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OKRは「理念」と「戦略」を結びつけ、「選択と集中」を促す。

この記事は、以下の記事の翻訳となります。

OKRによって、「理念」と「戦略」を結びつけることができる

オールバーズの共同設立者であるジョーイ・ズウィリンガーが、OKRを使用して持続可能性と二酸化炭素排出量を測定することについて語る。

企業の経営基本方針は、組織がすばらしい成果を達成するように駆り立てることも、中身の伴わないものになることもある。

これら二つの結果につながる要素は何なのか?

競合他社が多く非常に競争の激しい靴市場で、サンフランシスコに拠点を置くオールバーズは、どこからともなく誕生したブランドだ。彼らは独自の使命として、地球の持続可能性に寄与し、快適性とデザイン性の両立ができる靴を掲げている。2016年の発売からわずか2年で、オールバーズはスニーカー用のメリノウールやビーチサンダル用のサトウキビなどの天然素材で作られた100万足以上の靴を販売した。これは評価額では10億ドル以上に上る。

多くの組織には、熱意と誠意で満たされた経営基本方針がある。そのような信条に対する非難は、それらがウェブサイトまたは会社のハンドブックなどの机上の文言であり、企業の幹部や一般社員の中で日々の業務と信条が必ずしも結びつくものではない点にある。代わりに、四半期ごとの数値目標達成のために、ビジネス上できうる限りの方法をとっているのだ。

しかしオールバーズでは、共同設立者兼COOのジョーイ・ズウィリンガー氏がインタビューで、「財務的成功のインパクトは直接的に企業理念に波及します。」と述べている。

250人の従業員全員にOKRを設定することで、財政的な成功と企業理念の結びつきを強くすることができたのだ。

「非常に明確な理念を維持することで、戦略を一貫させ、OKRによって理念と戦略を結びつけることができます。」

と彼は話す。

「OKR」を「KIWI」として再定義

実はオールバーズ本社とその小売店では、OKRは別の名称で呼ばれている。他の共同設立者であるCEOのティム・ブラウンの出身地であるニュージーランドの伝統に触発され、同社は「意図を持って改善し続ける」システム(KIWI)を制定した。

「当社ではKIWIと呼びますが、実情はOKRです」とズウィリンガー氏は言う。

OKRのすべての点を少しずつカスタマイズし、当社の人々の脳裏に残りやすいようにしています。こうすることで、導入の際にしっかりと根付くからです。仮に覚えにくいものであったとしたら、それは無意味なものとなるでしょう。」

KIWIのシステムは、単に上位目標を導くだけでなく、行動をより深いレベルまで掘り下げる。例えばオールバーズでは、全事業にてライフサイクルアセスメント(または、ゆりかごからはかばまで、や、LCA)を行い、結果として環境への影響を年に10%削減するという目標がある。

これの導入と浸透は大きな課題である。「これは難しいことで、まだ完璧ではないかもしれません。」と彼は言う。「レベル2まで掘り下げると、L2と我々は呼んでいますが、ここでの目標は、カーボン・ニュートラルに我々を導くための計画を設定することになります。」

「KIWI」を「RIPEN」へと進化

オールバーズが拡大するにつれ、すべての従業員および全プロセスにKIWIを導入するという課題はますます難易度を増した。そこで企業の首脳陣は上位目標を社内のあらゆるレベルにまで浸透させるために、新たに覚えやすい略語を考案し、プロセスを容易にした。

「私たちはその年に会社で行う必要のある最も重要なものを選びました。」

とズウィリンガー氏は説明する。

「それらを5つ以下の目標に絞り込み、”RIPEN”(英語で「成熟」の意)と呼ぶKIWIを更に覚えやすくするための工夫を始めました。キウイフルーツが熟すのと、ゴロをかけています。」

RIPENは、小売(Retail)、国際(International)、製品(Product)、経験(Experience)、および交渉不可(Non-Negotiable)の略である。

これらの各領域には、独自のレベル2目標がある。「首脳陣が各部門と協力し、L2を作成します。L2の目標はL1の主要な結果に100%リンクするように設定します。」

この狙いは一度にすべてを試したり、対応できる以上の事柄に取り組んだりするのではなく、各部門がその年の上位3つの目標と主要な結果に固執することである。すべてを追うために、オールバーズはソフトウェアプラットフォームを使用して、各従業員の目標を四半期ごとに部門のKIWIに結びつけている。

重要な結果が辿れるだけでなく、システムが全体として人々の記憶を助けているかも調べられている。例えば、より幅広い企業理念や戦略的責務にきちんと結びついていることを確認するためには、人々はKIWIとRIPENが指すものを把握するために、すべてを思い出す必要がある。

最後に、呼吸のようにやるべきことのリストである「呼吸リスト(Breathe List)」がある。

KIWIとRIPENによるオールバーズのシステムは、ビジネスを運営し続けるために必要なすべてを網羅しているわけではない。従業員がしなければならないことは、理念に関連する重要な目標の領域外にあることも多い。

「私たちはそれらも確実に捕捉したいのです」とズウィリンガー氏は言う。

「新鮮な空気を吸うようなイメージで、呼吸リストと呼ばれるものを作成しました。」

これらは生き残るために会社がしなければならないことを指す。

1つの例は、主要ベンダーへより良い支払いサービスを提供することである。たとえば買掛金部門の平均未払い日数を20%削減したり、70日から50日にしたりすることが挙げられる。

「KIWIは勝つためにやらなければならないことですが、呼吸リストは何百年も記憶に残る長続きするブランドを作るための掛け金のようなものです。」

最終的には、「選択と集中」が物を言う。

ズウィリンガーは古典的な管理の第一人者Wによる引用を重用している。エドワード・デミングの電話では「プロセスとして何をしているのかを説明できない場合、何をしているのかわかっていないのです。」と説明した。

考え方の基本は、デザイン思考を通して企業文化を構築し、すべてを測定および追跡できるシンプルで記憶に残るプロセスに変えることである。

「非常に成功している企業の共通点を考えると、特に私たちのような段階では非常に集中している傾向があると思います。」とズウィリンガー氏は結論付ける。

「10のことをしている場合、1つのことを上手くやり遂げるよりも全体として悪い結果になります。」

彼は企業の首脳陣として企業理念に沿い、他企業よりも優れた結果を残すために少数の事柄を選択しそこに事業を集中させることを自身の業務だと考えている。

「OKRと私たちが呼ぶKIWIによって、私はちは驚くほどの集中を維持できており、その集中がより高みへと企業が進む糧になっています。それによって顧客への我々の企業としてのメッセージがより明確になっているのです。」

そしてそのメッセージの中心には持続可能性がある。

「だからこそ、私たちにとって非常に重要だったのは、ビジネスが認定B(ベネフィット)法人になることです。 私たちは環境をビジネスの成功における重要なステークホルダーとして扱っています。」

言い換えれば、すべては繋がっているのだ。

内部プロセスはブランドとしての約束に繋がっており、これは消費者の生活と環境への影響に繋がっている。多くの企業が大手を振るっては言い難いことであるが、オールバーズはこれがどのように達成できうるのかを体現している。

(Publisher:Evan Schwarz)

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