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指導者は環境づくりに手を抜いてはいけない!!

 今回は「指導者は環境づくりに手を抜いてはいけない」というテーマでお話させていただきます。
 指導者であるコーチは、選手を育てるときに「上手くなってほしい」という願いを持って指導すると思います。「速いパスを回せるようになってほしい」「守備にアグレッシブになってほしい」「自信を持ってプレーしてほしい」など様々な願いを持って指導をします。
 指導者であるコーチは、理想の選手に育てていくためにトレーニングメニューを考えます。ですが、この時によくエラーが起こります。「教わる側」は矛盾を感じたり、「必要性」を感じないまま奴隷のように動かされている感覚に陥ったりします。この原因のほとんどは、指導者の「環境づくり」が手抜きだからです。

 例えば「声を出せ」という指導をよく聞きます。コーチの考えはこうです。「試合中やトレーニング中に、声を出さない選手がいるから、声を出してほしい」です。サッカーにおいては、声を出してコーチングしたり、コミュニケーションをとったりすることが大切です。これは、間違いありません。ですが、「声を出さないと得点にならない」わけではありません。声を出さなくても、サッカーの試合で勝つことはあります。
 ここで大切なのは、声を出すことの意味を考えることです。声を出すことで勝つ可能性が高くなるのだとすれば、どのような声を出せば勝つ可能性が高くなるのかを考える必要があります。選手に要求するときは、理由を明確にして伝えることが大切なのは言うまでもありません。
 先程の「声を出せ」という話で言うと、理由を明確にすれば「どのような声を出すのか」が決まります。声を出すのは「情報を与えるため」であれば、ボールを持っている選手の選択肢を増やす声を出すべきです。この場合、「命令」や「強制」になる声かけは不必要になります。「ヘイ!」「パス!」「右に出せ!」といった声は、プレーを制限してしまいます。選択肢を増やすための声とは、「相手が来てる」「前を向ける」「右が空いてる」「後ろにフォローがいる」といった情報を与える声かけです。

 ここで、「指導者の環境づくり」のついての話に戻ります。選手たちには「情報を伝える声を出してほしい」と指導者が願っていたとします。この時に、ただ「声を出せ!」という指導は間違っています。選手たちには「声に対する必要感」を感じさせないといけません。そのための「環境づくり」をするのが指導者の仕事です。
 例えば、「広いコート」+「3対3のゲーム」というメニューを考えたとします。ここで声を出してほしいと願って選手に声を要求しても、声は出ないでしょう。「広いコート」+「3対3のゲーム」という環境で、選手たちに声を出す必要感は生まれないことが多いです。広いコートで人数が少なければ、守備側はプレスをかけるのに時間がかかります。こうなると、選手たちは自分で周りを見て、ゆっくり考える時間があります。声による情報が必要なくなります。
 「情報を与える声」を選手たちに出してほしいのであれば、「狭いコート」にすることで守備側のプレスが速くなる状況を作ってしまえばいいのです。自分で周りを見て、余裕を持ってプレーすることが難しい状況を作るのです。自分で状況を確認するのが難しい環境を作れば、自然と声が出ます。「パスがなかなか回らないけれど、どうしてだろう?」と考えれば、選手たちから「相手のプレスが速い」「周りを見る余裕がない」といった問題が出るはずです。指導者であるコーチは、「選手たちに身に着けてほしい能力」が必要になるような環境づくりをしなければなりません。指導者は、環境づくりに手を抜いてはいけないのです。
 今回は「指導者は環境づくりに手を抜いてはいけない」というテーマでお話させていただきました。それでは、またお会いしましょう。さよなら。

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VORAZ FUTBOL CLUB(ボラスフットボールクラブ)は、スペイン産ポゼッションフットボールを体現する、滋賀県大津市のサッカークラブです。現在は、日本サッカー協会にチーム登録し、滋賀県・社会人サッカー連盟に加盟しています。活動の場は、主に日本サッカー協会主催の関西社会人サッカー・滋賀県社会人サッカーリーグ戦です。
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