見出し画像

ラッスンゴレライにハマってる話。あるいは、二葉亭四迷とはまやねんの愛について。

僕が今ハマってるものを聞かれたら、ノータイムで「ラッスンゴレライ」と答える。

5年くらい前に大流行した、この芸人のネタだ。

画像引用元:https://ryskkbysh.com/archives/8359


読者諸賢は「なぜ今さら?」と思ったことだろう。僕もそう思う。皆が8.6秒で飽きた芸人に、なぜ5年越しでハマらないといけないのか。

しかしハマってしまったものは仕方ない。底なし沼というのはあがけばあがくほど出られなくなる。僕にできるのは、ラッスンゴレライ沼に飽きるまで浸かるだけだ。

しかし問題が一つある。人間は共感の生き物だ。ハマっているものについて語り合い、共感したいものだ。それなのに、現在進行系でラッスンゴレライにハマっている人はおそらく地球上に僕しかいない

ラッスンゴレライの良さについて語り合いたい気持ちは満タンなのに、語り合う相手がいない。とっくに弾丸が装填済みの僕のバズーカは、どこに向ければいいのか。


そういうわけで、今日はわざわざラッスンゴレライの魅力についてnoteを書く。皆も読んで、ハマって欲しい。


公式動画は全然おもしろくない

いきなり腐すようで申し訳ないのだけど、はっきり言ってラッスンゴレライのネタを普通に見ても全くおもしろくない。公式動画を貼っておく。

なんというかこう…、時流に乗っていたものが時流からこぼれ落ちる悲しみを感じる。面白いどころか、泣ける。中島みゆきの名曲「世情」くらい泣ける。シュプレヒコールの波が通り過ぎていってしまった感じがする。彼らもまた、時の流れを止めて変わらない夢を見たがる者なのかもしれない。

というか、この公式動画、なんで観客の笑い声とか入ってないんだろう。笑い声を足しておいてくれたらもうちょっと楽しく見られるはずなのに。「俺たちのネタは完成しているから笑い声など入らない方が良い」という天狗になったもの特有の驕りを感じる。


いいから黙ってこれを聴け

……おっと危ない。ラッスンゴレライを褒めるどころか酷評してしまった。ここから本題。ラッスンゴレライの良さを説明しよう。

今僕がハマっているのは、上記の公式動画ではない。CD化されたバージョンのものである。これだ。

CDバージョンと言っても、別に購入する必要はない。Amazonプライムミュージックで聴ける。プライム会員なら無料だ。

プライム会員じゃないって?ちょっと待てお兄さん。プライム会員なら映画も大量に見放題だしKindle本も月1冊タダだし、プライム会員になっておかない理由がないぞ。この機会にプライム会員になっておこう。会員登録も8.6秒では終わらないだろうが、数分で終わる。


さて、上記リンクからラッスンゴレライの4つのバージョンが聴ける。

アコースティックver.だのクラブRemixだのがあるが、僕がハマっているのは1曲目。無印の「ラッスンゴレライ」だ。

無印のラッスンゴレライなら上記の公式動画と大差ないんじゃないかと侮るなかれ。この無印ラッスンゴレライは脳内麻薬がドバドバ出る気持ちよさである。

無印ラッスンゴレライはバチバチにシンセサイザーとドラムのサウンドを追加し、ネタ自体(二人の声)にも大量のエフェクトがかけられたり、音程も調整されていたりして、EDM風に仕立てられている。

そして、これが功を奏した。EDM化したことによってめちゃくちゃ気持ちいい曲になっているのだ。

たった一曲の間に「ああ~~~!!!ここ気持ちいい~~!!!!」となるポイントがてんこ盛りだ。しかもなんとなく、今までにない音楽体験だと感じる。

そう、歌唱でもラップでもない、「お笑いのネタ」をEDM化したことにより、今までにない音楽体験になっている。めちゃくちゃ気持ちいいのだ。


そもそも、ラッスンゴレライが流行したきっかけは、「音の気持ちよさ」であっただろう。「ちょと待てちょと待てお兄さん~」の音も気持ちいいし、途中で転調する「ちょちょっちょっと待てちょと待てうぉにさん~!」に至ってはカタルシスすらある。面白さとかでなくその気持ちよさで売れたといえよう。(これは8.6秒バズーカに限ったことではなく、リズムネタ全般に言えることだが)

