地盤改良の盲点

今回の内容は
・土地をこれから探そうという方
・土地をお持ちで今から建てる会社を探そうという方
この様な方々へ有益な情報をお伝えします。

結論からお伝えします。

” 地盤改良をする場合は、
将来の土地の価格が下がらないかどうかの検討が必要 ”

ということです。

まず地盤改良について簡単にご説明しましょう。

建物を建てる前には必ず地盤の強さを調査します。これをしないと、建てて数年で建物が傾いてしまう事があるのです。そうならない為に、地盤調査を行い、結果地盤が弱ければ、地盤を改良して強くします。これが地盤改良と言われる工程です。

いくらしっかりした建物を建てても地盤が弱いと建物は簡単に傾いてしまうので必ず調査すべき重要な工程になります。

次に地盤改良の種類について
地盤の状態に合わせて色々な方法が用意されています。一般的に住宅で一番多い改良方法が

柱状改良(チュウジョウカイリョウ)」

と言われるものです。
これは地中にコンクリートの柱を何本も作る改良方法になります。多く採用される理由は他の工法よりも価格や施工性などでメリットが大きいからです。地盤改良は、建物が完成すると全く見えない部分ですので、地盤が強くなるなら安価な方法を選択する方が良い、と私自身も以前はそう思っていました。

しかしある時、柱状改良って実は安くはない、という事に気付かされる事件が起きました。

それはあるクライアントが購入された土地に改良杭が残っていた事が購入後に明らかになり、その際に様々な問題があることが判明しました。そこには一般の方がほとんど知らない、隠れた問題点がありました。

一番の問題は、
将来の土地の価値が数百万円低くなってしまう
ということです

お金を払って土地が地震に強くなったのだから、逆に価値は上がったんじゃないの?と思われるかもしれません。

確かにその通りですが、それはその土地が永遠に自分の物である場合に限られます。

具体的に説明すると

あなたは今、建築用の土地を探していて、
きれいに整地された40坪 2,000万円の土地が2つ、
A号地とB号地を見つけました。1点だけ下記の違いがあります。

A号地:地中に深さ5mのコンクリート杭が数十本埋まっている土地
B号地:地中に何も埋まっていない土地
どちらも同じ40坪で2,000万円!

あなたはどちらの土地を購入したいですか?
ほとんどの方は地中に何も入っていないB号地を購入したいと考えます。ということはつまりのある土地は、ない土地に比べて売れにくい土地になるので相場価格より数百万価格を下げないと売ることは難しくなります。もしかするとそれでも売れないかもしれません。

(実際に地中の障害物は新しい建物の基礎に干渉する可能性がある為、新しい建物から最低でも1m以上の深さまでは全て取り除く必要があります。もし深さ5メートルのコンクリート杭を全てきれいに取り除く場合、500万円程かかるとも言われており、お金以外にも様々な問題が発生します。後で取り除くのは現実的ではないのが現状です)

いくらだったらA号地の土地が売れるでしょうか。
もしあなただったらいくらで購入しますか?

1800万円、1700万円、1600万円、1500万円、、、、購入しない、、、
もし1700万円だと思ったなら、
相場である2000万円ー1700万円=300万円
この300万円が、コンクリート杭によって失ったコストです。


もしご自分の土地にコンクリート杭の補強を提案されたら、上記の事を思い出してください。未来のあなたのお子さんやお孫さんがその土地を売却し、違う場所に移り住もうと思った時の事を想像してください。その時の土地の相場では売ることができない可能性が高く、辛い思いをするかもしれません。

このような問題に気づくためにも、これからは
「未来の子供達の視点での住まいづくり」
が必要ですね。


追伸
もしコンクリート杭以外の提案が建設会社さんからもらえない場合はお気軽にご相談ください。私がお勧めする工法をご紹介させていただきます。

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