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新型コロナ流行が相続対策に与える影響とは?

新型コロナウイルスの流行が、「相続」に大きな影響を与えている場面が見受けられます。

具体的にどのようなことが起こっているのでしょうか?

下記の3点についてみていきましょう。

①不動産価格の下落

②株価の下落

③家賃収入の見直し


①不動産価格の下落

相続の中でも財産価額の多くを占めるのは、家や土地などの不動産です。

ではその相続税評価額はといえば、建物であれば固定資産税評価額で計上し、土地であれば「路線価」を中心とした評価額によって計上されます。


相続税評価額が、相続発生時の時価(市場価格、近隣の取引事例など)ではなく、1月1日時点の時価(公示地価)を基準にして決められた路線価を使用している点が問題とされています。

すなわち、1月1日に比較して相続時の時価が大きく下落している地域では、実態以上の評価額で相続財産を計上しなければならなくなるということになります。

今年の7月に公表された路線価は、5年連続で上昇傾向にあります。

とはいっても、数か月で地価が大きく下落した地域というのも限定されており、それよりもむしろ問題なのは、土地やマンションなどをたくさんお持ちの方で、納税資金を土地の売却によって調達しようと考えていた方です。

私の住む地域の知り合いの不動産業者の方々は、土地やマンションは価格は下落傾向にあり、今後もその傾向は続くとみられ、情報の早い地主さんは早期に売却に動いているとのことでした。

地域によって状況は異なりますが、十分な情報収集が求められます。


②株価の下落

不動産と異なる点は、株などの有価証券の相続税評価額は、相続発生時点の時価によるところです。

そのため、実態以上の評価額で相続財産を計上しなければならない、という心配はありません。

しかし、株等を換金して納税資金を調達しようとしていた方は、当初の計算がくるってくる、というケースも出てくるでしょう。

また、財産分けで株を多く相続した方は、いざ売却する段になって、他の相続人との間で不公平感を感じることもあるかもしれません。


③家賃収入の見直し

テナントビルや貸店舗など事業用の賃貸不動産を活用した相続税対策をされている方に大きな影響が出ているようです。

賃貸不動産の購入は、相続税を算出する際の財産評価額を減らせるため、多額の借り入れをして物件を取得する富裕層は今でも多いようです。

しかし、新型コロナの感染拡大でテナントビルを中心に、契約賃料の大幅な値下げ要求がなされております。

賃料収入の減少で借入金の返済が滞れば、相続節税を前提にしたライフプランにも支障が出かねない状況です。

新型コロナの影響を考慮した相続対策の見直しをご検討してみてください!


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