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センターフォワードの役割

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※「いつでも」「どこでも」聞ける『音声配信』を始めました。

ボラスフットボールクラブの情報だけではなく、「サッカーが上手くなりたい人」におすすめの情報を、クラブに所属する海外選手から聞いたことや、スペイン・アルゼンチンでプレーして学んだことを、海外サッカー経験者から直接お届け致します。

音声配信:『VORAZ FUTBOL CLUB』 Anchor/Spotify

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VORAZ FUTBOL CLUB(ボラスフットボールクラブ)は、スペイン産ポゼッションフットボールを体現する、滋賀県大津市のサッカークラブです。現在は、日本サッカー協会にチーム登録し、滋賀県・社会人サッカー連盟に加盟しています。活動の場は、主に日本サッカー協会主催の関西社会人サッカー・滋賀県社会人サッカーリーグ戦です。

ボラスフットボールクラブは、共に戦いたいという情熱をもった選手を募集しています。サッカーが下手でも構いません。謙虚で礼儀正しく、コミュニケーションを積極的に取れる選手を募集しています。チームへの加入を希望される方は、「LaBOLAサイトでのメッセージ」もしくは「Instagram」から参加申請を記入の上、ご連絡ください。

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 今回のテーマは「センターフォワードの役割」です。最近は、4-3-3のフォーメーションを使うチームが多いので、センターフォワードというポジションを任される選手も多いのではないでしょうか。

 センターフォワードの選手の基本的役割は、3つです。「①中央でゴールを決める」「②チャンスを創れる選手に自由を与える」「③相手のディフェンスラインを下げさせる」です。

 「①中央でゴールを決める」は、意外と疎かにしてしまう選手が多いです。近年は、フォワードの役割が多様化しています。「あれも」「これも」と「いいとこ取り」をしてしまう選手が多く、結果的に「中央でゴールを決める」という重要な仕事を疎かにしています。センターフォワードは、最もゴールに近い選手です。ゴール前というのは、密集してしまいます。相手ディフェンスからのプレスやマークも厳しくなります。そこで、多くのセンターフォワードが、「サイドに逃げる」「下がってパスを受ける」という動きをしてしまいがちです。ですが、ゴール前中央にセンターフォワードの選手が1人いるだけで、相手ディフェンスにはかなりのストレスを与えることができるということを忘れてはいけません。センターフォワードの選手は、密集地で相手ディフェンスからのプレスやマークを受けながら、シュートを打つ技術を身に付ける必要があります。サイドでチャンスメイクするトレーニングや、下がってパスを受けるトレーニングをするのであれば、優先的に密集地で相手ディフェンスからのプレスやマークを受けながら、シュートを打つトレーニングをするべきです。

 「②チャンスを創れる選手に自由を与える」とは、簡単に言うと「中盤の選手に前向きでプレーさせる」ということです。センターフォワードが前を向いてチャンスを創るのは、フォーメーション理論で考えると、とても難しいです。自分よりも前には味方選手が誰もいないからです。最もチャンスが創れるのは、中盤中央の選手(攻撃的ミッドフィルダー)です。左右に選手がいて、自分の前にも選手がいる状態が出来上がっているからです。

 とはいえ、中盤の選手は「後ろ向き」でボールを受けることがあります。中盤の選手には、できる限り「前向き」でボールを受けてもらえるように、状況を創りたいところです。ここから考えると、センターフォワードの役割は、「後ろ向きでボールを受けて、前向きの選手にパスをつなぐ」です。センターフォワードが、中央の位置で仕事をし続けることで、相手のセンターバックは中央から自由に動くことができません。持ち場を離れることができない状況になります。そうなると、前向きでボールを受けた中盤の選手は、「自由」になります。相手の11人の中で、最も守備能力が高いセンターバック2人を、センターフォワードの選手が捕まえておけば、チャンスが生まれる可能性はかなり高くなります。

 「③相手のディフェンスラインを下げさせる」という仕事は、とても大切です。相手のディフェンスラインが上がってしまうと、中盤のスペースは無くなります。スペースが無くなると、相手の守備成功率が高くなって、こちらの攻撃成功確率は下がります。センターフォワードは、相手のディフェンスライン上で、常に「駆け引き」を続けなければなりません。「駆け引き」とは、パスを受けることができる立ち位置に立ち続けることです。時には、相手ディフェンスラインの裏側に抜け出す動きをすることで、一気にディフェンスラインを下げる仕事も必要です。

 相手のディフェンスラインが下がれば下がるほど、中盤の選手は自由なスペースを使うことができます。

 ここまでが、「純粋なセンターフォワード」の動きです。


 「純粋なセンターフォワード」以外に、数年前から「ゼロトップ」という戦術で仕事をするセンターフォワードがいます。ゼロトップにおけるセンターフォワードの役割と、純粋なセンターフォワードの役割は全く違います。

 ゼロトップにおけるセンターフォワードとは、簡単に言うと「下がって、ゲームメイクやチャンスメイクに参加するセンターフォワード」のことです。この動きによって、相手のセンターバックはマークすべき選手を見失い、混乱に陥ります。もし、下がっていったセンターフォワードについていくと、ディフェンスラインの中央に膨大なスペースを創ってしまいます。ついていかないと、センターフォワードは自由になります。そして、センターバックの選手がマークする選手を見失い、フィールドのどこかに数的不利の状況をつくられてしまいます。

 ゼロトップの戦術を採用するのであれば、ウイング(サイドの位置にいる選手)が、「高い位置」にいなければいけません。相手ディフェンスラインを下げるためです。ディフェンスラインをさげないまま、ゼロトップを採用してしまうと、相手はディフェンスラインを上げることでセンターフォワードの動きに対応することができます。こうなると、中盤中央のスペースが潰されてしまいます。戦術が機能しなくなるのです。

 センターフォワードには、「①中央でゴールを決める」「②チャンスを創れる選手に自由を与える」「③相手のディフェンスラインを下げさせる」という基本的役割があります。チームの戦術によって多少の変化はありますが、基本を押さえておくことで、結果を出すことにつながります。是非、活用してください。

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