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最近資金調達したスタートアップ (2020年6月 サンフランシスコ・シリコンバレー)

こんにちは。サンフランシスコベイエリアはShelter-in-place Orderと呼ばれる外出禁止例から100日以上経過し、ビジネスも徐々に条件付きでオープンしていますが、基本は自宅で公私共に過ごす毎日が続いていますし今後もしばらく続くと思います。

この状況下で資金調達に成功したスタートアップはより良い未来を創るヒントが詰まっていると考えていて、どういった事業に投資されるのだろうと注目しています。ここ2-3ヶ月で資金調達したサンフランシスコ・シリコンバレーに拠点を置くスタートアップで個人的に気になったものを紹介します。

Miro

ホワイトボードオンラインコラボレーションツール。
チームでのワークショップ、ブレスト、戦略立などに使える便利な機能が豊富。
4月にSeries Bで$50M (約54億円) 追加調達。

Rasa

オープンソースベースのAIアシスタントSDK。
Tech GiantsのクローズなAIアシスタントと違って常にオープンに進化し続け、またカスタマー毎にカスタマイズしやすいのが特徴。
6月に Series Bで $26M (約28億円)追加調達。

Hopin

バーチャルイベントツール。
チケッティングから複数のセッション同時開催、ネットワーキング機能、
Expoブース機能までワンストップで実現可能。
6月にSeries Aで$40M (約43億円)調達。

Drishti

生産工場のためのビデオ解析技術。エラー検出や稼働率向上、トレーニングに利用されている。
6月に Series Bで $25M (約27億円)追加調達。

BrightInsight

医療IOTデバイス・アプリからのデータを統合してインサイトを抽出できる。
プライバシー保護、医療規制に遵守したSoftware as a Medical Device。
6月にSeries Bで$40M (約43億円) 追加調達。
2018年創業でわずか2年で既に合計$65M (約70億円)調達。

Coalition

様々な業界の顧客・患者データを守るサイバーセキュリティ保険サービス。
昨年度比でカスタマー数が600% upし、今回のSeries Cで90M(約96億円)追加調達で開発チームを2倍にするとのこと。

Notion

ノート、タスク管理、Wiki、データベースを統合した
オールインワンワークスペースツール。
4月に$50M (約54億円)調達。

Craete&Learn

K-12向けのオンラインコンピュータサイエンス教育。
6月に$1.7M (約1.8億円)調達。

Run The World

オンラインライブイベントプラットフォーム。カクテルパーティー、ファイアーサイドチャットなど様々な"plug and play"テンプレートが用意されているのが特徴。
5月にSeries Aで$10.8M (約12億円)調達。

Bevy.com

こちらもオンラインライブイベントプラットフォーム。コミュニティビルディングのためのネットワーキング機能を謳っている。
5月にSeries Aで$15M (約16億円)調達。

Sonder

短期住宅賃貸サービス。Airbnb感覚でアパートやマンションの1室を賃貸できる個人的に使ってみたいサービス。パンデミック で需要が落ちたと見られながらも6月にSeries Eで$170M (約182億円)追加調達で $1.3B (約1390億円)の企業価値で既にユニコーン。

所感

調べているうちにこんなサービスがあるのかーと勉強になったり、新しい未来アイデアが浮かんだりしてワクワクしたりしました。しかし、こちらの資金調達額の規模にはいつも驚かされます。アフターコロナの時代にはこれらの企業がユニコーン企業や大企業になっているかもしれません。特にオンラインライブイベントプラットフォームやオンラインコラボレーションツールはプレーヤーが増えてきてNext Zoomブームになる予感がします。

今回、自分なりに調べて気になるスタートアップをいくつか紹介しましたが、他にも資金調達したSF・シリコンバレーのスタートアップは多くあり、パンデミック 後もSF・シリコンバレーのスタートアップ業界およびプライベートマーケットは衰えていない印象です。USで今や大企業やユニコーンとなった企業は元々は不況時に創業されたものが多いように、今回のような大変化においてもチャンスと捉えられていて攻めの姿勢のスタートアップが増えている印象も感じます。まさに2020年はチャンスの年だと言えます。

一方でWebinerで得た情報によると、アーリーステージのスタートアップにとってはこの状況下での資金調達は難しくなっているとのことです。投資家からすると投資するのは事業にだけではなく結局は人に投資している、つまりそのFounder・CEOやそこで働いている人たちがどのようなパッションを持っていてどのように日々取り組んでいるかを目で見て話して聞いて肌で感じて判断するとのことです。それが今はオンラインだけで判断せざるを得ない状況で、特に新しく投資先との関係を気づくのは難しいのは想像できます。

僕自身こちらのスタートアップ業界で本業として働いているわけではないのですが、大企業内での新規事業開発に携わっているためサンフランシスコベイエリアのスタートアップには常にアンテナを貼っています。大企業としてはビジョンを達成する上で足りていない技術または顧客へのリーチにおいてスタートアップと組むことも有効だと考えています。

需要があるか分かりませんが、自分なりに定期的にチェックしていますので今後も気になったスタートアップを今後も紹介していきたいと思います。


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