見出し画像

希望の国

日本がこのままいけば近い将来(10年もない)今のような生活ができず社会維持ができないことは明白だが政治はなにもしないし僕らもなにもしていない。ただただ、現状を肯定し衰退から目を逸らししている。

若者の多くが安倍政権を支持してきたのは、イメージする社会がないからだ。頼るべき存在がいない、誇るべきものがない、大事にすべき何かがない、何もないから、「安倍すげー」になる。総理大臣の椅子に座るのは「無条件に偉い」からであり批判すべき対象にはならない。

「安倍が辞めたら代わりがいない」と思っているのも同じだ。どういう社会がまともでどういう社会だとおかしいのかという基準が「安倍」になっている。約8年前首相になった安倍、当時6歳の子どもは14歳になり、10歳の子どもは今は18歳、13歳は21歳、15歳は23歳と多感な時代を劣化してきた政治、社会なかで育ってきたことになる。

「嘘をついても権力があれば罪に問われない」「質問には適当におもしろおかしく答えておけばいい」「権力者に忖度すれば無能でもおこぼれをいただける」

僕は安倍政権がやってきたことを上記のように考えているけど、安倍を賛美する若者たちは違うイメージで捉えているだろう。

「権力者は偉い、偉い人は批判の対象にならない」「批判的な質問をする無能な記者が悪い」「権力者は偉いから忖度するのは当然だ」

年齢が下がれば下がるほど経済的に困窮して未来への希望を抱くのが難しくても、現状を批判的にみて「あるべき社会」をイメージするのは不可能だ。革命や暴動がどうしておきないのは疑問に思う声が年配の人たちから上がっているけど、どういう社会が理想なのか何が問題なのかわからないとできない。目の前に崩壊が迫っていても、今が当たり前で普通だからわかりようがない。日本は30年間何も変わっていないから革命なんかおこりようがない。

自分の生まれ育った国が衰退して外部性がなく閉塞感があるのを理解するためには外部に出るしかない。物理的に一人で海外に行くか、他者から謙虚に学ばないとわからない。

★★

ユニクロの柳井氏が日本の現状に強い危機感を持ち、このままだと崩壊するという2019年と最近の記事がある。

「このままだとヤバいぞ」という他の著名人と主張は対して変わりない。違いがあるとすれば、日本トップ、世界でも有数の資産家でありながらも政治に対して痛烈な批判をしていることだ。「立場」を考えたら忖度して黙っていそうだけど、国際的にビジネスをしているから日本でダメになっても問題ないから批判しているのだろう。

柳井氏に対して1ミリたりともシンパシーはないし、極端な緊縮財政、グローバル化すれば何でも解決できるという考えには賛同しないけど、著名人や成功したビジネスマンが主張することには、(ツイッターでお金を配った人の「お金なくてもバンバン使え」とか)変なことでも賛同するのが日本だからうまく利用すればいいと思っている。

柳井氏は71歳だから、「ある意味まともだった社会」をイメージでき、「まともじゃない社会なら変えればいい」ということをごく当たり前に考えることができるから、現状を批判できるのだろう。

年齢による断絶は、伝えるべきことを伝えてこなかったからおこった。現状と安倍政権を無批判に肯定してきた若者たちは被害者であり、彼らに今の社会像とは全く異なるものをイメージしてもらうのは相当難しい。

71歳の柳井氏が訴えたところでイメージできない。同じ71歳の菅が首相になっても無能な前任者をを支えてきたから現況と変わらない。生活レベルでも、若者たちに椅子を譲らない自分の保身しか考えず死んだような目で生きてる大人が増殖したので伝わらない。

自分の経験から言えば、マジョリティの大人は腐っているけど、自分の人生を納得いくまで考え、考えたことを行動して、自分なりの答えを見つけてきた少数の大人は一定数いる。少ないけど絶対にどこかにいる。

腐ったもの、腐った大人、腐った政治・社会を見続ければ自分も腐っていくしかない。そうじゃない人生を構築したいなら、自分のことをしっかり納得いくまで考えに考えて、腐ってないものと他者から謙虚に学ぶことだ。

政治の腐敗、それに伴う社会の劣化、大人たちの劣化はまだまだ続くから落ちるところまで完全に落ちてもらおう。そこからが僕らの出番だ。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?