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私は「空気」になりたい

 忘れもしない、2003年3月6日に、ハ◯ト引っ越しセンターで日雇いの引越しのバイトを始めました。
 しかし、慣れない荷卸し作業や積み込みなどに手間取ってしまい、私は何度もドライバーや社員に殴られました。
「てめぇふざけてんじゃねぇぞ!」
「体だけデカくて頭は空っぽか、クズが」
「お前社会に出てくんな、迷惑だ」
 たった1日だけなのに、随分と酷いことを言われたり、頭を思いっきりゲンコツで殴られたり、蹴飛ばされて転んだりしました。
 私は、それまでも家族から虐待を受けていたのですが、社会に出てもこのような仕打ちを受けるのなら、いっそのこと死んでしまいたいとも思いました。

 ……何ですか? 何故いきなりそんな話をしたのか、と?
 時々思うのです。私は単なる「空気」になりたい、と。
 生物に何気なく吸われてから吐き出されては漂い続ける、そこに存在するけれど誰からも相手にされない、まさに「空気」に。

 私はまた10月から働かなければなりません。
 これまでのパターンからいって、「障害者就労移行支援が紹介した無理なくできる仕事」を謳いながら、きっと想像を絶するパワハラが待っていることでしょう。
 でもそれは仕方がないことなのです。
 私もまた、上記のような人をいたぶるようなことをする「人間」と同種なのだから。
 もう一度だけ言います。
 私は「空気」になりたい。
 空気なら、生物を生かし、争い事にも参加せず、人を傷つけず、傷つけられず、循環されるだけで存在し続けられるから。

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