いしけん ネクイノ代表 (石井健一)
おじさんがなぜFemtechを(後編)
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おじさんがなぜFemtechを(後編)

いしけん ネクイノ代表 (石井健一)

注)このnoteは、株式会社ネクイノ代表取締役の石井健一が株式会社ネクイノメンバー向けに書いているnoteです。そのため、使用している用語に通常で使われているものと意味合いが異なる場合があります。

(前編はこちら)

前編では僕が持っている「課題感」についてと、その課題を解決するために現役世代にフォーカスをすること、という部分までを綴りました。この後半ではなぜ「生物学的女性を?なぜピルなの?」という問いに対して答えていきます。

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山を登るときに、”どの登山口から登り始めるか”と言うのは難関な山ほど重要になる・・・らしいです(伝聞)そう言う意味で、医療空間と体験のサイテイギをするためになぜ登山口がピルなのか・・・を言語化したいと思います。

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この図は製薬会社が未来を語るときによく使う図(右側)なんですが、縦軸に治療に対してどのくらい医薬品が貢献しているか、横軸には治療全体に対する満足度を表しています。この右上の領域はいわゆる「おおむね課題解決ができた」領域であり、このゾーンで新薬を出すのは厳しいぞ、という意味でも使われます。なので、製薬会社は多額の研究開発費を投下してそこではないゾーンの医薬品の開発に取り組んでいます。こういうのをアンメット・メディカルニーズなんて言葉で表現したりします。

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さっきの図に、もう1軸「その医薬品が社会実装されているか」という軸を加えると↑になります(僕が作りました)現在日本で使用できるピル(低用量・超低用量)は先ほどの図だと右上に位置する、と入って過言はないかと。一方で、必要な市場に十分に実装(供給)されているかとするとこんな低いところに位置付けられます。このギャップこそ、「この登山口から登る」を決めるに至る大きな理由の一つとなりました。参考までに、現在日本で使用されているピルは40年前のイノベーションであり、世界中で幅広く使用されていて安全性・有効性の評価が終わっていること、日本ではその適応症から保険外診療の割合が一定数あること、医薬品の課題ではなくコミュニケーションの課題であること、なども登山口を決める要因になっています。
さっきのアンメットメディカルニーズに対して、アンインプリメント・メディカルニーズとでも言いましょうか。(そんな言葉あるか知らない)

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で、最後にピルについて改めて。ピルは避妊以外にも生理痛の改善や月経周期の安定化、子宮体癌のリスク減少効果など幅広いメリットが知られています。このアンインプリメント・メディカルニーズを解決するためには医師・薬剤師・助産師などのリソースを活用して医療を身近にすること、そしてネクイノの戦い方である現役世代へ・Techを用いて予防的アプローチを行うことという文脈の中でこの領域における課題の解決に取り組むべく、ここまで歩みを進めてきたわけです。

当然、課題はピルの普及率が低いことではありません。これはその課題の表現系の一つで、例えばSRHRの浸透だったり、マイノリティを取りこぼさない多様性のある社会の構築だったりメタな課題解決を、私たちが目指す医療の課題解決と並行して進めていきたいと考えています。

最後に。

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多くの方が起業=原体験からくるもの、と思われるのでこういった質問が出てくるのかと思いますが、世の中のスタートアップの起源は、必ずしもそういうものでもないよというのをここにも綴らせていただきました。

当然、顧客ニーズの深い理解やサービスへの反映に、いわゆるおっさんチームだけでスコープを合わせていくのは難しいかと思います。ネクイノではたまたま代表を僕(生物学的男性)がやっていますが社内外に多くの顧客ニーズを鋭敏に捉えることができる人材がいます。こういったメンバーと専門性を混じり合わせながら「新しい体験」を世の中に実装していけたらいいな、と考えています。

そして、

Femteh=女性起業家が行うもの。

もうそろそろ、このフェーズも超えて行ってもいいんじゃないかな、と思いますし、そう思っていただけるように世論と対話を続けていきたいと思います。

2022年2月19日
株式会社ネクイノ
代表取締役 いしけん

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いしけん ネクイノ代表 (石井健一)
オンライン診察サービス「スマルナ」を運営する株式会社ネクイノのCEOをやってます。 主にネクイノメンバーに向けたnoteが中心です。