本会議 一般質問 議事録抜粋(2023年12月7日)

2023年12月7日本会議にて一般質問をおこないました。
議事録の抜粋(一部要約)を掲載します。


1.グローバル貢献都市としての人材育成・子育て環境整備について

(吉田)
人口減少社会において、神戸で子どもを産み、育て、住み続けてもらうためには、魅力ある子育て、教育環境が重要であります。本市の特徴の1つは、1868年に開校してから積み上げられた歴史によって形作られた国際性、多様性であり、次期総合基本計画策定プロジェクトのアンケートでも、それらは高いポイントを得ています。このような特徴がある本市だからこそ、就学前、義務教育、高校、大学とあらゆるタイミングで英語に触れられる機会をより充実させることで、神戸で育った子どもは英語がしゃべれるようになる。グローバルに貢献できる人材になるということを、本市の新たな都市ブランドとしてはどうかと考えます。
久元市長は、神戸市教育大綱で、神戸の子どもたちは、神戸の教育を受けて成長していく中で生きる力を身につけ、将来への夢を育んでほしい、こう述べられていますが、次期総合基本計画の策定では、教育やまちづくりなどの各分野で神戸ならではのグローバルな人材育成の視点を盛り込み、全庁挙げてあらゆる分野で施策展開を図ってはどうかと考えますが、市長の御見解をお伺いいたします。

(久元市長)
最初にグローバル貢献都市としての人材育成です。神戸空港の国際化を見据え、新たな姿での国際都市を目指す神戸市として、グローバル社会で通用できる人材を育成していくということは大変重要な視点です。そして、その内容として、国際標準言語とされる英語の習得ということは、これは学校教育の場だけではなくて、より広い見地から、あるいはより広い方々の参画を得て進めていく必要があると考えております。
これまでの取り組みですが、教育委員会では、小学校の全ての外国語授業をALT(外国語指導助手)と共同実施をする、中学生とALTが少人数で会話することでコミュニケーション力の向上を図る活動を行う、あるいは大勢のALTに向けた自分たちの考えの英語プレゼンテーション大会など、実践的なコミュニケーション能力の育成に取り組んでいる、この取り組みは全国的に見ても進んでいるほうではないかというふうに思います。
市長部局でも幼児も対象に、市内インターナショナルスクールと連携した英語の絵本の読み聞かせや、市立高校生などを対象にスタンフォード大学と提携した全編英語のオンライン教育プログラム、Stanford e-Kobe Programを実施するという取り組みを行っております。
神戸市外国語大学におきましては、神戸グローバル教育センターを設置いたしまして、模擬国連世界大会への学生派遣なども行っております。
ただ、これらの取り組みは、特に市長部局の中の取り組みが個別の施策の実施にとどまっておりまして、基本的な考え方や目指すべき方向性ということ、さらには幅広い施策展開という見地からはまだまだ十分ではないのではないかというふうに思います。
海と山が育むグローバル貢献年を目指す本市として、現在、次期総合基本計画の策定を行っているところでありますが、庁内外から幅広い意見をいただきながら、今、吉田議員から御指摘いただきましたような視点を十分に踏まえたこの計画内容を行っていきたいというふうに思います。
その際、やはり産学官の連携も大変重要です。若い経営者が、あるいは企業の従業員の方々が、今回新たに設置をしたマイクロソフトのAI拠点などを気軽に利用することができるような、これは英語力も必要となってきますので、そういうような能力を幅広く習得することができるようにするというような視点も踏まえながら取り組んでいきたいと存じます。

(吉田)
私も同じようにいろいろなことを局としてされてはいるものの、それぞれが単発といったら言い方は失礼かもしれませんけど、1つずつやっているし、その対象となる子どもたちも7万人いる子どものうちの何人かしか対象になってない、1%や2%とかになってしまっていると思っています。
ただ、何もやらないよりは確実に前に進んでいくと思いますし、先ほどのマイクロソフトのAIの話もありましたけど、やはり一定英語の力というのは、幾らアプリとかICTの利便性が向上したからといっても必要であると私は考えています。
海外の視察に行かせていただいても、最初の挨拶すら通訳さんにお願いすると、30分しか会えない相手と話をするのが正味10分程度しか内容が話せませんでした。これは本当にもったいないことしたなって強く感じております。そういう意味で言えば、英語がぺらぺらしゃべれるように育っていくっていうのは、かなり夢の話かもしれないですけれども、一定程度、外国人と対したときに挨拶は英語でできるし、簡単な単語は自分で吸収できて、より一層コミュニケーションが深くできるような子どもたちを育てていくというような大きな指針、目標を立てていただきまして、旗を全庁的に振り、教育委員会だけでやるわけでもなく、こども家庭局だけでやるわけでもなく、企画調整局だけでやるわけではなく、全庁としてこういう子どもに育てていくとしっかりと。果たして英語なのかどうかという議論もこれから必要であると思いますが。次期総合計画策定に当たって、もう一言いただければと思います。

