また新たな母の認知症フェーズ

母の認知症が新しい進行のフェイズに入ったとしか思えない。
ここ3日ほど、夜になると我が家を「自分の家ではない」というように考え始めて、それが確信となって来ている気配だ。


「明日は帰らなければならない」とか、今日などは、こちらに相談があるといい、「仕事で寮に明日からから泊まらなければならないのだが、どうすればいい?」と言う。また、「この家の家主はどこか」とか、「明日は帰るので、宿泊料がどれだけかかるか聞いて。払うから」とかの発言がここ3日の母親の我が家からの離脱発言だ。


寮に行く件に関しては、つい、強い調子での言い合いになった。
声を荒げるつもりではないのだが、大きな声で答えても聞こえない、あるいは意味が通じないため、つい客観的には声を荒げて答えているように聞こえる声を出してしまうが、それは本人が聞こえないため。あるいは、意味がわからないため。ただ、不思議と大声を出すと、こちらの激しい感情もオモテに出てしまう。

「誰に仕事を頼まれたというの?」「良くわかんないけど、寮に行かなくちゃいけない」「何時まで寮に行かないといけないのさ?」「わかんないよ。9時」「じゃあ車で送るから、場所を教えてくれ」。すると顔をしかめて、「手稲の◯◯あたり」と。
◯◯が母の生家であることを考えると、自分が生まれた家をイメージしてるのだと思われる。
 おばあちゃんが二階にいる、と最近頻繁に言っていたが、少女期回帰が進んでおり、こちらの本音としては強いショックを感じている。


 1日の中で、おそらくほぼ大人としての本人らしさ、主体性が失われていく姿を目の当たりにすると強い驚きを感じる。こうやって、関係が失われていくのかという切断感に子としては苦さを覚えるのである。

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