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ブランディング、モノづくり、理念経営を両立するスノーピークから学ぶ、ロマン経営

私が最も好きな会社・ブランドの1つ「スノーピーク」。

キャンプ、アウトドア好きというのもあるが、経営スタイルや理念に共感する、地に足ついたやり方が好き、デザインやブランディングが好き。

そんなスノーピークの良さを経営トレース、マーケティングトレースしながら説明します。

スノーピークとは(私がスノーピークを尊敬する理由)

・ハイエンドなキャンプ用品、アウトドア用品のブランド。
・ブルジョアキャンパー御用達ブランド
・アウトドアメーカーと言えばアメリカや北欧のメーカーが多い中、国産メーカーとして他よりも高単価で勝負し、選ばれている
・理念経営の会社
・社長自らキャンプ好き
・本社は新潟県燕三条市。金物、鍛冶の町において、部品作りも地元企業に発注している。
・本社がキャンプ場。お客様に解放し、スノーピークを体験してもらう場所にしている

「人生に野遊びを」理念ドリブンな経営スタイル

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あらゆるものが便利で効率的な時代。
人が自然から遠のき、人間性が失われていると、スノーピークは定義している。

自分自身、家族キャンプへ出かける際には「不便を楽しもう」とうたっている。キャンプへ行くと子供たちは成長し、家族の絆が深まる。キャンプ体験から学ぶことは多く、スノーピークの理念には共感すべき点が多い。

「人生に、野遊びを」
そこに込めるのは、もう一度自然と人間をつなぎ、人と人をつなぐことで人間性の回復を目指すということ。

これはキャンプを愛する人皆が共感する理念なはず。

自らもユーザー。徹底したユーザー視点「スノーピークウェイ」

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スノーピークが凄いのは本社がキャンプ場であること

ユーザーと一緒にキャンプする「スノーピークウェイ」というイベントを定期的にやっており、会社とユーザーお互いが感動できるモノやサービスを提供することを目指している。

今のスノーピークは、アウトドア好きな社員が集まる会社。それもこの「スノーピークウェイ」というユーザーと同じ目線で商品開発するカルチャーが生み出したもの。

投資に対する価値観や姿勢など、モノづくり企業としてまさに見本企業です。

地域を大事にする姿勢。燕三条の職人と二人三脚のモノづくり

スノーピークの本社は、新潟県燕三条市。
金物作りで有名なこの地に根ざし、キャンプ用品の部品なども地元企業に発注しているそうです。

高い技術を持つ燕三条の職人さんと何度もやりとりしながら、ゼロからつくりあげるモノづくりの姿勢。売られているもの一つひとつに、大量生産・大量消費とはまた違うロマンを感じずにいられない。

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自己資本比率が高く、財務体質も強固

ニッチで特定領域にコアファンがいる会社にありがちですが、スノーピークは筋肉質な財務体質。

2019年12月の決算説明資料はこちら
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS03293/1462e6ed/f614/442d/bc93/b67accb2337d/20200217182820846s.pdf

売上高の伸びも順調で、アパレルなどの多角的な展開を進め、ブランディングや研究開発にもしっかり投資していながら自己資本率が高い。もちろん上場企業だから調達しやすい環境にいることもあるが、上場前から健全なB/Sでいたらしい。

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研究開発にも力を入れ、他よりも高い製品価格で勝負をしている。
価格が高いということはそれだけ勇気もいるし、中途半端なモノづくりは許されない。

ハイエンド向けのユーザーに対して商品を作り、熱狂的なファンとロングセラーを生み出すことで、正規価格を通じて売上を伸ばしていくやり方。
日本のモノづくり企業が目指すべきお手本企業といえる。

会社経営において大事なことは、ロマンと経営を両立すること

二宮尊徳曰く「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」とあるが、スノーピークは、ロマンと経営を両立し、デザイン経営を実践する企業。

「収益」と「理念」この二つ両方がバランス良く存在することが継続経営には必要と思われるが、スノーピークの場合はさらに社長も社員も自分が本当に欲しいと思う商品をつくって、市場も一緒につくってきたこと

その市場をつくるという感覚は、スノーピークの「焚火台」にも見られる。

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彼らが提唱したスタイルは
「言葉のいらない時間」

地面むき出しの焚き火が当たり前の時代だったこともあり、販売当初はあまり売れず、ユーザーからの厳しい声も届いたという。
だが、次第にスノーピークの「自然にダメージを与えずに焚き火を楽しむ」という取り組みはユーザーに取り入れ、今ではベテランキャンパーの多くが焚き火台を使っている。

新しいスタイルを提唱して、市場を作る。ロマンと経営を両立するスタイルは、すべてのモノづくり企業がお手本にできるのではないだろうか。

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