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「学習性無力感」から逃れるために出来ること

何をやってもどうせ無駄。

何かをしたとしても、どうせ大したことにならない。

何もしないのが一番正解。

最もコスパが良いのは、何もしないこと。

世の中の仕組みにおいて自分の手でコントロール出来ないことが増えた結果、自分の力が無力であるように感じる人が増えていく。

自分の努力の分だけ、しっかりと給与が上がり続けることは夢のまた夢。

今日よりも明日がよくなることは幻に過ぎない。

自分の足元の事ですらコントロール出来ていないのに、ましてや世の中に対して何らかの影響を及ぼすなんてものすごい無理難題。

その結果として、多くの人が主張を持つことを諦め、選挙に行かず、流れるままになっている。

「自分の影響可能・コントロールできる範囲に集中しましょう」というアドバイスをもらうことがあったとしても、何もしなければ時間と共にその範囲すら狭くなる一方。

ますますやる気が失われ、何もしないことが最も正解であるように感じてしまう。

この感じをなんというのか。

それは「学習性無力感」と呼ばれている。



学習性無力感とは何か。

それは、自分自身の無力感を学ぶこと。

長期間にわたり高ストレス下環境におかれることで、そのストレス状態から逃れられないことを知り、繰り返されることでどうにもならない状況を学習する。

そして学んだ結果として、その状態から逃げようとすることすらしなくなること。

その結果として、どれだけ激しいいじめにあっている状態でも、逃げないでそのまま耐えることをし続ける状態。

何を言っても無駄、何をやっても逃れられないことを、経験的に学習すること。

これこそが、学習性無力感。

小さい頃から足輪をはめられて自由を奪われたゾウが、大きくなっても動くことが叶う状態であるにもかかわらず逃げないでその場にいること。

まるでいじめを長期間された人が、抵抗を無駄だとあきらめてそのままでいじめられ続けることを是とした状態。

日本において実質的にかなり厳しめの増税状態に慣れすぎてしまい、反抗するのを諦めた民衆。

中国の若者が、道路に寝そべる抗議活動を行っていたが、抗議の意味ももちろんあるが、無力感について形として表しているように感じる。

他にも世の中のあらゆる次元で様々な形で、無力感によるあきらめを学習している例があるように感じる。




人によって諦めている部分が多い・少ないはあるものの、無力感がある分野は何らかのものとして存在するに違いない。

その部分はどうしようもないと感じるところ。

ただ、世の中の仕組みは放置するとますます増殖していくため、自分自身でコントロール出来ない部分はますます増えていく。

だからこそ早め早めに無力感を学習し続ける状態から、何らかの形で逃れることも必要であるように感じる。

ではそのためには何が必要か。

それは、まずはちょっとしたことでもいいので、自分の何かが影響を与えて、その反応をベースに成功体験を重ねること。

成功のハードルを下げて、自分でもコントロールして何かを実現できることを実感・体感すること。

その内容は何でもいい。

近所に掃除のボランティアをして、地域の人に話しかけられたり、感謝されたりすることも成功の一つ。

そのつながりをきっかけに、さらに役に立つ自分や感謝される自分を作り出すことが出来るかもしれない。

つながりがきっかけで、色々とお願いできたりお世話になることも増えてくるに違いない。

そのことをきっかけに、自分自身でコントロールできる範囲を広げていく。

もし何もしないことが正解になると、ますます自分がコントロールできる範囲が減っていく。

このスパイラルにはまる前に、全てに対して無気力になるのではなく、しっかりと自分がコントロールできる範囲を増やしていく。

それこそが、無力感を学習する状態から逃れることに繋がっていくに違いない。




コントロール可能な範囲、影響を及ぼせる範囲は、初めから誰もが持っているわけではない。

それらは自分自身で作り出して、徐々に範囲を拡大していくもの。

だから、ほんの少しずつでもいいので、何らかの形を残すように心がける。

周囲と繋がって広がっていき、同じような仲間と一緒にいること。

わずかの人でいいので、認め合う関係性をまずは作ってくこと。

それが徐々に実績となり、気が付いたら自分しか持たないコミュニティーになっていく。

その中で尊重し合える関係性が作られることが進めば、無気力状態を脱出することにかなり近づける。

ほんの小さな効果であっても、継続することでものすごい力を発揮する。

だからこそ、まずは自分で行動を開始する必要があるように感じる。

コントロール可能なことを経験することこそが、「学習性無力感」から逃れる良い方法になるに違いない。



ありがとうございました。

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