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「会いたい」とこれっぽっちも思えなかった友達と再会して「楽しい」と自然に思えたことが嬉しくて、嬉しくて。

「けんごさん、今度一緒にオムライス食べに行きませんか!?」

2週間前に突然届いたLINEは、8年前に一緒にオムライス専門店でバイトをしていた男の子からだった。
当時僕は26歳のフリーター、彼は大学4年生。
それ以来8年ぶりの連絡だった。

一緒に働いてたときは仲良くしてたけど、僕が辞めてからは連絡を取ることもなくて、それなのに何故か僕を慕ってくれてものすごく会いたがってくれていた。
でも僕からしたら僕なんかに会いたがる気持ちが全然理解できなかったし、彼に会いたい気持ちは少しも湧かなくて正直困った。

「別に俺は会いたいと思わないからやめとく」
そんなふうに言う気にはさすがにならないし、断る理由も見つからなかったから会うことにした。
僕に対して「会いたい」と言ってくれる数少ない存在を大切にしたいとも思ったから。


昨日。8年ぶりに再会した。
彼も30歳になっていて大人になったなぁって感じたけど、屈託のない笑顔が心の固さをほどいてくれた気がする。

なんだか他の人と違って気張らずに、すごく自然体でいられて、居心地も良かった。
ボケたりツッコんだりするその感じもちょうどよくて、楽しかった。

お店でオムライスを食べた後、
(このまま帰るのはなんかもったいないかな)
(今日はもう少し一緒に過ごしても楽しめるかもしれないな)
そんなふうに思って、柄にもなくカラオケに行くことを提案した。
カラオケに誰かと行くのもそうだけど、自分から誘うなんていったい何年ぶりだったろう。

久しぶりのカラオケも楽しかった。
かっこつけたり気を使いすぎることもなく過ごせた。
彼の歌うスピッツは聴き心地が良かったし、僕が歌ったラップの曲を褒めてくれたりして、そんなやりとりが嬉しかった。

久しぶりに遊んで頭は少し疲れたけど、こんなふうに友達と遊べるときが来るなんてこの数ヶ月思えなかったから、楽しく過ごせた自分が本当に嬉しかった。
そして僕と一緒にいて楽しそうな彼を見て、「また遊びましょうね!」と言ってくれる彼を見て、もっと嬉しくなった。


「楽しい」という感覚が本当にわからなくなっていて人生に絶望しかけてたから、今回思い切って彼に会うことにして本当に良かったと思う。
(会って何話すんだろう)とか(劣等感感じさせられたらいやだな)とかいろいろ考えてたけど、会ってみたらそんなこと悩むことなく自然体で過ごせた。

こういう感覚、こういう瞬間、こういう関係、こういう存在を大切にしたい。

僕が心を閉じない限り、きっとまた人と繋がることはできる。
そんなふうに思わせてくれた。

たまーにしか会わないとしても、自分のすべてを話さなくても、年齢が離れてても、友達は友達。
「友達いない」なんて、もう言わなくていいんじゃないかな。

僕が僕でいい理由をくれて、ありがとう。

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