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仕事と人生の目標についての考察

私が観測している中での非常に視野の狭い話ですが、私がマネジメントした対象の中で、仕事で成し遂げたいことや人生で成し遂げたいことを自分自身の力で明確に持てる人はそう多くはないと感じます。「成し遂げたいことはなんですか?」と聞かれたときに、多くの場合は、なんとなく今の環境や自分が持っているスキルを元に、将来の可能性を「なりたい姿」と錯覚してしまうことが多いようです。

目標を持てばパフォーマンスが上がる、というのは定説ではあるもの、それほど単純な話ではないのではないでしょうか。では「仕事と人生の目標について」マネージャー視点でどのように考えるべきかを、この記事ではまとめてみます。

「成し遂げたいこと」が決まっていれば成長の機会は増える

仕事におけるWill、すなわち「仕事で成し遂げたいこと」が明確な人は、成長の機会をつかみやすく、マネージャーも仕事を任せやすい、と感じていると思います。だからこそ、Willを持つことは一般的に良いこととされています。

その上で、Willが明確でないメンバーがいる場合、マネージャーは対話を通じてこれを引き出すべきです。Willを明確にすれば成長機会をつかみやすいのであれば、マネージャーがそれを支援しない道理はありません。このWillについての話を1on1等でする場合は、当然双方が心理的安全を確保する必要があります。たとえば「いつまでに現在の仕事を終え、次のステップに進みたいか」といった具体的な話題をするためには、お互いの信頼関係の構築が非常に重要です。

コーチとしてのアプローチ

「Willを対話を通じて引き出す」プロセスは、まさにコーチングの一種と考えられます。明確な正解が無いメンバーのWillに対して、そのメンバーの思考過程に寄り添いながら適切なアドバイスを提供することがマネージャーの役割ではないでしょうか。

Willを引き出すための質問

ちなみに、メンバーのWillを引き出すために私がよく使う質問は以下の2つです。

  • 今までの仕事で、一番周囲から感謝されたと思うことは何ですか?

  • 今までの仕事で、一番自分が楽しかった、もしくはやりきったと思うことは何ですか?

これらの質問は、他人から見たときにメンバーがもっともパフォーマンスが出るスキルと、メンバー自身が感じるもっともパフォーマンスが上がったと思うことを上げてもらい、そのギャップを考えてもらうことを目的としています。このギャップは自分軸と他社との関わりかた、という形でWillの設定に役立ちます。

自分軸と他者との関わり

自分の人生における目標は自分軸で考えるべきですが、人生は他者との関係性なしには成り立たちません。したがって、自己の目標と他者との関わり方を同時に考える必要があります。

まとめ

多くの人は仕事におけるWillを持っていないことが多いですが、マネージャーが対話を通じてこれを引き出すことはチームに対して大きな利益となります。自己の成長と他者との関係性のバランスを見つけながら、個々のWillを明確にしていくことが、仕事だけでなく人生においても重要となります。マネージャーの責務として、メンバーのWillを可能な限り引き出す努力をすべきだと考えます。

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