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サンフランシスコでの研究開発活動で得た気づき (2020年10月)

こんにちは。サンフランシスコでの研究開発活動で得た気づきを定期発信しています。未来創造・新顧客価値創造のヒントとなれば幸いです。写真は先週NBAチャンピオンに輝いたLos Angeles Lakersのホーム STAPLES Centerです。

Microsoft Teams for NBA and NFL

先週 USはNBA FinalでLos Angeles Lakersが2019-2020のチャンピオンに輝きました。パンデミックによりシーズン中断後、7/30に再開してからFinalまで会場では無観客でゲームが行われていましたが、観客席にはPowered by Microsoftと掲げられた5メートル越えの大型ディスプレーを配置し、Microsoft Teams togetherモードにより300人以上の観客がライブで応援している演出を実現していました。

歴代プレーヤーやミュージシャンなどの有名人も観客として登場したりとNBAのテクノロジー導入による演出に注目が集まりました。各チームごとにtogetherモードで観戦するための申し込み方法が用意されており、今は先着順で無料だったようですが、次シーズンではチケット代が設定されるかもしれません。

NBAに続いて、NFLもMicrosoft Teamsを採用したようです。Teams togetherモードがしばらく会場へのバーチャル観客導入のデファクトスタンダードになりそうです。

スポーツ観戦はやっぱりライブで見るのが一番盛り上がります。スタジアムやバーなどのライブ観戦会場に足を運べない以上、コンスーマ向けにはこれまで以上にライブ観戦を遠隔で楽しめるソリューションが求められていると言えます。VRでライブ観戦できる日も遠くなく、自宅でライブ観戦できる新しいビジネスモデルも出てくるでしょう。

個人的に、バーで他の人と一緒にライブ観戦するあの楽しさが懐かしいです。自宅であの体験が実現できるならお金を払うと思います。

Touchless Technology at Stadium

一方で、スタジアムは観客導入の再開の目処はまだ立っていませんが、いつでも再開できるようにテクノロジー導入の動きがあります。

SF 49ersは本拠地Levi’s StadiumでNFL会場初のキャッシュレススタジアムとするアナウンスがありました。VISAとのパートナーシップにより、スタジアム内の全ての購買においてタッチレスでカード決済できるキオスクを導入しました。

Amazonもタッチレスの入場管理デバイス Amazon Oneを発表し、スタジアムマーケットに入り込もうとしています。Amazon Oneは元々はAmazon Goを筆頭に小売店向けに開発されていましたが、今ではStadiumなどの入場に利用できるよう、手のひら認証にピボットしました。タッチレスかつプライバシーを配慮して、人が画像を見ただけで個人を特定できない手のひらを採用したとのこと。手のひらというのが新しいですね。ミュージアムなどにも活用できそうです。

これまでのプロダクトやサービスに少しアイデアを加えるだけで、新しい産業のソリューションにもなり得る事例だと思いました。また、人々のスポーツ観戦スタイルは変遷を経ようとしており、新しい技術を試すチャンスでもあります。

Smart Home Gym

USでは自宅が広いこともあり、自宅でのホームフィットネスサービスの需要が急増しています。トレッドミルや大型ディスプレイなどの機材をレンタルできるサブスクリプションのサービスが人気です。キーワードはライブ没入コミュニティです。Indoor CyclingサービスのPelotonは毎日ライブクラスでCyclingクラスを提供しています。Pelotonは昨年IPOし、パンデミック 以降株価が最高値を更新し続けています。

参考↓ ムードごとに用意されたPeloton Studio Cyclingクラスサンプル、必見です。

また仮想空間でのロードバイクサービスを手がけるスタートアップZwiftがSeries Cで$450 million (約470億円)調達しました。1サービスにこの1回の調達額はすごいです。。。

ミラーデバイス型のフィットネスサービスでは、先月にはルルレモンがMIRRORを買収して話題になりました。MIRRORは等身大の鏡型スクリーンデバイスでライブによるフィットネスクラスを提供しています。

MIRRORの競合であるVirtual Gymサービスを手がけるTempoもSeries Bで $60 million (約63億円)調達しました。Tempoはタッチスクリーンと3Dセンサからワークアウト姿勢と動きをリアルタイムで検知してフィードバックを返します。専門トレーナーによるライブクラスも受けられます。類似サービスのTonalも今月$110million(約115億円)調達。Tonalは4月に$45 million (約48億円)調達したばかりでした。

USでこれほど自宅に過ごす時間が増えると、自宅フィットネスのマーケットサイズが膨らむのも必然ですが、USでのニーズは想定以上に感じます。Appleも定額制のFitnessサービスを開始しましたし、Google/FitbitもIndoor戦略に変えてくると予想します。

これまでにもオンラインフィットネスサービスは多数ありオンデマンド・パーソナライゼーションがキーだったように思いますが、今後はライブ没入コミュニティがキーになるように思います。

以上、最近特に気になった動きについて簡単ですがまとめました。またサンフランシスコから気付きを定期的に発信していきます。

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