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「知財業界での教育」(弁理士の日記念ブログ企画2024)

本日7月1日は「弁理士の日」です。「独学の弁理士講座」を主催するドクガク氏から、「弁理士の日」を盛り上げるため、今年は「知財業界での教育」というお題を与えられました。

そもそも、「知財業界」とは何でしょうか? 一般的には、主に、特許権・実用新案権・意匠権・商標権といった産業財産権の権利化(出願・中間処理)や活用(ライセンス・訴訟)に関わる人たちの業界を指すものと考えられます。職種的には、弁理士/弁護士、特許技術者、特許サーチャー、特許事務員、特許翻訳者、審査官/審判官/裁判官、などが該当するでしょう。

そうなりますと、「知財業界での教育」というのは、「発明発掘、各種調査、出願、中間処理、ライセンス、訴訟にまつわる実務を効率的・効果的に進めることができるようにする教育」ということになるでしょうか? より俯瞰的な視点で実務を見ていくという観点では、弁理士試験や知的財産管理技能検定なども非常に有益でしょう。

ところで、以前から言われていることですが、知財業界というのは、非常に狭い業界です。知財業界だけで盛り上がっていて、社会一般には全然関心を持たれていない事柄が数多くあることに思い当たった方もいることでしょう。ある意味において狭く閉じた教育は、多様な人材の育成や輩出を妨げるという側面があるようにも思います。

現在、社会が益々複雑化しているため、社会全体の中で「知財」がどのように位置づけられ、そしてどのように重要で、またどのように活用していけばよいのかについて、国際的な視点も含めた、幅広い課題意識を持つことは重要です。知財業界にはビジネス感覚や戦略的視点を持った人材が少ないという指摘もありますし、それと共に、社会全体としての知財リテラシーは相変わらず低く、それをどのように高めていくのかを考える必要もあります。

小職は昨年4月から内閣府の科学技術・イノベーション推進事務局において、科学技術・イノベーションの推進に関する政策の企画立案などの事務に関わっていますが、知財業界に限らず、それぞれの業界や組織の中で「専門知」がタコ壺化していることに大きな危機感を抱いています。個々が専門性を高めてスペシャリストとして自立していくことは重要ですが、それと共に、多様な学問を学んだ学際的な人材や、多様な業務を経験した業際的な人材の有する知識・経験に基づく「総合知」が、今後益々必要となることでしょう。知財業界が、多様性に溢れた業界となっていくことを願っています。

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