(久元市長)
やはり、今回の基本計画策定は、基本構想の策定とも連動しているわけで、やはり大きなビジョン、それは先ほども少し申し上げましたけれども、やはり神戸空港の国際化も見据えた新しい国際都市の姿を描く、この国際都市で、グローバル社会で活躍できる人材をきっちりと育成し、輩出していくと、こういうような理念を位置づけるということが必要ではないかと思いますし、そういうような大きな方向性については、庁内だけで考えるのではなくて、経済界、それから大学、あと神戸には様々な国際的な活動をしているNPOもあります。先般、アフリカ月間をやりましたけれども、アフリカ月間に関わる方々もかなり育ってきているように思いますから、幅広い方々の意見を聞いて、そういう理念を打ち立て、具体的な施策展開につなげていく、そういうような内容を検討していきたいと存じます。

(吉田)
計画があってビジョンがあって、そして具体的施策があってという中で、私自身はやっぱり英語をしゃべれるようになるって、もし、そのまちに住んで子どもを育てて英語が一定できるようになるよと言われたら、やっぱり行きたいなというふうなのが、昨今の保護者のニーズで多いと思っています。私自身はあんまり人口の社会増減というのは余り好きではなくて、自然増をこつこつ、まちとして頑張っていくというスタンスを一定は示さないといけないという点でいけば、学校教育だけではなくて、しっかりと就学前からも、英語に触れられるような機会があればいいんじゃないかなと思っております。
本市では、政令市で2番目に児童館が多く、子育て環境として誇るべき強みであると考えています。ただ一方で、児童館はゼロから18歳までの子どもが利用できる施設であるにもかかわらず、現在は学童保育による利用が大半を占めており、幅広い層の利用が課題となっていると考えております。もっと気軽に多くの方に親しんでもらえる児童館となるように、現在、愛称を募集するなどの取り組みが進められており、さらなる利活用を期待しているところでありますが、神戸で子どもを産み育てると英語がしゃべれるようになる、そのような子育て環境をつくっていくために、例えば、ALTなどのネイティブ人材が児童館に滞在して、子どもたちが身近な場所で英語に触れ合えるような機会を創出していくべきと考えますが、御見解をお願いいたします。

(小原副市長)
今、御指摘いただきましたように、児童館につきましては、ゼロ歳から18歳までの幅広い年齢の子どもが利用できるということで、こういった児童館が神戸市内にたくさん存在しているという強みを生かしていくという観点から、愛称の募集、また子育てグッズの配布などの検討も進めているところでございます。
今回、国のほうの補助事業を活用いたしましてモデル事業を実施しておりまして、できるだけ幅広い層の利用を促すための取り組み、また乳幼児の親子に寄り添ったプログラム等を実施しているところでございまして、児童館の地域特性に応じた事業開発も取り組んでいるところでございます。そうした中で、英語に触れ合える機会という観点からいきますと、既に幾つかの児童館におきまして、幼児を対象とした親子で英語に触れ合えるプログラムでありましたり、英語を使った遊び、またネイティブによる学習支援、外国人講師を招いてのクイズやゲームなどを通して、他文化に触れるプログラムなどを実施している館もあるわけでございます。
ただ、先ほど市長からも御答弁申し上げましたとおり、こういった個々の取り組みをいかに広げていくかということが非常に重要だと考えているところでございます。今回、モデル事業、また児童館関係者との意見交換などを通じまして、さらに英語に触れ合える機会をどのように広げていけるかという部分につきましては、産官学の連携、いろんな方の御支援をいただかないと、なかなかマンパワー的にも不足すると思いますので、ALTにとらわれず、いろんな地域の方々の御協力を得る形で、各館の特色を伸ばすような取り組みの中で広げるような取り組みを検討していきたいと思っております。

