Why we are here?

  ハーバードビジネスレビュー最新号の『スターバックスはオンリーワンのブランドであり続ける』。

 日本法人CEOの水口貴文氏による寄稿です。

 コロナウイルス感染拡大に伴い国内全店舗の8割を超える1,200店を休業したスターバックス。多くの店舗で営業を再開したものの、人々は依然外出を控え、同社の成長の追い風となっていた「コト消費」の伸びも弱含みです。

 そんな中、同社が突き付けられているのは「Why we are here、私たちはなぜ存在するのか」という問いであると水口氏は記しています。

 水口氏が立ち戻っているのは、『人々の心を豊かで活力あるものにするためにーーひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから』という同社のミッションです。

 このミッションが実現された素晴らしい顧客体験(CX)、従業員体験(EX)については是非実際に本稿を手に取ってご覧いただくとして、私たちが学ぶ(省みる)べき点を挙げるとしたら、それはミッション、すなわち同社の存在意義とビジネスの方向性が見事に一致している点です。

 「ひとりのお客様」に対して行なうミルクなどのカスタマイズ。(IT=アプリの特性を活用)

 「一杯のコーヒー」に対してこだわるバリスタ認定制度(ブラックエプロン)。

 そして、「ひとつのコミュニティ」にとことんこだわって作られる一店舗ごとのコンセプトとストーリー。

 そして筆者は、創業者であるハワード・シュルツ名誉会長の言葉にも触れています。

「会議で何かを決める時、パートナー(アルバイトを含む全ての従業員)とお客様を前に、その決定について胸を張って言えるかどうか」

 実際に会議は、このお客様とパートナーのための2席を空けて行なうことで、常に顧客と従業員を意識した意思決定を行なうことができます。

 本稿は、これら"変わらない(変えない)こと"とともに、 誰でも真似ができる事ではなく、産みの苦しみを伴うようなイノベーションを行ない続ける(=変わり続ける)ことによって『オンリー・スターバックス』であり続ける、という決意で結ばれています。

 変革とは、「変えないことは何か」を決めることから始まります。


 

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