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私的詩手帳

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#海

(詩)水平線

勝手口を出る
小さな花壇の脇を通る
通りがかる雲が陽の光の
コントラストをふいにそぐ
ビーチサンダルに
細かい砂がまとわりつく
草と砂でできた
こぶのような小さな丘は
両手をつきながら上る

潮騒のむこうに
寡黙な水平線が横たわる

コントラストを取り戻した陽が
誰もいない砂浜を干し始める
星の数ほどある波打ち際の砂は
拍動のような波と同居する
ビーチサンダルを乱暴に脱ぐ
素足が砂と海水の均衡を

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