(吉田)
具体的に今まで出会った事例でいうと、例えば、英語の読み聞かせをやりたい。英語と日本語が併記されている絵本、日本語でも確認できるし、英語の読み聞かせにも使えるみたいなものを読み聞かせしたいんですという相談を受けても、今の状況でいうと、各館にそれぞれやりませんか、やりませんかと順番に聞いていかないといけないんですけど、例えば、一手にこども家庭局で聞いていただいたら、こういうのがありますよ、やってみたいところないですかみたいな、こういう取り組みも点をつなげていく仕事になるんじゃないかなと思いますので、こういった観点も持ちながら、よろしくお願いいたします。

2.特色ある学校教育と教員の働き方改革について

(吉田)
教職員が心身の健康やゆとりある時間を確保するとともに、1人1人の子どもに寄り添った質の高い教育が提供できるよう、現在、これまで当たり前に行われてきた学校業務の見詰め直しがされていますが、小規模なマイナーチェンジではなく、抜本的な改革が必要であると考えています。一方、市立小中学校は250校近くあり、予算の確保や、そのためのエビデンスとなる効果を数値化しにくいという点を鑑みると、いきなり全校で大きな方向転換を行うことは難しいという現実があります。
そこで、例えば、英語やICTなどで先進的な学びを行えるモデル校をつくり、特色ある学びを提供して、それと同時に、教員の働き方改革についてもゼロからつくるような取り組みを実施してはどうかと考えています。モデル校での取り組みを検証し得た知見成果を基に全校展開することで、効果的・効率的に子どもの教育環境の向上と教員の働き方改革につなげていくべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。

(長田教育長)
教員の働き方改革につきましては、従来から様々な取り組みを行いまして、一定の改善は図られてきましたが、残念ながら十分な成果が上がっているとまでは言えないために、抜本的な対策として、今、これまで当然のものとして取り組んでまいりました学校の業務や活動を令和の時代にふさわしいものに作り直す取り組みを進めております。
具体的には、これまで当たり前に行ってきました業務や活動につきまして、そもそも本当に必要なのかどうか、必要以上に手間や負担をかけていないかどうかといった観点から、業務そのものや事務手続も含めまして、仕事の進め方をゼロベースで見詰め直しを行っております。 一方で、児童・生徒の学びということにつきましては、これまでもより質の高い教育の提供を目指しまして、様々な取り組みを実践してきておりまして、今年度ではグローバル人材の育成、あるいはICT活用といった教育課題に関するモデル校を選定しまして、先進的な学びの実現ということに取り組んでおります。
例えば、ICT活用の取り組みにおきましては、学習用パソコンの共同編集機能などの活用による新たな学びの形の企画でありますとか、開発した教材データ、指導案の共有化などを通じまして、学びの質の向上と併せて、教材研究や授業準備など、教員の負担軽減につながる事業モデルの研究提案を目指しております。こういった取り組みにつきましては、課題や効果を検証した上で、積極的に他校に展開をしていきたいと考えております。
吉田議員御指摘のとおり、学びの変化に対応しまして、教員の働き方を見直していくという観点は重要であると考えておりまして、御指摘の観点も念頭に置きながら進めてまいりたいと考えております。今後も継続して業務の見詰め直しを進めまして、教員が本来業務に専念できるようにすることで、質の高い教育の提供と教員の働き方改革の両立を図ってまいりたいと考えております。

加藤美紗《溢れる》 六甲ミーツ・アート芸術散歩2023 beyond  撮影:高嶋清俊

3.アートを活かしたまちづくりについて

(吉田)
先日まで開催されていた六甲ミーツ・アートについては、神戸空港の国内発着便数の拡大や今後の国際化を見据え、関西を代表するアートイベントに成長していけるよう、今年度はこれまでより拡充発展した形で開催され、例年以上に好評だったと聞いております。 私も見に行きましたが、外国人観光客の方を含めて山上は多くの方でにぎわっているという印象でございました。本市では、民間企業と協力の上、支援額も増額しており、この芸術祭をきっかけに、市全体にアートを生かした働きがさらに広まることを期待しています。
今年度の実施状況を踏まえつつ、六甲ミーツ・アートがより一層国内外から注目される芸術祭となるよう、今後も積極的に後押しすることで、本市の芸術文化のより一層の振興はもちろん、都市としてのブランドイメージの向上や六甲山、摩耶山の活性化にもなる代表的な観光コンテンツとして、広域からの誘客につなげていくべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。

