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なぜ働き方改革は進まないのか?

太田肇先生による最新の著作『「超」働き方改革 ー四次元の「分ける」戦略』。

 ・なぜ「働き方改革」は思うように進まないのか ?

 ・なぜ日本人の仕事に対する熱意と帰属意識は「世界最低」なのか ?

 ・なぜわが国の労働生産性や国際競争力は急落し、30年たっても浮上しないのか?

 ・なぜ同種のパワハラや組織不祥事がくり返されるのか ?

 ・なぜ女性活躍を妨げる「ガラスの天井」はなくならないのか ?

  これらの問いを立て、共通の原因を「組織と個人の未分化」にあると述べた上で、いかに「分ける」か、を具体的な事例をもとに解説した読み易く解り易い一冊です。

  筆者いわく、「分ける」べきは、①仕事、②職場、③キャリア、④認知、の4つ。

  「仕事を分ける」ことで個人の役割が明確になり、またそれが個人によって主体的に選ばれたものであることでエンゲージメントが高まる。

 「職場を分ける」ことで、個人の仕事に集中できる時間が確保され、生産性が高まる。(現在急速に普及しているテレワークも含む)

  「キャリアを分ける」とは選択肢を社外にも求めること。それによって労使の関係はよりフェアなものとなり、健全な内部労働市場が形成される。

  「認知的に分ける」とは、個の貢献を可視化することで責任意識とやりがいが高まる。


  いずれも単なる“べき論”で終わらせず、その障害やデメリットを明らかにしながらも実際にそれを行なう企業の具体的な実例を挙げて解説することで客観性や説得力が増しており、「指南書」であると同時に議論や検討を行なう際の『論点』を見つける上でも大いに有益な一冊と呼べるのではないでしょうか。

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