なぜ毎日オフィスに出勤していたのだろう?
早稲田大学トランスナショナルHRM研究会(本年度第1回会合)で、ゲスト登壇されたブライアン・シャーマン氏のプレゼンテーションを聴講しました。
いつもながら流暢な日本語で大変聴き易いプレゼンテーションでした。(今日はお得意の“ダジャレ”はなかったですが)
特に印象に残ったのは「危機は企業にとっての内省時」というお話。
過去の大規模不況の時がそうであったように、今回のコロナショックが社会の大きな転換点となることは間違いない、と思わせる変化は既に目に見えています。
シャーマン氏は、内省すべき事柄として
①存在意義や企業理念の再発見
②仕事の意義や目的を見直す
③人間関係の構築と意義を考え直す
の三点を挙げてお話しされました。
世界規模で行われたコロナウイルス感染拡大防止のための取組みと、その前提で進んでいる社会や企業のレジリエンスの中で、我々は実に多くのことに気付きました。
オンラインによってミーティングや商談をタイムリーに実施できることに気付いたことで、
「今までわざわざ出張していたのは何故だったのか?」
「なぜ毎日オフィスに出勤していたのだろう?」
と、ふと思った。
在宅ワークによって、ビジネスアワーに行なわれる様々なイベント(オンライン)にも参加し易くなり、一気に外部情報に触れる機会や社外のコミュニティに参加する機会が増え、リフレッシュした。
こういった“ふと感じたこと”がシャーマン氏の言う「内省」の入り口なのではないでしょうか。
「なぜ毎日オフィスに出勤していたのか」という問いは、オフィスに出勤することを単に否定するのではなく、大半の仕事が在宅でできることを冷静に認めながら、「それでもオフィスに行くとしたら何をするために行くのか」、「そのためのオフィスの形態や雰囲気はどうあるべきなのか」ということをゼロベースで考えることなのです。
そして、「お客さんに来なくていいと言われた」、「『今後は内製するから』と継続取引を打ち切られた」、という顧客や市場の変化も、自社にとってのこれからの顧客や提供価値、サービスのあり方を考え直すきっかけなのかも知れません。
さらには自社の戦略、すなわち自社の経営資源(強み)がどのように活かせるのか、何を変え、何を変えないのか、これらを熟考し、ステイクホルダーの共感、共鳴を得られるストーリーとして言語化できた企業(チーム)こそが、“内省”できた企業(チーム)ということではないかと思います。
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