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フランスで教会を案内しながら思うこと

ヨーロッパを旅行すると必ず見る建物といえばやはり教会ではないでしょうか。日本では見たことがなくて、フランスやスペイン、イタリアなどを旅行した時に初めて中に入るという方も多いかと思います。

キリスト教を信仰している方を除けば、日本で普段から教会訪れているという方はあまり多くないのではないでしょうか。

私が初めてヨーロッパで教会を訪れた時の話

私はキリスト教信者ではないのですが、大学がカトリック系だったこともあって、日本で教会には入ったことがありました。とはいえ、初めてヨーロッパを旅行した時、教会の建物の美しさに目を奪われたのを覚えています。

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フランスで初めて見たのはルーアン大聖堂だったと思うのですが、繊細な彫刻、色鮮やかなステンドグラス、歴史を感じさせる建物の佇まい・・・その全てが驚きでした。

その後、スペインを訪れ、やはり多くの教会を訪れました。ところが数が増えていくにつれ、初めて見たときの新鮮さが薄れていくのをが感じられるように。

たぶんその原因は「どれも同じに見えた」からではなかったのではないかと思います。

つまり、それぞれの違いや見方が分からなかったということです。

フランスでガイドをするようになって感じたこと

時が経ち、今ではフランスでガイドとして教会を案内するようになっているから人生とは分からないものです。

フランス政府公認ガイドの資格を取るためには、フランスの大学院に通い、そこでヨーロッパの建築や美術史などを学びました。学んだことの中には当然、教会の建築も含まれていました。

日本で、特に京都や奈良などでガイドをすると寺社建築を避けることができないように、フランスでガイドをするためは教会の知識は不可欠だからです。

絵画もそうですが、普段は馴染みのない教会建築でも、見方が分かれば色々なことが分かるようになります。フランスで勉強を始めた頃は、正直言ってさっぱり・・・でしたが、今では教会を見る度に視線をせわしなく動かしている自分がいます。

教会建築の特徴を分かりやすく伝えること

教会建築に限らず西洋建築にしても、普通に日本に住んでいるとというのはなかなか敷居が高い感は否めないと思います。

西洋建築は西洋美術史の中で語られることが多くて建築だけ取り扱った解説書は少なく、日本語で西洋建築の専門書となると専門用語のオンパレードとなるので気軽に読むのは難しい気がします。

ましてや、教会建築となると建築技術や様式、フランスの歴史だけではなく、キリスト教の知識も絡んでくるので複雑です。

また、フランスで同じ場所を案内する場合でも、例えば、同じ文化や歴史背景を持っていない日本人とスペイン人をガイドするのでは内容を少し変える必要が出てきます。

お客様をご案内する中で、いかにそういった情報を整理して分かりやすく伝えるか・・・自分が初めて教会を見たときのことを時々思い出しながら、試行錯誤を続ける毎日です。











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