2D・3D CADソフトのオレ流おすすめ選定方法【価格か?名前か?それとも?】
今回は前回に続いてCADソフト(以下CAD)、その選定の仕方についてのお話しになります。
ひと口にCADの選定と言っても簡単ではありません。
最終的な決定権者は誰か? Ver.UP版は使えないのか? 価格で選ぶか? 機能で選ぶか? 名前で選ぶか? 会社のしがらみで選ぶのか?等々、簡単ではありません。
尚、今回の記事は新たに導入するCADは現在使用しているCADの延長線上に位置する仕様であること、また、近年進化が素晴らしいとされている無料で使えるフリーCADは導入しないという前提での記事になります。
さて、オーソドックスなCADの選定方法としては、新たにCADを導入するにあたり一番手っとり早いのが現在使用しているCADのバージョンアップ版であることは言うまでもありません。それで済ませられるならそれに越したことはないですね。
また、CADを変更する際はノーマルな方法として体験版を使用してみるのも良いかも?知れません。
かも?と言うのは体験版の試用は、試用期間終了後に断ってもしつこいテレアポにメール、なし崩し的に正規購入を迫られるというイメージがありますので、私はあまり喜んで使うタイプではないからです。
あくまでもしつこいのはベンダーではなく商社・代理店の話です。
そこの営業マンが「公式から体験版DLしてくれましたよね!」「イイですよね!」みたいなウザさが苦手なんですね。
何せ自分の会社のお偉いさん経由の話だから、むげに断れないというジレンマもあったりしますので…
そもそも買う気満々であるとか、余程のことがない限り購入する前提においての体験版の使用なら普通に有益であることは付け加えておきます。
そうなってくるともはや体験と言うより早めの練習みたいな意味合いだったりしますけどね。
私は少々使い勝手が悪くても、とりあえずメジャーなCADを選定しとけば良いと考えるタイプだったりします。
私が考えるメジャーなCADとは、とにかく”名の通った”CAD特化型ベンダー、要は、ほぼほぼCAD専門メーカーのことを指しています。
ほぼほぼ専業なので少なくともCAD事業からの唐突な撤退の心配がない。無論、あまり知られていないCADベンダーは撤退云々以前に倒産の懸念がありますので私なら避けますね。
尚、前回の記事にも書きましたが、誰もが知っているような日本の電機・電器の大企業だったりしますとその名前から安心感は確実に得られます。
しかしいざCAD事業が採算に合わなくなると、所詮はその大企業の一事業に過ぎないので躊躇なく撤退したりする可能性があったりします。
もちろんその際は多少のアフターフォローはありますが、あくまでも事業撤退なので永久にフォローなどしてくれるはずはありません。
そうですねぇ…私の経験から言わせてもらえればCAD事業は別の企業に売却してこれからはその企業との契約になる。
で、とりあえずひと安心と思ったのも束の間、現在使っているCADの保守は1年後には終了になりますし後継のCADもございませんので、その際はこっちのCADを新規購入して下さいね!イヤならもう知りませんよ!みたいな感じでしたかね。
話がそれましたが、ノーマルなCADの選定方法としては人気商品・売れ筋商品から選定することになるでしょう。この辺はネット検索で容易に調べられるはずです。
しかしサクラ情報も多いので注意が必要です。また、よくありがちな人気ランキングにも注意が必要です。
からくりと言ったら大げさですが、得てしてそういうサイトはアフィリエイト報酬目的にそのサイト運営者が自分が売りたい商品を恣意的にランク上位に配置したりするそうです。
もちろんこれはCADに限ったことではありません。ネット上にあるあらゆる商品ランキングについて言えることです。
だからといって全ての商品ランキングがインチキだと言っているのではありませんよ、念のため。懐疑的な視点が必要ですねってだけの話です。はい。
とはいえ、私がおすすめするCADの選定は2D・3Dを問わず人気・売れ筋CADだったりします。
そこで私は更にその人気・売れ筋の裏付けとなる指標的なものをとても重要視しています。
それは一般書籍としていわゆる「教則本」がどれだけ出版されているか?ということです。
「教則本」とは、例えば「出来る!EXCEL」とか「わかる!WORD」など、操作を分かりやすく解説したマニュアル本のことです。
CADにはチュートリアルやヘルプが搭載されていますがイマイチ分かりづらかったりします。
仕方ないのでそのCADベンダーが主催するセミナーに参加したりしたものですが、駆け足・大急ぎの授業だったリ、お約束とも言える分かりづらいマニュアル・教材、逆にあまりにも基本の基すぎる内容でもの足りなかったりすることもしばしば…
ここ10年20年はCADベンダーが自社サイトにフォーラムを開設したり、あるいは有志がネット上に操作解説サイトを立ち上げたり、動画投稿をしたりと昔に比べて情報の入手手段は格段に増えました。
それらはとても有益ですが、実作業中ですと私的にはやはり紙媒体の方が使い勝手は良かったりします。
ネット情報をプリントアウトしても良いのですが、内容的に市販の教則本は有料なだけあって情報量の多さが格段に違う印象です。
そこまで書くか!と言いたくなるくらい、一から十まで「ここにカーソルを合わせて左クリック」「その次にここで右クリック」「次に決定」等々、これでもか!というくらい書いてある教則本も珍しくなかったりします。
そしてそのCADの教則本の種類が多ければ多いほど、真に人気・売れ筋のいわゆるメジャーなCADということになります。
使用者が多く需要があるから出版されている訳です。簡単な話です。
また、そういった教則本が手元に1,2冊でもあれば安心ですし当然作業の効率化にも寄与します。
更にメジャーなCADだけあって数年おきに訪れるであろうOS更新時の懸念もかなり減ることになるでしょう。
逆に、現在使っているCADの教則本を購入しようと思いネット検索をかけるも、販売されていないという現実に直面した時はホント落胆します。
以上のことを踏まえますと私的にCAD選定の順番としては、まず先に教則本の有無をAmazon等で調べ、そしてそこからCADを絞り込むというのがベストであると考えています。
そう、いきなりCADを探すのではなく教則本を探すのです。
ただそうなると必然的にAutoCADやSolidWorksになろうかとは思いますが、私はオートデスク社やダッソー・システムズ社の回し者ではありませんので、念のため。
とか何とか言ったところで、結局のところ大企業・中小企業を問わずCADソフトを導入するにあたっては、その選定の決定権は会社にあることは言うまでもありません。
また、中小企業においても実際に使って作業するのは設計者なので、その意見を重要視してくれる企業が普通なのだろうとは思いますが、必ずしもそうでもなかったりする場合があるというのは前回の記事に書いた通りです。
そういった現実があるものの、この記事が新たにCADソフトを選定する際のちょっとした参考になれば幸いです。
以上、2D・3D CADソフトのオレ流おすすめ選定方法【価格か?名前か?それとも?】でした。ありがとうございました。