農薬、農法なんかどうでもいい

農家の平均年齢は2019年は66歳とおじいちゃん、おばあちゃんが生業とする産業となっている。農業就業人口も5万人程度毎年減少しており、新規就農が増えたところで焼け石に水状態になっている。

66歳がメインの農業を産業と呼べるのだろうか。少なくとも僕は産業とはよべないと思っている。お金儲けをする農家がたくさん増えれば農家に従事する人は増えるわけではない。仕事以外の時間をとれ、人間らしく生活できる環境になければ農業が産業となる日はこない。

AIやロボットが普及して農業従事者が増えなくても対処できるという意見は国やテクノロジー系の方々からちらほらきこえてくるけど、絵に描いた餅、机上の空論だ。テクノロジーだけで解決できると考えるなら、日本中至るところにある中山間地域は経済合理性と効率性の名の下切り捨てられることは火を見るより明らか。「AIとロボットが使えるところ」だけに資源を投入して解決するなら誰でもできる。

誰かが農地を耕し作物を育て草を刈らないといけない。その誰かが圧倒的に足りてない。10年もしないうちに中山間地域の田畑は放棄地だらけになり、草を刈る人がいなくなるから道路も使えなくなり、消滅する自治体は増えていく。誇張ではなく田舎、農業の人口構成をみれば事実だ。

だから、農薬を使う、使わないで対立するのは1ミリも意味はない。外からみればどっちもどっち。よほどオーガニックに意識がある消費者じゃないかぎり関係ない。慣行栽培、有機栽培、自然農、バイオダイナミック農法…そんなのどうでもいい。めんどくさくても助け合わないとやっていけない時代が現実としてある。

現実は厄介だけど、誰もやらないことを「僕たち」はやっているわけだ。先人が残した有形無形の遺産を使わせてもらえば、ものすごく楽しいことができることは多分多くの農家がわかっている。農家だけじゃなく「田舎暮らし」をしている人はわかっている、と思う。


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