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プロティアン(変幻人材な)キャリア

  社内の組織風土改革のプロジェクト活動の中で出会ったキーワード「プロティアン」。ギリシア神話に出てくる思いのままに姿を変えられる神プロテウスを語源とし、「変幻自在な」「多方面の」と訳されます。

  環境変化が激しく、5年、10年といったスパンでキャリアプランを考えることが難しくなった現代において、環境の変化とともに一つのキャリアビジョンや自社内でのステップアップだけにこだわらな柔軟なキャリア形成、すなわち「プロティアン・キャリア」が重要だというアメリカの心理学者ダグラス・ホール氏が提唱したキャリア理論だそうです。

  ホール氏の主張は、キャリア形成は、完全依存的でも完全独立的でもない相互依存的な関係の中で行なわれるべきである、ということです。ウィズ・コロナの環境下で、リモートワークやオンラインコミュニケーションの急速な普及に伴い就業構造や雇用システムが大きく変化しようとしている中、会社との関係性も従来の「帰属型」から「契約型」へと変容していきます。

  それに伴い個人が身に付けるべきは、旧来の人事管理や教育研修システムの中で身に付けてきた企業特殊的な能力ではなく、「個人の仕事における心理的成功を目指す自己志向的なキャリア」(グローバルキャリア塾HPより)をベースとした「アイデンティティ」と「アダプタビリティ(適応能力)」だといいます。

  様々な調査結果が、若者による勤務先への帰属意識の低下を伝えています。「最近の若者は、、」、「うちの会社は、、」と嘆く前に、社員による自己思考的なキャリア形成を尊び、“社外でも通用するスキル”を磨く機会を積極的に提供できているかを省みてみるべきではないでしょうか。

  目指すべきは、「よそ(他社)では通用しない人が長くぶら下がっている(結果、定着率が高い)会社」ではなく、「どこに行っても通用する人材が敢えて選んでここに居る」状態です。

  もちろん、社員は会社に対して「短期の貢献」が契約条件であることを忘れてはなりません。


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