(久元市長)
六甲ミーツ・アート芸術散歩は、六甲山のすばらしい眺望と自然を舞台に芸術鑑賞する神戸ならではの強みを存分に生かした芸術祭であると存じます。2025年の大阪・関西万博や神戸空港の国内発着便数の拡大、今後の国際化を見据え、関西を代表する芸術祭へと発展していけるよう、今年度から阪急阪神ホールディングス株式会社と共に市の支援も拡充をいたしました。
この結果、国際的なアーティストの招聘や、六甲山の魅力を体感できるトレイルエリアの新設など、新規制作のコンテンツの充実も行うことができました。例年以上にプロモーションを大幅に強化いたしましたことなども相まって、来場者の速報値は前回の2万1,000人から約1.5倍の3万3,000人となりまして、関西以外の来場者の割合も増加傾向にあります。会期後の出展作品の一部を市内に展示することや、出展作家によるイベントなども予定しておりまして、アートによるまちのにぎわいにつながる取り組みも進めております。今後はさらに多くの方々に来ていただけるよう、神戸空港の就航都市へのプロモーション、SNSなどで国内外に広く発信をし、広域からの誘客につなげていきたいと存じます。
また、六甲山の環境整備には大変力を入れております。光ファイバーの敷設、あるいは水道料金の大幅引き下げ、また道路や歩道の環境整備などを進めてきているところでありまして、こういうハード・ソフトの施策を組み合わせながら、六甲ミーツ・アートがさらなる発展を遂げることができるよう全力で取り組んでいきたいと存じます。

(吉田)
御答弁の中で、アートのみならず、六甲山については今までの光ケーブルの敷設であったり、水道料金の市街地と同じ料金体系、道路の整備もしていただきまして、このたびミーツ・アートに行くために六甲山に上がりましたけれども、道路がどんどんきれいになっていって、昔来たことある人であれば、印象が全く違って一緒のところかなと思うぐらいきれいになっていますし、歩道も整備されていました。
今回、ミーツ・アート、すばらしいなと思ったのは、歩いて見て回ることも推奨されていたので、ミーツ・アートに行くために歩くという要素を持たない方もいましたけれども、歩きながら見ようと思う方もいて、山の上でやるという特性を非常にうまく出されているなというふうに感じました。
私一番下の子どもと行ったので、現代アートで大きいおじいちゃんの顔とか、大きい怪獣みたいなビニールのやつとか、泣いてしまってゆっくり見れなかったので、今度は長男か次男と行きたいなと思います。
来場者も1.5倍になって、どんどんすばらしくなっていってはいるんですけれども、そうなると、山の上にどんどん人が行くということで、1つ気になるのは、携帯の電波であるとか、Wi-Fiであるとか、はたまた多言語対応、これからアジアの国、2025年以降はアジアのいろんな国で来ると、英語、中国語、韓国語だけでは間に合わないこともあるので、そういうのを紙媒体でいろんな言語を刷るというのはもう時代とは違うのかなと思うんですけど、これこそICTを利活用する、ただ、利活用するんであれば、携帯の電波や無料Wi-Fiが確実にないと、せっかくホームページで多言語対応を提供しても、電波ないから見られんやん、みたいなことになってしまうと思うんですけれども、このあたり、山の上の通信環境も含めて、多言語化ということについて一言いただければなと思います。

(小原副市長)
御指摘いただきましたとおり、今回のミーツ・アートを評価していく中では、当然のことながら、今後海外からのお客様もたくさん呼びたいという思いも込めて、強化してきているところでございます。そうした海外からのお客さんに対しましては、多言語での情報提供というのは非常に重要だと考えております。なかなか電波とかという部分について、山上で全てのエリアという部分についてどこまでできるかというのはありますけれども、方向性としては、やはりこういったITのスマートフォン等を含めた活用というのが前提となった観光地というのが求められるわけでございますので、その方向でできることを検討していきたいと思っております。

