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言語化は「探究」から始まる

言語化力はとても重要なスキルであり様々な職種に必要です。勿論我々デザイナーにも必須のスキルです。

今回は「言語化力はどうすれば身に付くのか」について、考えてみたいと思います。




1. 探究の先にある言語化力

タイトルにもある通りですが先に結論を書きます。言語化力を身に付けるために最も必要なものは「探究心」です。

探究力ではなく、探究心、気持ちです。つまり、言語化力を手に入れるための手法はあるが、その実行には探究心が必要ということです。

探究:物事の真相・価値・在り方などを深く考えて、すじ道をたどって明らかにすること。

国語辞典 三省堂大辞林より
探究心と手法

世の中には言語化をテーマとした書籍がいくつかあります。「これはどのような意味だろう。この考えこの感覚が曖昧で気になる」と思うこと、それをそのままにせず、「なにを伝えたいのか」「感じ続けること」「問いを立て続けること」が大切だと書かれています。

それらの書籍は、強い探究心であらゆる事象を考え続けた結果言語化力を身に付けた著者が書いている結果論です。

そもそも探究心が無ければ「なぜ」を追求していくことは困難であり、逆に探究心を持っていれば既に「なぜ」を考え続けているでしょう。

身の周りにいる言語化力が優れている方々がそのスキルを持っているのは結果であって、まず探究心が強いのだと思います。よって、言語化力を身に付ける手法やプロセスは如何なるものでも正解であり、且つ紹介されている手法は一つの成功事例でしかありません。


2. 探究と成長の相関

「本当に大切なことは、教えることが難しい」と思っています。その一つが探究心です。

クリエイティブ=ものづくりとは、そこに没頭し探究し考え続ける力そのものでしょう。探究心=好きという気持ちがなければ、その先持続性と熟達する可能性が低くなってしまうかもしれません。

趣味でも何でも「好きな気持ちを持ちなさい」と他人に言われても、その心を持つことは難しいでしょう。探究心は、持てと言われて持てるものではないのです。

勿論「手法」を教えることは可能です。以前noteで書いた「デザイナーに必要なスキル」を得るための手法はあります。

その他に、アイディアの出し方、コンセプトメイキング等、手法を教えることは可能だと思っています。しかし「探究心」は他人から与えられるものではない、ということは明らかです。


3. 思考法ではなく思考量

その対象について普段からどれだけ深く考えているか。これに尽きるのかなと思います。思考法や思考力よりも「思考量」ではないかと感じます。「どれだけ考えたのか」が大切です。なのでプレゼンテーション自体が上手いかどうかなどの話術は関係ないでしょう。

私自身の「手法」の話も少し紹介しようと思います。(これも一つの手法であり結果論ですが)

1 普段の業務の中で、アウトプットしながら課題と遭遇する
2 そこで感じた事象をそのまま言葉にしてみる
3 解決する。noteに書き留める

上記を繰り返しています。とても楽しいです。課題ではなくとも、メンバーとの普段の会話の中で引っ掛かった言葉、疑問に思った言葉をメモしておいて、後に分解してみたり探究してみることが好きです。

AIに指示する力も言語化力が必要ですね。より具体的にディティールを言語化し指示することができれば、求めているクオリティに近付く可能性も高まるでしょう。そしてそれを良い or 悪いと判断できるのは、デザインを生み出し続けてきたデザイナーです。


まとめ

私がデザインへの探究心を持ったのは、幼少期から絵を描くことが好きだったことと、学生時代に佐藤卓さん・深澤直人さん・原研哉さん…その他あらゆる著名デザイナーの作品や書籍に出会い、アフォーダンスなどの高尚なデザインの知性にふれたことがきっかけでした。

その当時の「デザインって何だろう…」というワクワクした気持ち、探究心を今でも覚えています。

そしてこのnoteを書きながら、そもそも「探究心」とはどういうものなのか、どこから生まれてくるのか…  という疑問が生まれてきましたが、これは次回また書くことにします。

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