優秀な管理職に必要な5つの資質

2022年12月27日 09:30

管理職であれば、チームをサポートし、成功に導くためにできることは何でもしたいと思うものでしょう。
そのためには、部下を効果的にリードし、彼らの最高のパフォーマンスを引き出すために必要なスキル、資質、特性を身につけることが必要です。

しかし、人を管理することは簡単ではありませんし、「管理職」という肩書きを与えられたからといって、それが直感的にできるとも限りません。
チームから最高のパフォーマンスを引き出す優秀な管理職になるには、意識、努力、知識、そしてコミットメントが必要です。
そして、こうしたスキルや資質がなければ、部下や職場に支障をきたす可能性があります。

例えば、ある管理職がチームメンバーを効果的に管理し、サポートする努力をしなかったとしましょう。
これはチームメンバーに対して「自分も努力する必要はない」というメッセージとなり、その結果、生産性やエンゲージメント、全体的な効率性が損なわれる可能性があります。
また、部下が管理職は自分たちの成長と成功に尽力していないと感じてしまうと、仕事、チーム、組織へのコミットメントが低下し、会社を辞める可能性も高くなります。

このように、優秀な管理職であることが重要であることは明らかです。
しかし、具体的にどのような人が優秀な管理職なのでしょうか。
成功する管理職にはどのような資質があるのでしょうか。
そして、どうすればそのような資質を身につけ、チームのメンバーにとって最も効果的な管理職になれるのでしょうか。

この記事では、優秀な管理職に不可欠な資質と、その資質を高めて最も効果的な上司になるための方法をご紹介します。

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優秀な管理職に必要な5つの資質

資質①｜優秀な管理職はコミュニケーションの取り方を知っている

優秀な管理職であるためには、チームと効果的にコミュニケーションをとることが大切です。
特に、チームから何を期待されているか、彼らが自分の仕事から何を期待できるかに関わることが重要です。

管理職は、チームに何をしてほしいのか、どうすればいいのかを明確に説明することが仕事です。

例えば、新製品の発売を監督している場合、優秀な上司としては、各チームメンバーが発売に関する責任を持ち、いつ、どのようにタスクを完了する必要があるか（関連する締め切り、仕事の提出方法、問題や質問がある場合の対処方法など）を説明することが必要です。

しかし、何を伝えるかは、方程式の一部に過ぎません。
同じように重要なのは、どのようにコミュニケーションをとるかです。
優秀な管理職は、チームメンバーを見下すような言い方をせず、敬意をもってコミュニケーションをとります。
つまり、怒鳴ったり、過度に厳しくしたり、説明を省いたりしないように心がけているのです。

ここでは、チームとのコミュニケーションを改善し、その過程で管理職としてのマネジメントスキルを向上させるためのヒントをいくつか紹介します。

・伝える前に何を伝えようとしているのかを理解する
自分が何を言おうとしているのかはっきりとわかっていなければ、部下もそれを明確に理解することはできないでしょう。
従業員とコミュニケーションをとる前に（たとえば、電子メールを送る、新しいプロジェクトの概要を説明するなど）、何を伝えたいのか、どのように伝えたいのか、そして共有する情報に対してチームに何を求めているのかを明確にしておきましょう。

・フィードバックを求める
次に、自分は言いたいことがはっきりと理解していても、部下に明確に伝わっているでしょうか？自分のコミュニケーションがどの程度明確であるか、また、もっと明確に伝える方法はないか（たとえば、長いメールをわかりやすく箇条書きにまとめるなど）、チームメンバーにフィードバックを求めてください。

・怒っている時のコミュニケーションは避ける
人は怒っているとき、思いがけない言動をしがちです。
たとえ普段はチームとのコミュニケーションが上手くいっているとしても、会話ややりとりが熱を帯びると、そうしたコミュニケーションスキルは簡単に失われてしまいます。
イライラしたり怒りを誘うような状況に直面した場合は、冷静になるまで待って、チームと話し合うようにしましょう。

資質②｜優秀なマネジャーは聴き方を知っている

チームとどのようにコミュニケーションをとるかは、優れた上司であるための重要な要素です。
しかしチームの話をどう聞くかは、それと同じくらい重要です。

優秀な管理職は、チームメンバーの声に耳を傾けることの重要性を知っています。
つまり、チームや個々のメンバーが、何がうまくいっていて、何がうまくいっていないのか、管理職としてどうすればよりよい職場環境をつくることができるのか、自由に発言できるようなフィードバックしやすい環境をつくるということです。