(吉田)
また、アートを活用し、市全体のにぎわいをもたらすという点でいきましては、アーティストの活躍の場にもなるような場を提供することも重要であると考えております。
本市では、少し前になっちゃうのかなと思うんですけれども、市役所2号館やボートピア新開地でミューラルアートとの実績がありますが、少し一過性の取り組みになっているような気もしているんですけれども、若年層のさらなる巻き込みであったり、町なかでミューラルアートが広がる取り組みを拡大していくほうがいいのではないかと考えるんですけれども、御見解をお願いいたします。

(小原副市長)
御紹介いただきましたとおり、ミューラルアートにつきましては、神戸市におきましては、メリケンパークでありましたり、六甲アイランド、または市役所の2号館等で民間等と協力する形でイベント等を実施してきたところでございます。
直近でいきますと、今年の3月に市が設置いたしましたボートピアの神戸新開地の外壁などの
実績もあるところでございます。ミューラルアートの方法につきましても、特に壁に直接絵を描くだけではなくて、作品をプリントしたシートを壁に貼るという方法もあるようでございます。ボートピア神戸新開地のミューラルアートにつきましては、多くの子どもたちの絵をアーティストが1つの作品に仕上げる、そして、その作品をプリントしたシートを貼り付けたものでございまして、壁面工事の際には貼り替えが可能とお聞きしているところでございます。
一過性に終わらせないようにという御指摘でございます。新開地エリアでは、メトロこうべにもミューラルアートを用いておりまして、今年は10月に印刷技法、シルクスクリーンを用いて作家だけでなく、通りがかりの方にも参加いただきながら完成させた事例もございます。
このミューラルアートの設置に対しましては、やはりそのまちの雰囲気に合うかどうか、また、整備に適した壁があるかどうか、また地域の方の御理解が得られるかどうかなど、様々な要件がそろう必要がございますが、今後とも地域やアーティストのニーズを把握しながらミューラルアートをはじめとするアート作品の活用を促し、市全体のにぎわい創出につなげていきたいと考えているところでございます。

(吉田)
子どもたちを巻き込むことも非常にいい取り組みだと思いますし、そういったことをこれから実施する人であったり場所であったりお金であったり、いろんな条件がそろわないといけないというのは理解しております。ただ、そういう場所を提供する場所というのも選定していくというのも必要だと思います。
例えば、須磨海岸なんかハワイ風に観光で売り出してはいますけれども、それであれば、ヨットハーバーの防潮堤、殺風景な防潮堤が結構長いこと須磨海岸から、ヨットハーバーを見たらあるんですけれども、ハワイ行くとミューラルアートで有名な地区もあったりするんで、それあればそこも(ミューラルアートを)やってみて、よりハワイにするとか、これは1つです。あとは目的を持たせるみたいな、今、駅とウォーターフロントをどんどんつないでいかなければいけないですけれども、その間のところの壁に何かもうちょっとあったらいいなみたいなところに、ぽつぽつミューラルアートがあったら楽しくなるなとか、また、海外では、幅広い層が参画できるように、フリーウォールといって、週に1回、全部消しちゃうけれども、この壁、誰が書いてもいいですよみたいなんがあったりします。こうしたこともあれば、何かしらのきっかけであったり、また幅を広げる効果的なものになるかもしれないと思いますので、このあたりも一度研究していただきまして、いろんなことを確認いただければなと思います。

4.王子公園再整備をはじめとする公園の在り方について


(吉田)
昨今、子どもの体力低下が取り沙汰されており、本市の小学生、中学生の体力調査結果では、いずれも全国平均を下回っております。その解決に当たっては、幼少期からどれだけ体に刺激を与えるかが重要であると言われています。
子どもが体を使って遊ぶ身近な場所としては公園がありますが、例えば、遊具だけに頼るのではなく、高低差のある地形をうまく活用した自然の小山やあえて段差があるような遊び場を設けることで、子どもたちの冒険心をくすぐり、小さな危険を学びながら基礎体力を向上させることができるのではないかと考えています。
また、今後の人口減少時代の公園の在り方も踏まえますと、老朽化した遊具を単純に更新することも難しくなります。それぞれの公園の特色や対象となる年代なども考えていき、小さな子どもをターゲットにした公園は、遊具に頼らず、ただ平らなだけの場所を提供するのではなく、小山や段があり、小さな子どもたちが伸び伸びと走ったり登ったりして遊ぶことができるような整備をし、それと同時に、持続可能な管理運営も確立させていくべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。

