【保存版】宅録環境でアンプの音決めからマイク録音する方法。その1。TONEX 、Quad Cortex,Kemper,BIASな人にも。


 

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宅録ギターと言えばKemper,ZOOM, LINE6,Fractal AudioなどハードのシミュレーターやPositive GridのBIAS, IK MultimediaのAmplitube など、DAWのプラグインを使う方が今ではとても多いと思います。僕ももちろんハード、ソフト含めシミュレーターは頻繁に使います。シミュレーターもかなり進化して実際に録音された物だけではアンプを鳴らしたか、シミュレーターを使ったかの判断は難しいでしょう。

とは言えギターアンプにマイクを立ててレコーディングする事で得られる質感は捨てがたいものがありまして。存在感や質感、音に含まれる情報量など現状ではリアルなアンプが勝る事も実際あります。又、一度は自分でやってみる事でシミュレーターでの音作りにもかなり役立つ大きな経験になるでしょう。

今回はアンプの音を上手くレコーディングするうえで重要な、マイキングから音決めのナイスな方法を紹介します。ですので、家でギターアンプは小音量でも絶対鳴らせ(さ)ない、ギターアンプは持ってない、アンプなんて大っ嫌い!てな方にはあまり関係のない話になります。

少し特殊な方法ですが、録音ブースが無い宅録環境でも可能な方法ですので、きっとお役に立てるかと。

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家でアンプ鳴らして録音とかかなり大変、つか無理だろ?と思いますよね。
自分もそうでしたよ。これから書く方法を確立するまでは。流石に自宅の部屋で超爆音は出せませんが、「そこそこの音量」が出せれば大丈夫。

準備するもの

普段使っているギターやアンプ、エフェクターなんかの他に、マイク(シュアーのSM57がまずはオススメ)マイクスタンド、マイクケーブル、ヘッドホン、イヤホン(遮音性の高い密閉式のイヤホンが理想)、ルーパー。

以上。

あとはMacやPC、DAWソフト、MTR、オーディオインターフェース等は普段使ってるやつでOK。


音決め〜。

まずはアンプから出す音をしっかり作りましょう。と言っても特別な事は必要ありません。録音したい音色をアンプから出るようにします。と言うか、普通にギターアンプから例えばソロの音色とか出しましょう。

音量ですが、ここはそれぞれの居住環境、時間帯、家庭内での上下関係、マンションとかならお隣さんとの関係など、様々な条件によって変わってくるのですが、まぁ「出せる範囲で出せる音量」でいいでしょう。普段アンプで出せるギリギリの音量を目標で。と言うか、アンプを1ミリも鳴らせない環境にお住まいな方はそもそも家でアンプは鳴らし(せ)ませんよね?

マイク立てましょう。

大体音が決まったら、マイクをアンプの前に立てましょう。SM57がまずはオススメというかギターアンプにはまず57ってくらい定番なのと、お値段も1万ちょいだったりなので、1本持っていて良いかと。慣れてきたらマイクは星の数ほど?あるので、他のにチャレンジするのも良いかと。(マイクでの違いもハマると面白いよ)

ギターアンプは床に置いてある人が多いと思いますので、マイクスタンドは「卓上マイクスタンド」がオススメ。僕はTAMAのこれ使ってます。以前千いくらかの劇安ものを使ってたのですが、しょぼすぎてダメだったので。

卓上スタンドは床にギターアンプがある時の高さがちょうど良いのと、軽い、小さいので場所取らない、向きや高さを変えるのが楽(これ重要)など、やはりオススメですね。アンプを高い位置に置いてる方は、普通のマイクスタンド(ただしストレートでないもの)を用意します。

写真のような感じでマイクを立ててアンプのスピーカーを狙います。


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マイクの位置決め〜モニタリング

さてここからが重要な所。マイクの狙い方で集音される音は大きく変わるので、マイクの位置決めはかなり重要なのですが、最初はどこ狙って良いのか分からないし、モニターしながらギターも弾いてマイクの位置変えて、、、そう、かなり大変です。腰を痛めたりする事もあるでしょう。

