読むサイクリング ~栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術~
ただの自転車好きが勝手に自転車本を批評します。
基本的にネタばれを気にせずつらつらと書いていきますので、気になる方は注意してください。
栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術 (著)栗村 修
著者は自転車ロードレース解説でお馴染みの栗村修さん。そんな著者が自転車ロードレースを観戦するために必要な知識を書いた一冊です。
初心者に自転車ロードレースを説明するのは非常に難しいんですよね。脚質やら展開はもちろん、ルールブックにない紳士協定的なものは、どう説明すればいいのかいつも困ります。この悩みは私だけではないはず。そういったことでお困りの方がいたら、この本を初心者の方に読んでもらえばほぼほぼ解決できると思います。
これ系の本がもっと出てほしいんですが、いかんせん自転車ロードレースはマイナー競技かつ、観るスポーツではなくやるスポーツというのが現状であるため、仕方ないように感じます。
テレビ(ネット)観戦入門書の元祖にして頂点
この本はタイトル通り自転車ロードレース観戦の入門書。初版が2013年の本になりますが、僕の知る限りこの手の本は雑誌の特集号とかを除けば、今でもこの本が唯一です。
内容はレースの要素をかなりの部分網羅してあります。ゲームっぽくHPとかアイテムなんて表現で説明されていたりするので、知識のない方にも分かりやすいんじゃないかと感じます。
また、この本の特徴として、テレビ(ネット)観戦のことだけで、現地観戦のことはほぼほぼ書いてありません。
けっこう古い本にはなりますが、コロナ禍でテレビ(ネット)によるスポーツ観戦者数が増えた今、かなりタイムリーな一冊に感じます。
ちょっとコアな話ですが、自転車ロードレースは基本的に入場料収入がありません。スポーツビジネス的にはかなり致命的といえる構造をしているので、テレビ(ネット)観戦が増えることは業界的にいいことなのかもしれないですね。
最大の欠点は情報の古さ
素晴らしい一冊なのですが、情報が古いというのはどうしても避けられない問題です。
まぁ今読み返してみると、逆にそこが楽しかったりするのですが。(笑)
まず選手。参考までに各脚質の代表に挙げられている選手を数人ピックアップします。
・オールラウンダー
イヴァン・バッソ
デニス・メンショフ
・クライマー
アンディ(フランク)・シュレック
・スプリンター
トル・フースホフト
・クラシックスペシャリスト
トム・ボーネン
・パンチャー
ダミアーノ・クネゴ
・ルーラー
イェンス・フォイクト
いかがでしょう?30代以上の人からしたら、たまらない面々ですよね。(笑)
居酒屋なら、このメンバーについてだけで3時間くらいは楽勝で話せちゃうんじゃないでしょうか。長くなるのでこのくらいにします。
あと、ドーピング関連の話はなくても良かったかも。まぁ、栗村さん的に話したいことが山ほどあったんでしょうね。
とま、最後は欠点を挙げてみましたが、総じて最高クラスにオススメしたい一冊です。
是非手に取っていただきたいし、レース好きの方は周りに一冊ずつ配ってもいいんじゃないかと思えるような本です。
おすすめです!
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