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エンゲージメント向上のために「エンプロイー・エクスペリエンス」に着目しなければならない理由。

※このコンテンツは、ハイマネージャー株式会社株式会社BtoAの共同制作となります。

「エンゲージメント」という概念が注目されるようになった背景

 1990年代~2000年代のアメリカでは、ドットコムバブル、それに続く不動産バブルの中で人材獲得競争(War for Talent)が激化していきます。それに伴い人事の役割も大きく変化しました。

 人事管理だけではなく、優秀な人を採用し優秀な人に離職されないようにモチベートしていくことが、人事の役割になりました。つまり、企業は人材を選ぶ側でありながらも「人材から選ばれる側」という側面が強くなっていったのです。

 この流れは2000年代後半以降のクラウドの時代において、そしてモバイルの時代においてさらに強化されます。簡単に使えるモバイル、常につながるクラウドシステムの登場は、パルスサーベイという簡易的かつ高頻度な調査手法を生みました。

 このように、War for Talentの中で企業が「選ばれる側」となったことで、社員を自社に惹きつけられているかどうかを測るものさしとして「エンゲージメント」という概念が取り入れられました。また同時に、クラウドやモバイルというテクノロジーの進化が、概念としての「エンゲージメント」の浸透を加速させ、「Engagement is King」とまで言われるようになったのです。

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エンゲージメント向上を目指してもうまくいかない理由

 しかし「エンゲージメント」という概念が広がるにつれて、誤解が生じるようになります。

 エンゲージメントには、正解となる絶対的な指標がありません。ネットプロモーションスコアをエンゲージメントを測る指標として利用する企業(もしくはサービス)もあれば、パルスサーベイで特定の項目の満足度を総合してエンゲージメントを測る企業(もしくはサービス)もあれば、独自に「エンゲージメントスコア」など、指標を定義してる企業(もしくはサービス)もあります。

 ここでの問題は、どんなサーベイツールを選択するにしても、サーベイの実施だけではエンゲージメントは改善しないということです。定点観測するために定義した指標のスコアしか把握できません。指標を測るだけのツールであるサーベイシステムの選定に無駄なリソースをかけ過ぎてしまっていて、大切な改善のアクションまで回っていないケースが多く見受けられます。

 また残念なことに、エンゲージメントスコアを他社と比較しても、あまり意味がありません。エンゲージメントに不安を覚えている企業がお金を払ってサービスを利用するので、サービス上ではじき出される偏差値は参考程度にしかなりません。エンゲージメントに不安を覚える企業の利用が進めば進むほど、またエンゲージメントの高い企業がサービスから離れれば離れるほど、もしくは、景気後退から大きなダメージを受けた他業界の企業がボーナスカット、昇給昇進の見直しを行えば、自社の魅力が変わらない(改善できていない)状態であったとしても、相対的にみた偏差値は上昇してしまいます。つまり偏差値に振り回されることなく、自社のスコアを定点観測し続け、一つ一つ改善を重ねることに意味があるのです。

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エンゲージメントを高めるプロセス

 さて、エンゲージメント向上を目指すためには、次のプロセスを積み重ねていく必要があります。

①適切なサーベイシステムの導入
②安定的な運用
③改善施策の選定と施策の実行
④適切な定点観測

その後、③と④の繰り返しと、定期的な活動を続けていかなければなりません。

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 しかし、サーベイの実施(①②)と、改善施策の選定(③)と実行の間には大きな壁があります。この壁を超えた企業しか、エンゲージメントを改善させることはできません。

エンプロイーエクスペリエンスとは何か

 では、エンゲージメントをどのように改善すれば良いのか?

 この問いに対する答えが「エンプロイーエクスペリエンス(=EX)」なのです。結局のところ、人事担当者として着手できるのは、人事と社員のタッチポイントごとの人事オペレーションフローの改善と、社員の働く環境の改善です。つまり、エンプロイー・ジャーニー・マップに人事と社員のタッチポイントを可視化し、各タッチポイントでの体験を高めていくことが、エンゲージメント改善の唯一絶対の回答なのです。

 入社する前と後で「働き方」に対してギャップを感じる社員が多ければ、採用面接時の会社説明の方法を変えてみる。上司と人間関係が良くない社員が多ければ、配属先決定の方法を変える、マネジメント研修を実施する。転勤後の書類申請フローのやり方が分からない社員が多ければ、chatbotで気軽にいつでも質問できるようにするなど、従業員が体験する特定場面での満足度を高め続ける必要があるのです。

エンゲージメントとEXの違い

 従業員が会社に対してどう思っているか、しっかり「エンゲージ」しているかは、採用 面接のタイミングから会社と接してきた体験の中での、その時のひとつひとつの感情の積み重ねの結果です。だからこそエンゲージメントを高めるためには、一つ一つの体験の満足度を高め続ける必要があります。

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 エンゲージメントサーベイなどを用いて、良い感情を持っていない領域を特定し、その領域に関連する体験をエンプロイー・ジャーニー・マップの中から特定し、改善施策を策定していくことが、エンゲージメント向上の定石といえるのではないでしょうか?

まとめ:最も大切なことは思考停止に陥らないこと

 エンゲージメントいう言葉が独り歩きしていますが、エンゲージメントも「売り上げ」や「生産性」と同じ、一つの指標でしかありません。エンゲージメントを高めた結果、新陳代謝がおこらず生産性が下がり経営を圧迫するというシナリオもあり得ます。

 本当にエンゲージメントが大切なのか、誰のエンゲージメントが大切なのかを見極めることが、最初にすべきことです。

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