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イマドキの若者を育てる“言葉学”

グループとしてのデビューを目指す9名のオーディションとレッスンの過程を描いたドキュメンタリー番組「Nizi Project」 。全20話がHuluで放送され、注目を集めているのはプロデューサーのJ.Y. Park氏。都度メンバーたちに伝えられた数々の言葉が示唆に富むもので、ビジネスパーソンにも注目されています。

  記事が伝えるJ.Y.Park氏の言葉の8つの特徴は、

   1)Goodを先、Mottoを後

   2)気づいていないことに気づかせる

   3)具体的で的確なアドバイス、明確な宿題を与える

   4)敬意をもって承認する

   5)ホールネスな状態を求める

   6)才能を信じ、練習で改善できるものを指摘する

   7)自分の内面を語る

   8)フィードバックする人間として説得力を持つ

どれも、放送で実際にPark氏が述べていたこととそのシーンまでを思い出させるものですが、記事が紹介している実際のコメントを一例として挙げると・・・

   3)具体的で的確なアドバイス、明確な宿題を与える

【とあるメンバーの質問】

腰に負担をかけずにダンスをする方法が知りたい

【Park氏の指導】

重心をうまくとる方法と腰を痛めない方法は同じものです。
骨盤が立っているとき耳と肩がなるべく遠くなるようにして、力を入れたまま肩を下げながら背中の筋肉2つ、一番大きい筋肉2つに力を入れ、おしりの方に力を入れて、この4つに力を入れてからもう一回やってみて。踊るときも、おしり、背中の筋肉の4つを使ったら腰は怪我しないはずです。

  私たちのマネジメントの現場でも、「指示や指導を明確に」とは留意していますが、なかなかここまで具体的な指導をすることはできません。仕事とダンスは違いますが、まず自身が卓越した技術をもち、その技術を言語化することで再現性を高める、というのは仕事の技術指導において重要なことです。

一方、「4)敬意をもって承認する」はチームビルディングにおいて重要なことを教えてくれます。

 承認には、結果を出した際に称賛する「結果承認」だけでなく、プロセスや進捗や頑張りを認める「行動承認」、挨拶や存在してくれていることへの感謝を示す「存在承認」などがあり、長期的に頑張り続けなければならない人やチームほど、「存在承認」「行動承認」は大切なものになってくるといいます。

「君がいてくれてよかった」が最高の労いであり賞賛であることは、私自身の経験からもよく理解できます。

  リモートワークに伴う非言語コミュニケーションの欠落による「精神的距離」を埋めるのは、従来より質の高い言語によるコミュニケーション。

  「何を語るか」を熟慮し、「どう語るか」を洗練するとともに、「誰が語るか」に説得力を持たせるための日々の鍛錬と努力こそが、コロナ禍がマネージャーに課した務めなのではないでしょうか。

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