神保 謙 Ken JIMBO

神保 謙 Ken JIMBO

記事一覧

格子状の同盟関係は「アジア版NATO」ではない

アジアの安全保障を考える上で、従来の二国間の同盟関係が互いに連携を深める構図が進展している。日米韓・日米比・日米豪のそれぞれの安全保障協力が深まっていると同時に…

65

北東アジアの「トラック2外交」再生?

5月連休明けから3日間にわたり北東アジア平和協力対話(Northeast Asia Cooperation Diaogue: NEACD)という会合を、都内の国際文化会館で開催した。NEACDは発足以来30年以上…

17

中山俊宏さんへの個人的追悼

中山俊宏さんが2022年5月1日に亡くなってから、はや2年が経過したことになる。中山さんとの付き合いが長かったよしみで、私は中央公論や慶應の学内誌などに辿々しい追悼文…

138
格子状の同盟関係は「アジア版NATO」ではない

格子状の同盟関係は「アジア版NATO」ではない

アジアの安全保障を考える上で、従来の二国間の同盟関係が互いに連携を深める構図が進展している。日米韓・日米比・日米豪のそれぞれの安全保障協力が深まっていると同時に、日米豪印クアッド協力や、米英豪AUKUSといった新たな枠組みも関係性を強化している。こうした延長線上に「アジア版NATO」の形成が試みられている、という解釈を耳にすることがある。

第二次大戦後のアジアの安全保障を基本的に構成したのは米国

もっとみる
北東アジアの「トラック2外交」再生?

北東アジアの「トラック2外交」再生?

5月連休明けから3日間にわたり北東アジア平和協力対話(Northeast Asia Cooperation Diaogue: NEACD)という会合を、都内の国際文化会館で開催した。NEACDは発足以来30年以上の歴史を持ち、日米中露韓(北朝鮮)の6か国の政府関係者と研究者が集い、北東アジアの安全保障協力について議論する年次会合を開催している。政府当局者も個人のキャパシティで参加し、民間参加者とと

もっとみる
中山俊宏さんへの個人的追悼

中山俊宏さんへの個人的追悼

中山俊宏さんが2022年5月1日に亡くなってから、はや2年が経過したことになる。中山さんとの付き合いが長かったよしみで、私は中央公論や慶應の学内誌などに辿々しい追悼文を寄稿した(また新たに慶應義塾大学の同僚となった渡辺将人さんも素晴らしい追悼文を寄せており、ご一読を薦めたい)。

わかってはいたのだが、米国大統領選が近づき、多くの報道や解説記事に接するにつれ、中山さんの喪失を現在も感じている。中山

もっとみる