ではアンプマイキング法の手順をサクッと。

まず、モニタースピーカーはオフに。(これ絶対。ハウリング起きます)

アンプの出音をしっかりと作る〜マイク立てる。マイクケーブルはオーディオインターフェースのマイク入力へ。

ギターから最初のエフェクターなりアンプなりの直前にルーパーをセット。エフェクターで歪ませる場合それより必ず手前に。

アンプから出る直接音がなるべく聞こえないように、密閉式の出来れば遮音性の高いCustom IEM (カスタムインイヤーモニター)をインターフェースのヘッドホン端子に繋いでマイクからの音をモニタリング。ここで初めてマイクで拾っているアンプの音が聞けます。僕はイヤホンはFitEarの物を長く使っています。実際にマイクを動かすと、イヤホンの中の音が大きく変わる事に気づくでしょう。それをプラグインでシミュレートしているものもありますね。しかし、実際に自分でマイクを動かして音が如実に変わっていくのは、結構楽しくてちょっとワクワク、なんちゃってエンジニア気分も味わえますよ。

そして、この経験がプラグインでのバーチャルマイキングにも役に立つはずです。

ここからが肝!

これからソロを録るならそのフレーズ、そうでなければ音決めしやすいフレーズを8小節位弾きつつ、ルーパーに録音します。

はい、ギターを弾くのはここまで。スタンドなりに立てて、エンジニアモードに入ります。ギターの音はルーパーがずっと文句も言わず弾いててくれるので(笑)マイキングに集中出来ますよ。これ便利!

ここで少々加筆

なんだルーパーかよ!と思われるかも?ですが、いやいや、ギター弾きながらマイキングしつつイヤホンのコードも気をつけながら音決め、、、これやってみると分かりますが、かなり大変です。もう二度とするもんか。と思うレベルですよ(個人差はありますが) 


とは言えルーパーを使う事で心身ともにギターから開放されるので、マイキングに集中出来ますよ。エンジニアになった気分でじゃんじゃんマイクを動かしてみましょう。実際には時々イヤホンを外してアンプの音も確認しながら、再びイヤホンの中の音を近づけるのが良いですね。

音色のイメージを明確に。

マイクで拾った音と、実際にアンプから耳で聞く音とでは、印象がかなり変わります。「俺(わたし)のアンプからこんな音出てない!」って感じる事も多いでしょう。大丈夫、僕も初めてレコーディングした時は「俺の音はこんな細くねーぞ」なんて思ったものです。そんなもんです。

これとても大事なのですが、今から録音する音はどういう音なのか?をしっかりとイメージする事は大切な事。これは経験や慣れが大きく関係してくる事なので、トライアンドエラー精神で、イメージ通りの良い音が拾えるよう練習しましょう。宅録なら時間はいくらかけてもスタジオ代はかかりませんし。締め切り間近な案件でも無ければ、一旦休んで別の日にやってもいいですしね。この辺りは宅録ならではの利点ですね。

スタジオでも役に立つこの経験。

例えば「もっと大きな音でアンプを鳴らしたい」「キャビネットの箱鳴りとか物足りない」なんて場合は、スタジオで録音しましょう。そこでもここで紹介したやり方はそのまま出来ますし、自宅で何度かトライしていればマイクの癖や狙い方はこう、、なんて事も経験しているので、スタジオで必要以上の時間がかかる事も減るでしょう。ちなみにSM57は大抵のスタジオに置いてありますよ。又、今ならiPhone始めスマートホンでも本格的なレコーディングが出来るアプリがありますし、スマホ専用もしくはPC,スマホ兼用出来るオーディオインターフェースもあるので、モバイルでのレコーディング環境は結構簡単に作れますからね。ノートパソコンやタブレットも言わずもがな。モバイル環境、PCを使わないでレコーディング的な事はいつか取り上げますね。

次回は「Kemper,BIASな人にも絶対役立つアンプの音決めからマイキングの方法」その2。として、アンプで録音した音を、プラグインなどでさらにブラッシュアップさせる時の上手なやり方について、音源も使って書いてみます。

「Kemper,BIASな人にも絶対役立つアンプの音決めからマイキングの方法」その2

ではでは次号で!

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