VTuberになった。かわいさへの憧れが爆発した。優秀なクリエイターの条件を知った。
今年のエイプリルフールは、VTuberになっていた。
性格が悪いフォロワーが多いので、こういうことをやるとすぐに昔のツイートが発掘されてしまう。今回はこれ。
「堀元みえる」にアカウント名を変更した直後にはこのツイートが取り上げられており、めちゃくちゃ笑ってしまった。僕も憶えてないものをよく掘り出してこられるな……。
このツイートは割と本心である。
10年くらい前は「エイプリルフールに全力でふざける企業アカウント」みたいな文化があり、インターネットのユーモアが爆発する日だった気がする。しかし、昨今はもうエイプリルフールに皆飽きており、ウソをつくのはしょうもないオジサンだけになってしまった。
Googleとかコカ・コーラみたいに、おもしろユーモアを爆発させるイケてる人たちはとっくに撤退しているので、SNS上には「転職します!」とか「結婚しました!」とかいう、あまりのつまらなさに逆に感心するレベルのウソが並んでいる。インターネットにおけるエイプリルフールは衰退してしまった文化であり、ラガードたちがさまよう墓場だ。
エイプリルフールに限らず、インターネットにおけるあらゆる行事はすぐに陳腐化する。クリスマス・イブとかもそうだ。2ちゃんねるが全盛の時代には「非モテによるクリスマス・イブ反対運動」が面白かった。「華やかなイルミネーションの前でひたすらキュウリをかじり続ける」みたいなスレッドが無限に並んでおり、「バカだな~ww」と言いながら盛り上がった。
アレはいわばカウンターカルチャーだったのだろう。華やかな現実世界に対して、闇の世界であるインターネットがテロを起こす痛快さがあった。
当然だけれど、インターネットが十分に普及し、誰もが常時使うインフラに変わってしまった今は、その痛快さがない。リアルとネットの壁は崩壊し、人々の意識は変わった。元々は「街を歩く華やかなカップル」の方が目立っていたけれど、昨今はむしろ「SNSでくだを巻く人」の方がずっと目立つ。マイノリティだったはずの「陰キャ」は、今はむしろ主流派に変わった。
その状態で「クリスマス・イブ反対運動」みたいなことをしても、それはもうひたすらにサムい行動なのだ。そのあたりの機運が分からずにやり続けているオジサンもたくさんいるけれど。
ラガードたちの墓場に近づかない
だからこそ、僕はラガードたちの墓場には近づかないようにしている。
現在、エイプリルフールに取るべき行動の正解はたったひとつ。スルーである。ウソをつかないのは当然のこと、他人のウソにも反応しない。いつも通り平常運転するのが正解だ。ラガードに絡んでいると自分もラガードになってしまう。ラガードがインターネットを介して感染することはよく知られている。
そう。エイプリルフールは完全にスルーするべきだし、クリスマス・イブは完全にスルーするか、あるいは素直にイルミネーションを楽しむべきだ。そっちの方がスベってない。多数派になってしまったひねくれ者は、この世で一番サムい。
ハロウィンもそうだ。僕はもう地味ハロウィンに行くよりは、普通にゾンビの格好をして渋谷を歩きたい。多数派になったひねくれ者の宴に近寄りたくない。
……とまあ、そんなことをいつも考えているのだけれど、今年のエイプリルフールは全然スルーできなかった。
今日は、そうなってしまった経緯について語りたい。それから、VTuberをやることで気づいた深層心理とか、優秀なクリエイティブ営業とは何なのかとか、そんな話をしよう。
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有志が勝手に絵を描いていた
ことの発端は、ゆる言語学ラジオのサポーターコミュニティである。
バキバキに本職の人が「堀元さんを幼女化してみました」という文脈で、勝手にキャラクターデザインをし、イラストを投稿していた。
すごい。めちゃくちゃかわいい。そして、かわいいだけでなく、前髪の感じとかちょっと寄せてるし、カラーリングが僕の母校である慶應の旗を元にしている。
「ほえ~~!!プロの仕業だな~」と感心した。
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