見出し画像

「スキル貧乏性」という病。税理士は4年前まで情報を牢獄に入れていた話。

「堀元さん、二次会行きますか?」

「いや、タスクいっぱいあるからやめとく!スタバで仕事する!」

豊洲でバーベキューをした帰り道、酔っ払いながらスターバックス・コーヒーに入る。アルコールが入った身体にカフェインで鞭を入れて、PCを開いた。海と炭火の残り香をまといながら。

完全な休日を、もうここ半年くらいは作っていない。


「自分にタスクを与えすぎてしまう」というと、典型的な無能経営者なのだけれど、僕はついやってしまう。よくないと思いつつ、やめられない。

その原因は、「スキル貧乏性」という病気にある。

新しい仕事に伴って強制的に発生する勉強イベントは、素晴らしく効率が良い。「この日までにこれを仕上げなければならない」と明確な目的意識があると、バキバキに慌ててインプットし、スキルを習得することになる。


たとえば、税務。

僕は4年くらい前に株式会社の代表者をやっていたことがあるが、この時の法人決算はすべて自分でやった。

普通、法人の決算は税理士にお願いすることが多い。個人事業主の確定申告とケタ違いにめんどくさいからだ。書類の量が20倍くらいになる。

しかし、僕は自分でやった。カッコいい建前の理由は「自分でやることで、隅々まで会社の財務状況を理解できる。それが代表者の理想だ!」であり、カッコ悪い本音を言うと「税理士に頼む金がない」であった。大人の本音はいつもダサすぎて見ていられない。


しかしまあ、自分でやってみたことで大いなる発見があった。


まず第一に驚いたのは「出した方がいいが出さなくてもいい書類」が死ぬほどあることだった。

ここから先は

7,075字
この記事のみ ¥ 300
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?