見出し画像

メディカル・ヘルスケア領域で起業を考えているあなたへ

注)このnoteは、株式会社ネクイノ代表取締役の石井健一が株式会社ネクイノメンバー向けに書いているnoteです。そのため、使用している用語に通常で使われているものと意味合いが異なる場合があります。

前回の投稿を多くの方にスキ!していただき、めっちゃうれしくなっているいしけんです。今回のnoteは、「メディカル・ヘルスケア領域で起業を考えている人」に向けたものを綴りました。まぁ、まだ道半ばのおっさんの戯言ですが、ご笑納ください。

1.メディカル?ヘルスケア?

用語の明確な基準って多分ないはずなので、このnoteでは以下のように整理したいと思います。

スクリーンショット 2021-09-26 23.38.12

取り扱うものが医薬品や診察サービスの場合はメディカル領域、食品カテゴリーであるサプリなどを中心とする場合はウェルネス領域、その中間をヘルスケア領域、といったん定義します。

この領域で起業を検討している人は、大きく
①医療側にドメインを持つチームか
②そうでないチームか
の2つに分けることができます。僕の超個人的な見解としてはメディカル/ヘルスケア領域に軸足を置く場合は①のチームから出発しないとその事業を軌道に乗せていくのは相当難易度が高いんじゃないのかな・・・って言うのを思っています。
これは、医療にドメインがないチームはダメ、って言っているわけじゃなくて、そういう領域にトライしたいと思うのであればチーム組成の出来る限り早い段階でこの分野に明るい人を1-2名以上チームに加えて戦略を組み立てていくのがいいんじゃないかな、と思ってます。

2.理由=ルールがややこしすぎる、以上

スクリーンショット 2021-09-26 23.44.01

これらの領域では多かれ少なかれこの↑4つの法規制の中でサービスを開発していかなければなりません。え?自分たちサプリ(食品)だから薬機法関係ないよね?とか、医師監修してるから大丈夫なんじゃないの?のような声を相談の際にいただくことがめちゃくちゃ多くて、全てを説明できないので「詳しくはその道(商習慣や手続き論を含む)に詳しい弁護士さんと相談してみてね」ってお伝えすることにしているのですが、法令またはそれに準ずる文書の部分だけを読んでサービス設計をすると大抵の場合ドツボにはまります。その法令が出されている背景、実際の医療機関など規制を受ける側がそれをどんな運用に落とし込んでいるのか、というところまで洞察してサービスを設計する必要があるからです。なので、↑で書いたようにチーム組成の出来る限り早い段階でメンバーを組み込め、と申し上げてます。ちなみにネクイノでは、僕は製薬会社×医療コンサル、相棒の渡部は調剤薬局や介護事業所の経営、(元)CTOの宮田は製薬会社をクライアントとしたシステム開発の経験、さらに番場先生が自ら医療機関を経営・・・と創業期からこの辺りの土地勘を持ってサービス設計・開発を行えていた、と言う背景があります。
思いっきり蛇足ですが、システム開発にも土地勘が必要で医療データを取り扱う際のルールっていうのがこれがまた複雑で、通常の開発会社さんですとこのルールに対応した開発をするとベラボーにコストが高くなります。なので、開発チームにも土地勘を持っていることが必要になってきます。

3.海外のサービスを日本に持ち込む

このパターン、結構相談受けること多いです。特に最近だと日本版Hims&Hersをやりたい(AGA&ED領域)っていうのが多いんですが、海外の医療サービスをそのまま日本に持ち込もうとするのはやめたほうがいいです(きっぱり)。

ちなみに、スマルナはNURXっていうアメリカのスタートアップをめちゃくちゃ意識してサービス開発したんですが、この時の「そのまま」持ち込む方法は取っていません。

じゃぁ、どうやって海外で成功している(伸びている)メディカル&ヘルスケアサービスを日本に持ち込んだらいいんでしょうか?これも超個人的な私見ですが、以下の3つのポイントを抑えることが日本でそのサービスを立ち上げるにあたり絶対通るべきプロセスだと考えています。

【日本版〇〇を生み出すための3ポイント】(完全石井私見版)
①そのサービスは誰の、何を、どうやって解決しているのかを徹底的に言語化する
②そのサービスの創業期に、経営チームはどんなケイパビリティを生かしてサービス設計を行なっていたのか、勝ちパターンはどうやって作ったのか
③なぜ、自分たちが日本でそのサービスを再現できるのか

まず、絶対に通らなければいけないのが①で当然英語での情報収集になるわけですが、


★日本と該当国(主にアメリカ?)は保険制度が根本的に異なるのでインセンティブの考え方が全然違う
★日本は基本的に医療水準がめっちゃ高いので、何かを置き換えるサービスは基本うまくいかない(ユーザーにとって結果的に不利益になる可能性)
★日本は医療資源が逼迫していて多くの医療従事者は基本忙しい、だから新しいことをやっている暇はそんなにない

↑のような背景、外部環境の違いを思考の一番根元に置いておかないと芯を食ったサービスになりません。なので、「それ日本でうまくいくの?」という投資家からの問いにうまく答えられず、結果的にサービス開発が進まない・・・っていう状況に陥ります。

で、次に②なんですがこれがまた英語前提でかつクローズドな情報を探して来ないといけないのでめちゃくちゃ難易度が高いです。日本でも、例えばメルカリが②をどうやって乗り越えていったか・・・みたいな話、落ちてそうで全然落ちてないんですよね・・・(当たり前か)それでも、ここがないと③に進めないし、自分たちのコンパスも持てない。なので、全部がわからなくてもいいんですが集められる限り情報を集めて、かつ創業者の気持ちになってinsightを構築していきましょう。

で、ここまできたら③。先行して成功したパターンのアナロジーを利かせて日本版〇〇を紡いでいくにはどんなケイパビリティが必要か、そのためにどんなチームが必要か(投資家も含む)って言うのを徹底的に考える。ここから思考をスタートさせて、それをピッチデッキに落とし込んでいくって作業が最短距離なんじゃないかな、と僕は勝手に思ってます。

4.それでも思考はペインから始めるべき

日本と外国の違いはあるにせよ、根本的にはお金を払ってでも解決したい「ペイン」がそこに存在していることを証明する、または推測することは必要不可欠です。このプロセスを経ないで「海外で流行っているから日本でも・・・」って考えるのはせっかくのスタートアップの醍醐味を半分以上放棄しているようなものです(言い過ぎかな)そこにどんな課題があって、その課題を既存の組織や枠組みでは解決できない理由があって、でもその解決策が(おぼろげでも)自分たちには見えているから前に進む。そして、そのチームにだんだんと応援者が増えていっていずれ社会実装される。

僕は、この一連の流れがスタートアップを行う醍醐味だと思っています。医療っていう難題を抱えるフィールドだからこそ、今までにない知見やアイデア、テクノロジーを生かして「人類に貢献する」面白いサービスやプロダクトを紡ぎ出していければいいな、と思っています。

そうそう、最後になりますが僕たちネクイノは一緒に働く仲間を絶賛募集しています。医療ドメインの中で新しいことをしたい、生み出していきたい、そんなメンバーを募集していますので、我こそは!という方はぜひぜひご連絡ください!

詳しくは、コチラをクリックしてみてください!

2021年9月26日
いしけん



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?