深沢真太郎さんの「わけるとつなぐ」を読んでみた。

読み始めてすぐに出てくる言葉。それは『ちゃんと』本書にも書かれている等に日常会話の中で頻繁出てくる言葉にも関わらず、その意味を説明してもらおうとするとなかなか説明できない。

逆にいえば、それだけ便利なだけ言葉なのかもしれない。だからこそ意味を理解しないまま放置しているのかもしれない。
子供がいる人は思い当たるところがあると思うが、子供に対して「ちゃんとして」「ちゃんとやって」「しっかりして」などの便利言葉を使っていないだろうか。
たぶん子どもたちは「ちゃんと」とか「しっかり」って言葉の意味を理解していないだろうし、言っている私たち親も厳密な意味を含ませていない場合が多い。

だから子どもたちには伝わらないし、伝わらないのだから治らない。伝える側にも根本的な原因があるといえる。

そして『ちゃんと考える』という言葉に続くのだがちゃんと考えるとはどういったことなのか。深沢さんの考えとしては『ちゃんと考える=わける+つなぐ』だという。これができるとビジネスで成功する確率があがるらしい。

本書では女子高生が部活であるサッカーで1勝を上げるためにという内容で『わける』『つなぐ』をわかりやすく説明されている。
これは本当に物事を考えるときに必要だけれども、ほとんどの人ができていない『わける+つなぐ』の重要性から実践方法が書かれているのですべての人にオススメしたい本だといえる。
文字数もそこまで多くないし、中学生レベルでも理解できる表現方法になっているので安心して読んで頂きたい。

私からもこの『わける+つなぐ』についての重要性をお伝えできればと思う。
仕事や遊び、子供らが何かに挑戦してすんなり上手くいくことって少ないと思う。その時に「なぜ」できないのかを考え改善することでできるようになる。
この「なぜ」をより細かくわけることが重要になる。このことを私は「要素分解」とか「因数分解」とか「細分化」とか言っているがなにをするにも、この分ける癖をつけたほうがいいと思う。

分けるということに対して例えば、技術不足や知識不足、やる気の問題なのか、行っている時間の問題なのか。とかに分けられると思う。まずはじめにこの分けるということがとても重要なことで、次に、つなぐの1つにわけたものをグループとしてまとめることと書かれており、つないでグループにすることで、その問題点はどうすれば解決するのか、解決可能なものなのかの判断ができるようになる。

そしてもう一つのつなぐではストーリー的なつなぎ方を書かれていて、人っていきなり「これをやれ」と言われてもなかなか行動に移せないと思う。そこに意味があったり、理由があるだけで人って行動できるようになるのかなって感じた。

本書の中で「わける」ときのポイントとして『要素のわける』と『比較のわける』の2種類しかなくて、要素のわけるでは『それは何でできているか』でわけること。比較のわけるとは『どんな比較ができるか』という表現で書かれている。具体例は本書に書いてあるのでぜひ読んでいただきたい。
ビジネスでも勉強でも遊びでも、人が何かを考えるときは必ず『わけるとつなぐ』しかしていないのかもしれない。と思いながら読み進めているとその言葉がそのまま本書に書かれていて少しだけ面白かった。

この『わけるとつなぐ』をおこなうときにとても重要なことが書かれており、私も無意識でやっていたが『人間はちゃんと考えるとき、物理的に余白があったほうがいい』という言葉。簡単に言うと視覚で捉えられるものにしながらまとめることが重要だという話。

本書の後半にビジネスに必要な考え方も『わけるとつなぐ』で成り立っているのでは?という具体例が書かれている。

考えている人すべてに『わけるとつなぐ』は有効な考え方なのかもしれないと感じた。
世の中、自分で『ちゃんと考えられる』人がとても少なくなってきていると思う。それはなぜかと考えると考える機会が限りなく少ないのだと思う。
スマホやPCで検索するだけで答えは出てきてしまうし、先生や上司に答えを求めてしまう。これは日本の教育や仕組みが問題であり、その環境に慣れてしまってることが原因である。
かと言ってこの環境に慣れていても不自由しない生活水準だということも理解したほうがいい。

だからこそまずは「この環境」に対して『わけるとつなぐ』をやってみると面白いかもしれない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?