部下の声にもっと耳を傾けるために、次のような方法があげられます。
・四半期ごとにチームミーティングを開き、次の四半期に何を改善できるかについて部下に議論させる
・定期的に個別面談を行い、部下が自分の役割についてどう感じているかを確認する
・匿名のアンケートを行い、ワークフローや組織の職場環境などの改善方法についてチームからフィードバックや提案を受ける

チームから得たフィードバックを常に実行できるわけではありません。
しかし、たとえ彼らが要求するすべての変更を行うことができなくても、フィードバックを求め、時間をかけて部下の話に耳を傾けるだけで、優れた上司になることができるのです。

ここでは、リスニングスキルを向上させるためのヒントをいくつかご紹介します。

・練習をする
聞くことが苦手な人は、練習が必要です。
仕事でもプライベートでも、リスニングスキルを磨く機会を探し、可能な限りその機会を利用しましょう。
例えば、ブレーンストーミングのミーティングを傍聴できないかチームに尋ねたり、パートナーが最近直面した問題とその解決策について教えてもらったりすることができます。

・積極的に耳を傾ける
チームの話に耳を傾けることは大切ですが、部下が話をちゃんと聞いてもらったと実感することも重要です。
部下が話し終えたら、自分の言葉でその言葉を返してあげましょう。
まず、「つまり、あなたの言っていることは... 」と言ってください。
こうすることで、従業員は上司が自分の話を聞き、メッセージを受け取ったことを確認できます。
また、誤解や混乱を解消し、正しい情報を持って帰ってもらう機会にもなります。

資質③｜優秀な管理職は自信を持って指導する

管理職であれば、自分が何者であるか、自分のスキルや専門知識、そしてチームを効果的にリードする能力に自信を持ちたいものです。

リーダーに自信は不可欠です。
自分が何者で、何を目指しているのかを知ることは、従業員に信頼される強力で有能なリーダーシップの基礎となるのです。

自信は、さまざまな形で効果的なマネジメントに関与しています。
自信をもってチームを率いることで、「意思決定に一貫性を持たせることができます。
そして、チームが上司の決断を信頼し、その決断が一貫しているとわかれば、チーム全体が前向きで最高の仕事ができるようになるのです。

また、リーダーとして身につけた自信は、波及効果として、従業員にさらなる自信を抱かせることができます。
部下はリーダーがしっかりしていることを知れば、自分のコンフォートゾーンを押し広げ、自らも自信をつけることができるのです。

自信を持つことは、有能なリーダーであることの一部です。
しかし、自信は時間をかけて築かれるものであり、今日自信がなくても、より良いリーダーになるために必要な自信を築けないということではありません。
自分のマネジメント能力にもっと自信をつけたいのであれば、以下のような方法が挙げられます。

・自分の得意なことについてフィードバックをもらう
自分が管理職として優れている点を知ることは、自信をつけるのに役立ちます。
しかし、そうしたことが自分ではわからない場合は、外部から洞察を得ることが必要です。
メンターや同僚、従業員から、管理職として優れている点についてフィードバックをもらいましょう。
自分の良いところを聞くことで自信がつき、より優れたリーダーになるためのステップアップにつながります。

・マネジメントスキルを向上させるために努力する
自信と能力は密接に関係しています。自分が仕事をするのに十分な能力を備えていると感じれば、自信を持って仕事をすることができます。
管理職としての自信を高めたいのであれば、マネジメントの本を読んだり、リーダーシップのワークショップに参加するなどして、マネジメントスキルの向上に時間を割きましょう。

・自信を持てるようなことに時間を使ってください
自分が最も自信を持てるのはどこですか？
バスケットボールのコートの上ですか？
友人と一緒にいるときですか？走っているときですか？
どんなことでもいいので、それをする時間を増やしましょう。
プライベートで自信を持てるようなことをすれば、人生の他の分野でも自信を持てるようになります。そして管理職としての自信も持てるようになるのです。

資質④｜優秀な管理職はチームのことを考えて面倒を見る

これまであげてきた優秀な管理職の資質は、努力次第で身に付けることができます。
コミュニケーション能力に長け、聞き上手で、そして指導者としての自信もあったとしましょう。
しかし、チームを大切にしなければ、こうした資質は意味をなしません。

チームが最も貴重な資源であることを認識し、そのように扱うことが、効果的なマネジメントに必要なのです。
人財の重要性を認識し尊重することができれば、有能な従業員を生み出すことができます。

