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OMG:TEDがOKRを採用したとき

この記事は以下の記事の翻訳となります。

TEDトークを制作し、世界中に発信している非営利団体であるTEDでは、OKRならず、OMG(目標と計測可能な結果:Objective & Measurable Goals)というコンセプトを浸透させ、大きく飛躍しています。

物語を通してビッグアイデアを紹介

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新しい経営理念を導入するときには時に、受け入れる組織側で、あなたを別の惑星から来た人のように扱うかもしれません。それはその会社が使命について強い意識を持っている場合に特に顕著です。

これはローズ・クオが直面した課題でした。そのため、惑星間の旅行者を取り扱う古典的な物語の『星の王子様』を引用することで、TEDにOKRを紹介しました。TEDは、非営利団体として有名なTEDトークを制作し、世界に変革を起こすようなアイデアを発信することをミッションに掲げています。

クオは、複数の起業家たちを共通の目標に向かわせる手法として、スタートアップの世界でのOKR活用について学びました。2016年にプロジェクトマネージャーとしてTEDに参加し、技術チームの不可欠な人材となった後、彼女は組織が急速に成長しているが、会社全体の目標を設定または実行するための共通プロセスがないことに気付きました。

「TEDは7つのタイムゾーンに分散する250人を擁する組織に成長しました」とクオは言います。 ジョン・ドーアからOKRについて最初に聞いたTEDster長のクリス・アンダーソンは、クオが「共同のマイルストーンを作成するための基盤を構築する」ための権限を与えました。

OKRは企業のためのものだと認識されており、したがってTEDの自由な考え方に適合しない可能性があるため、当面の課題の1つは「用語を受け入れやすいものにする方法」でした。「私たちはそれをTEDに適応させる必要がありました」とクオは言います。クリス・アンダーソンは、OMG(目標と計測可能な結果:Objectives and Measurable Goals)を提案しました。これは、より大胆かつ楽しいものとして受け入れられました。クオはOMGのフォーマットを次のように定義しました。「{目標を設定}し、それを{測定可能な目標を設定}することで効果測定します。」

それでも、クオはコンセプトを覚えやすくし、組織全体に定着させる強力な方法を必要としていました。

星の王子さまを持ち込む

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彼女は、星の王子さまを引用することで、全体への導入教育を設けることを思いつきました。1943年に出版されたフランスの小説は300の言語と地域語で出版されており、史上最も翻訳された非宗教的な本となっています。寓話的な物語は、とある惑星出身の若い王子が、大人の行動についての洞察を求めて宇宙を旅する中で、好奇心の強い子供の視点からそれを記しているものです。

2018年12月の演説で、クオはプレゼンテーションを開始し、小さな王子が故郷の惑星から空の星を眺めている象徴的な場面を引用しました。これは彼女が探求心や好奇心いった感覚が最も喚起される場面だと感じたもので、この探求心や好奇心の喚起はTEDが中核的な価値に据えるものです。

クオは、王子が自分の「共通言語の夢」を共有していることをどのように感じたかを聴衆に語りました。これは、彼女がお気に入りとしている詩集のタイトルでもあります。その夢を実現するために、彼女は星の王子さまの語り手が、帽子の形をしたボアのくびれに飲み込まれた象の絵を見せて、人々の反応をテストすることについても語りました。

大人は帽子を見る傾向がありますが、子供は動物見るというもので、ここが隠された魔法だと言えます。小さな王子は象以外にヘビも絵の中に見つけ、語り手を感銘させます。

クオは、OMG手法が単なる経営コンサルティングツールではなく、子供のように世界を捉える視点を維持するのに役立ち、目標を人々に与えられる方法であるという点を強調するために、星の王子様から画像やストーリーの一部を引用し続けました。

彼女によると、OMGの背後にある考え方は、指標を設定し、それらを順守することではありませんでした。OKRの創始者として、アンディ・グローブには経験則がありました。少なくとも30%の目標が達成できた場合には、それは成功だというものです。目標が大胆である限り、目標を達成できなくても構いません。

「それは数字を上げることではなく、大きな夢を見ることだ」

と彼女は言います。

ほぼ1年後の2019年10月、OMGが組織全体で実践された後、クオは全社的な「親愛なるTED」の手紙を書くことに触発されました。その中でクオは、インパクトを測定するための最良の方法についての話し合いに参加してくれたすべての人に感謝しました。そして再び、彼女は『星の王子様』の探求心や好奇心に触れました。

「現在の社会では、水を加えるだけですぐに結果が得られるような状況に慣れてしまっています。しかし、ここTEDでは、長い期間をかけてでも得られるものがあると思っています。じっくりと調理されなければ出せないうま味です。私たちは広大な宇宙のために、星を見上げながら船の舵取りを続けていく発見のためにここにいます。」

と、クオは記しました。

世界を変えるだけでなく、保全する

OMGは、クオでさえ想像していなかった大きな影響を生み出すのに役立つ可能性もあります。

クリス・アンダーソンは、大胆な目標を真剣に設定するという考えを取り入れただけでなく、OMGを使用して「TEDの次のバージョン」の作成を支援しました。 2006年にTEDトークスが素早く広まるようになり、寄せられる批判に、TEDは何百万人もの人々を奮い立たせる素晴らしい方法であるが、アイデアを行動に移すことに関しては不十分であるというものがありました。

OMGをツールとして使用して、TEDコミュニティは、気候危機が最も緊急に取り組むべき課題だとの合意に至りました。組織としてのTEDのトップレベルの目標は、55ギガトンの年間グローバル二酸化炭素排出量をネットゼロに下げるために、気候ソリューションの特定と測定の支援に全面的に取り組むこととなりました。

12月4日、クリス・アンダーソンはニューヨークでメディアイベントを開催し、カウントダウンという新しいパートナーシップを発表しました。2015年のパリ気候協定の採択中に国連気候変動枠組条約を主導したクリスティアナ・フィゲレスと並んで、アルゴア前副大統領がライブストリーミングで、ジミー・キンメルがビデオで参加する中で、アンダーソンは提案の募集を呼びかけました。

「地球は私たちを必要としている」とアンダーソンは言いました。「誰でも、どこでもアイデアを提案できます。 YouTubeや他のチャンネルは、あなたの言葉を広める手助けとなります。イニシアチブをサポートする企業、政策立案者、有名人の助けを借りて、最高の提案を実行することができるでしょう。」

最も強力なソリューションは、2020年10月にノルウェーで開催される専門会議で発表されます。これは米国大統領選挙のわずか1か月前です。「カウントダウンは専門家と科学者の委員会と協力して提案を審査し、最も強力なものがTEDトークになります。講演はノルウェーのサミットで、これらのアイデアを行動に移すことができる厳選された聴衆の前で撮影されます。」

つまり、TEDを変革する方法として始まったものが、実際に地球を救う努力につながって

いるのです。星の王子も、この動きを誇りに思うことでしょう。「この物語は人々を刺激し、OMGがTEDに大変適していると感じられるようにする方法でした」とクオは言います。「物語はそのように、とても強力な訴求力を持つことができるのです。」

(Publisher: Evan Schwartz)
(翻訳者:石川佳那)

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