループを見つけ、近くに座るとよいでしょう。

  • 共感できる人を見つける: Tさんと同じように感じている人が事前にわかっていれば、一緒に過ごすことで安心感を得られます。

  • リラックスできる場所を探す: グループから離れた静かな場所を見つけ、一息つくのも効果的です。

3. コミュニケーションの工夫

  • 開いた質問をする: 「はい」または「いいえ」で答えられる、閉じた質問だと会話がすぐ終わってしまいます。話題に沿った形で「○○はどうですか?」といった、開かれた質問をすると、話が広がったり深まることで、会話が続きやすいです。

  • 聞き手に徹する: 相手が積極的に話している時は、自分から話題提供をする必要はありません。頷きや相槌を打ちながら、聞き手に徹することで、相手は気持ちよく話すことができ、盛り上がります。

4. 自己受容とリアルな目標設定

  • 自分自身を受け入れる: 自分の感情や限界を認識し、無理をしないようにします。

  • 小さな目標を設定: 例えば、新しい人と一人でも話す、特定の時間までいる、などの達成可能な目標を立てます。

5. 退場戦略

  • 必要なら早めに退場する: 必要以上に無理をせず、適切なタイミングで帰宅することも重要です。

6. 忘年会、新年会後のセルフケア

  • 反省ではなく、肯定的な振り返りをする: 忘年会、新年会での小さな成功に焦点を当てましょう。肯定的要素に意識を向け、自己肯定感を高めると、忘年会、新年会への苦手意識や不安が小さくなっていきます。

  • リラックスする時間を持つ: 忘年会、新年会後は好きな活動やリラクゼーションを行い、自分のペースを取り戻しましょう。



    これらの対処法は、忘年会に限らず、
    他の社交的なイベントにおいても役立ちます。

    ストレスを完全に取り除くことは難しいかもしれませんが、
    これらの方法を通じて、忘年会、新年会を
    より快適で楽しく過ごす一助になれば幸いです。



最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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