チームを思いやることは、優秀な管理職であるための重要な要素です。
一方で、自分が気にかけていることをチームに示すことも同様に重要です。
それは、できる限りの方法でチームの面倒を見ることを意味します。

より良い上司になりたければ、チームのことを気にかけ、彼らが大切にされていると感じられるようにする必要があります。
部下への配慮を示すには、次のような方法があります。

・部下のことを知るために時間を使う
その人のことをよく知らないのに、気にかけるのは難しいものです。
ですから、部下がどんな人なのか、何に情熱を注いでいるのか、どんなふうに働くのが好きなのか、どんなキャリアを積みたいのかなど、メンバーのことを知るために時間を費やすことが必要です。
チームメンバーのことをよく知れば知るほど、彼らのことが気になり、必要なときには積極的に応援したくなるはずです。

・部下の功績を認める
人は自分の仕事を認められたいと思うものです。
だから、気にかけていることを示したいのなら、部下の功績を認めてあげましょう。
よくやったメンバーを、個人的にも公の場でも褒めましょう。
チームが一生懸命働いてくれていることに定期的に感謝しましょう。
メンバーの成功を祝いましょう。
上司としての仕事は、従業員が認められ、感謝されていると感じるようにすることです。
それは、従業員が上司やチーム、そして組織全体のためにしてくれていることを認めることから始まるのです。

・部下がふさわしい評価を受けていることを確認する
部下の努力と貢献を認めることは重要ですが、その上で、より高いレベルの評価（例えば、昇進や昇給など）を受けるにふさわしいかどうかを確認する必要があります。
部下が昇給や昇進に値すると思うのであれば、組織のリーダーに陳情したり、人事部と調整するなどして、何としてでもそれを実現させましょう。

資質⑤｜優秀な管理職は本物である

優秀な管理職の資質を理解することは必要です。
しかし、効果的なマネジメントを行うための画一的なアプローチはありません。
部下にとって最高の上司になりたいのであれば、自分なりのやり方でリードする必要があります。
言い換えれば、優秀な管理職になりたければ、本物になることです。

仕事において本物であれば、人々はその人の本当の姿を見ることができます。
その人の個性やマネジメントスタイルを誰もが好きになる保証はありません。
しかし本物であることで、その人自身やその人がもたらすものを尊重してくれる部下が集まりやすくなり、より効果的で団結力のあるチームを作ることができるのです。

例えば、もともと内向的な性格の上司がいたとします。
もし、その上司が無理に外向的な人間であるかのように見せようとすると、チームはやり方が強引で不誠実だと感じ、動機を疑ったり、一緒に働くことをためらったりするかもしれません。
逆に、内向的な性格をリーダーシップのスタイルに組み込めば（たとえば、チーム全体の会議よりも、部下一人ひとりとの個人的対話を優先する）、部下はその上司を尊敬するでしょう。
それだけでなく、そうしたマネジメントスタイルのもとで活躍できるタイプの部下を引き寄せることもできます。

本物であることは、より真のつながりを築き、より強いチームを作り、その過程でより優秀な管理職となることにつながります。
チームを管理する際に、最も本物の自分でありたいと思うなら、以下のようなことができます。

・自分が何者であるかをチームに示す
本物であることは、本当の自分であることを意味します。
ですから、本物の管理職になりたいのであれば、本当の自分をチームに見せる必要があります。
部下とのやり取りの中で、自分の個性を発揮するようにしましょう。
ユーモアが好きなら、（仕事にふさわしい！）ジョークをいくつか言うようにしましょう。
あるいは本が好きなら、お気に入りの本を紹介すればいいのです。
自分の個性や興味、そして自分にとって大切なものをチームと共有することで、チームも本物になれるはずです。

・ミスをしたときはオープンに
本物であることは、オープンで正直であることでもあります。
管理職として、オープンで正直であることが最も大切なのは、自分がミスをしたときです。
もし失敗しても、それを隠そうとしないでください。
その代わり、自分のミスを認めてチームと話し合い、今後どのように改善していくかを伝えましょう。
このような正直さと誠実さが信頼を生み、その信頼がチームをより効果的にするのです。

まとめ

優秀な管理職であるためには、コミュニケーション能力を高め、聞き上手になり、部下を支持するなど、チームを率いるために必要な特性や資質を身につけることが重要です。

より優れた上司になるためには、どのような資質を身につける必要があるのか、また、どのようにその資質を身につければよいのかがわかれば、最高の管理職になるために必要なすべてを手に入れたことになります。
そして、その過程で効果的かつ成功するチームを作り、管理し、成長させていく立場に身を置くことができるのです。