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日本と海外の考え方の違い

 今回のテーマは「日本と海外の考え方の違い」です。以前、サッカー文化の違いをお話ししましたが、その第二弾だと思ってください。日本と海外、特にサッカー先進国とは多くの違いがあります。その違いを知ることで、今後に活かしていただければ幸いです。
 「サッカー文化の違い」というテーマでお話をした時にもお伝えしていましたが、サッカー先進国と言われる国のサッカーは、本当に激しいです。試合で激しいのはご存知かと思いますが、トレーニングでチームメイトに対してもめちゃくちゃ危険なタックルをかまします。僕がアルゼンチンに行った時、初日にチームメイトがトレーニング中のスライディングで、膝の前十字靭帯を断裂していました。危険なタックルが良いか悪いかで言うと、それは良くないことだと思います。「日本もやりましょう」と言っているわけではありません。ですが、ボールに対する執着心が全然違うのは事実で、この執着心は必要なものです。何があっても負けたくないという気持ちが強いんだと実感しました。日本だと、危険なタックルやスライディングをすると、大きな問題になります。チームメイトに対してやると、チームにいられなくなる可能性もあります。ただ、僕が知っている国は、スペイン、イタリア、アルゼンチン、ペルー、ブラジル、ドイツ、イングランドなど、どこも日本人が思っている以上に激しく、その中でみんながテクニックやスピード、フィジカルを磨いています。こういった国では、むしろタックルを受けると、「何しているんだ」みたいな感じになります。「それぐらい避けられるだろ」「のろま」と言われることもあります。タックルの受け方や、スライディングのかわし方、そして倒れ方など、教えてくれるコーチがいるチームがあります。「危険なプレーに対応ができないと活躍できないよ」といった感じで言われます。日本で倒れ方や、こけ方のことを教えてくれるチームはあまりありません。見たことがありません。日本と海外の考え方の大きな違いだと思います。これが良いとか悪いとかではなく、この環境でトレーニングを続けていると、やはり激しい中でもプレーできるテクニックや、危険なタックルを受けずに逃げられるスピードが発達していきます。小柄なドリブラーでも、長身でフィジカルに優れたディフェンスを相手に、プレーできるテクニックやスピードを持った選手が生まれるのは、そんな環境があるからなのかもしれないなと思っています。
 どこかのタイミングで「手の使い方」についてもお話ししたいと思いますが、僕が言ったアルゼンチンでは「サッカーは手でやるスポーツだ」と言われるくらい、手の使い方が重要とされています。これも、どちらが良くてどちらが悪いというのは一概に言えませんが、日本のジュニア年代だと「手を使う」とすぐにファールをとられてしまいます。アルゼンチンでは、サッカーをやり始めてすぐに、手の使い方を教えてもらいます。これは、アルゼンチンでは、サッカーのカテゴリーにおいて「飛び級」というものがあり、自分よりも大きな選手を相手にプレーしなければならないことがあるからです。危険なタックルを受けないように、手、腕でガードするんですね。これも、僕は必要なテクニックとして日本の子供たちにも教えてあげるべきなんじゃないかと思っています。自分が怪我をしないためにも大切なことです。
 小野伸二選手が、海外に行って怪我をしてしまったのも、危険なタックルを受けてしまったからです。小野伸二選手のような素晴らしいテクニックがあっても、やはり足を狙うタックルを避けるのは、ボールテクニックだけでは不可能に近いです。海外に行って、ドリブラーがなかなか通用しないのは、危険で激しい守備からうまく逃げられないからという意見があるのも事実です。
 今回のお話は「日本と海外の考え方の違い」でした。日本に比べて海外、特にサッカー先進国は、日常的に激しい中でプレーしていて、その環境で成長していく選手たちは強いね、というお話でした。

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