そして、その展開の気持ちよさや転調のカタルシスをそのまま何段階も高いレベルに昇華したのがこのCD版ラッスンゴレライなのだ。


特に気持ちいいところを、以下に示す。ぜひ聴きながら読んでくれ。

~~~以下、ぜひ無印ラッスンゴレライを再生しながら読んで欲しい~~~

・冒頭の「ラッスンゴレライ」→「えっえっなんてっ?」の3拍子のリズムに合わせて「ドゥッドゥッドゥルッドゥドゥッドゥ」とタイミングピシャリのドラム伴奏が入ってくるところがいきなり気持ちいい。胸に熱く染み込んでくる。開始8.6秒ですっかり心を掴まれてしまう。

・「肉魚野菜どれですの~ん?」→「ラッスンゴレライ」の切り替わりで、曲調が切り替わるところ。「あ、そこからBメロなんだ」という気付きがある。というか、全体的に抜群のタイムで曲調が変わるので、聴くものを飽きさせない。これに比べると元のネタは冗長で飽きてしまう。

・「彼女おらんし車ないや~ん」の後の「いやちょと待てちょと待てお兄さん」の宇宙っぽいエフェクト。冒頭からどんどん盛り上がってきた演奏に水を浴びせるアクセントがめちゃくちゃ気持ちいい。ネタの構成から言うとそもそもここには「ちょと待て」は入らないんだけど、そんなことが気にならない気持ちよさ。音楽理論に詳しくないから専門的なことは言えないけど、このアクセントのつけ方は論理的に正しいのだと思う。
あと、詳しくなさすぎて「宇宙っぽいエフェクト」というバカみたいな表現を使ってしまった。この宇宙っぽいエフェクトの正式名称を誰か教えてくれ。

・最初の「スパイダーフラッシュローリングサンダー」に入るエコーと、「ちょちょっちょっと待て、うぉにさん!」に入るエコー。これもめちゃくちゃ気持ちいい。というか、このエコーが気持ちよすぎて、本来のネタを見たとき「なんかしょぼいな…」と思ってしまう気がする。ネタの山場と言うべきここがエコー処理で最高に気持ちよくなってるのがCD版のポイントなのだ。

・「サウジアラビアの父さんとインドから来たお母さんの~」で再び宇宙っぽいエフェクト。だからこのエフェクトなんて言うんだよ教えてくれ。
でもここもめちゃくちゃ気持ちいい。「ラッスン」まではエフェクトが効いていて、「ゴーレーライ」で一気に解除されるのも気持ちいい。


~~~以上、気持ちいいところ終わり~~~


以上、僕からの「ラッスンゴレライが良いから聴いてくれ」というメッセージだ。


ところで、CD版無印ラッスンゴレライの一番最初は「8.6秒バズーカです!」「愛してください!」という二人のセリフから始まる。

ここ、普段のネタは「愛してください!」ではなく「お願いします!」だったはずだ。

なぜ、あえてネタを踏襲しない形でCD収録を行ったのだろう。

深読みするなら、本人たちが、CD収録時には人気の翳りを感じていたことの表れなのではないだろうか。

僕たちはこれから消えてしまう。それでも、愛されていたい。人気がなくなった後のよるべは、愛だけだから。
そう、僕たちはネタを見てほしいのではない。愛してほしい。

そんな悲痛な叫びが、はまやねんの「愛してください!」に含まれているのだとしたら、このCD版ラッスンゴレライはより一層味わい深いものになる。

かつて二葉亭四迷は「I LOVE YOU」を「死んでもいいわ」と訳したが、はまやねんの「愛してください」には「死にたくない」というあまりにも切実なメッセージが込められているのかもしれない。

あなたは、この「愛してください」をどう解釈するだろうか。


とにかく皆聴いて欲しい。そして感想を僕のTwitterに送ってくれ。一緒にはまやねんの「愛してください」について話し合おうぜ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?