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行事や祝い事ってしなきゃいけないの?毎日が祝いの日なのに?

自問自答すると、
しなくていい。

年末が近づくと、年末年始はどう過ごすのか人に聞かれる。
「普通に過ごします。」と答えると、

「そうよね、家族と一緒に過ごしますよね。」
「恋人と会うんでしょう。」
「おせちとか食べて、楽しいね。」
「イベントに参加するの?」
「どの神社にお参りする?」

彼らにとっての「普通」で理解される。

日本の文化圏にいる「一般的な」方々の主な行事と言えば、

元旦、成人の日、節分、バレンタインデー、ひな祭り、花見、母の日、父の日、七夕、お盆、ハロウィン、クリスマス、大晦日、など。

何よりも彼らが大事にするのが自身の誕生日、パートナーや家族との記念日、自分の近しい人の誕生日。

そう、「一般的な日本人」の頭にある行事・イベント。
他の国や文化圏、宗教の人なら上の項目も思いも、普遍的ではなく当然変わってくる。
当たり前の話。

キリスト教圏にはイースターというお祝いがある。「一般的な日本人」で祝う人は多くない。
彼らに「なんでイースターを祝わないの?」と言っても、答えに窮するだろう。
イースターを知らないからではない。「異文化」であり、何よりも自分にとっての「祝いの日」ではないからだろう。

私は、上記のどれも祝わない。年末年始も他の日と同じように過ごしている。
自身の誕生日も特に祝わない。
「祝わない」ことを選んでいるのではない。「祝う」ことを選んでいないだけ。上のイースターの例と同じ。だって、私にとって「祝いの日」ではないから。
何か特別な理由があるわけではない。ただ祝う意味がわからない。
誕生日と言ったって、何も誕生していないじゃない。
私の物理的な誕生日は一度だけ。

小さい頃は、様々な行事に参加していたと思う。
ただ、両親があまり祭り事が苦手なのもあって、他の子達に比べると、行事への思いは強くなかった。

例えば、私の誕生日を何歳までか(10歳くらいまで)両親は祝っていた。
親からは誕生日プレゼントとして、美術館の特別展やクラシックのコンサートに行ったり、五つ星ホテルに泊まったりもした。
(誕生日以外の時でも、これらの活動はしていたけれど。)
この時点で、他の「一般的な」家庭とは少し違うのかもしれない。

たが、正直そのようなことをされる意味が当時わからなかった。
誕生日→祝う・プレゼントをもらう、のつながりがよくわからなかった。

プレゼントなど毎日くれたっていいじゃないか、行きたいところに行きたいときに行ったっていいじゃないか、そんな風に思うのが子供心。

こんなことを話していると、ただの捻くれ者のように思われる。
捻くれ者は、「本当は行事・祝い事の意味がわかって好きだけど、みんなと同じようにしたくない」人だろう。
でも私は、自分の思いに素直になると、(私にとって)行事や祝い事の意味がわからない、人。
変わってはいても、捻くれているとは思わない。

もちろん、社会的な立場を考えて、友人・知人の誕生日には祝っているフリをする。プレゼントをすることもある。彼らに喜んで欲しい、というのもある。
ただ、自分の心に素直になったら、祝いの言葉を言う意味さえもわからない。でも、こんな態度だと争いごとにもなりやすい。だから、偽るしかない。
こんなことをオープンに話して行動して、理解してもらうことは稀だ。特に、「カップル」の関係性で、これはいつも問題になった。
ただ、幸運なことにそんな稀な友人たちも中にはいる。

「一般的な人」にとって、これらの行事が大事なものであり、それぞれの思いやイメージもあるのだと理解している。
だからこそ、偽る。ホワイトライ(white lie)。
例えば、ある人がボロボロの雑巾を愛用していたとして、他人から見ればそれは単なる「ボロ雑巾」でも、本人にとっては「長く愛用している大事なもの」。
ボロボロで汚いからといってそれを勝手に捨てるわけにはいかない。大事に扱う。

ずっと前は、こんな自分に罪悪感を覚えていた。
社会から外れていてはダメなんだ。排除されてしまう、と思ってた。
だから、捻くれていた。
「誕生日とか行事が"私の文化"のように感じない、理解できない」
それでも、頑張って遂行しようとしてた。
外面で見れば、行事を理解して行う「一般的な人」に見えたと思う。
これが全て自然にできる人、素直に行事に対する信仰心がある人ならいいと思う。

でも、私にとっては行事をする方が、捻くれている。なぜなら、自分に素直になっていないから。自分の思いを捻じ曲げているから。

私にとっての「祝いの日」は自然と現れてくる。
それは毎日。
毎日が特別であるからこそ、心の底から新鮮な喜びが出てくる。「非日常」が湧き出てくる。
「今」がここにある。

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