(今西副市長)
子どもの体力向上におきまして、幼少期に外で思い切り体を動かすことは大変重要だというふうに考えているところでございます。公園は、体を使って遊ぶ身近な場でありますし、また運動を通じて基礎体力を向上させる場でありますので、幼少期の子どもたちが楽しみながらチャレンジし、基礎体力の向上につながる施設整備に取り組んでいるところでございます。
例えば、しあわせの村や離宮公園におきまして、山の斜面を利用した遊具を更新いたしますとともに、身近な公園では、高低差や斜面を生かした遊具や広場に小山なども整備をさせていただいているところでございます。
加えて公園でのボール遊びも子どもたちの基礎体力の向上に重要だというふうに考えているところでございます。そのため、地域ニーズ、各公園の役割や特色を勘案し、子どもたちがキャッチボールやドッジボールなどのボール遊びができる公園の拡充整備をしていきたいというふうに考えているところでございます。
今後、人口減少時代に合わせました公園の在り方を検討いたしまして、地域の社会状況やニーズに応じた特色ある公園づくりを進めることが大変重要だというふうに考えているところでございます。 また、施設整備に際しましては、ランニングコストを意識したアセットマネジメントの観点も重要だというふうに思っているところでございます。
子どもたちの基礎体力向上に寄与する遊び場の整備に際しましては、御指摘をいただきましたように、遊具だけに頼るのではなく、自然環境もうまく活用して、子どもたちの年代に合わせた魅力的な公園づくりに取り組んでまいりたいと考えてございます。

(吉田)
いろいろな公園があって、今パークリノベーションをされていますけど、大きい公園の方がまず主になってきていて、私はどっちかというと小さい公園のほうを主に考えていきたいなと、今この質疑では思っておりまして、例えば、大きい公園があって、ボール遊びやそんなんは全部そっちでやっているけれども、その近くでぽつんとある小さい公園なんかも見てみますと、平らな地面があって、大体滑り台つきの遊具があって、砂場的なちょっと低年齢の子どもたちが遊ぶ場所があって、これはお決まりのパターンで、逆に言うとこれしかない。
ただ、1つそんな(大きな公園の近くの小さな)公園でも、この遊具が危ないって言われて見に行ったら、6歳から12歳しか使えませんって、危ないって言われているからシールをぺたぺた貼っているんですよ。
こんなんがあれば、じゃあ6歳から12歳はその近くの大きい公園でボール使ったり、走り回ったりしている。0歳から5歳ぐらいの子が使う公園に置いてある遊具が6歳から12歳と、これは遊具を設置した費用もかかっているし、今後更新する費用もかけないといけないしということを考えれば、ちょっと合理性に非常に欠けるなと思いますので、そのあたり特色のある大きい公園、ボール使える公園、その逆に、ちっちゃい公園、ちっちゃい子が走り回る、そのときに段差や斜面があって、いろんな体を動かしながら、体力を向上させるみたいな感覚を養える場所を作っていくということをぜひ検討していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

また、王子公園の再整備におきまして、現在は、現状のちびっこ広場とわんぱく広場を合わせた広さを確保したみんなの広場を幅広い年齢層が利用できる施設として整備していくことになっております。
整備の具体化に当たっては、昨今の子どもの体力低下の問題も鑑みて、高低差のある地形をしっかりと生かし、子どもが勝手に体を動かしたくなるような仕掛けが必要であると考えています。同時に、障害者や高齢者の体力づくりにも配慮した場になるべきであると考えておりますが、こうした工夫をちりばめた空間を今後整備していくに当たっては、しっかりと市民に応援してもらえるように、早い段階で子どもをはじめ、みんなが行きたいと思える具体的な整備イメージを提示していくべきと考えますが、御見解をお願いいたします。

(小原副市長)
今回、王子公園の再整備基本計画案におきまして、現状のちびっこ広場とわんぱく広場を合わせた広さを確保したみんなの広場を整備して、幅広い年代層が利用できる施設を整備することとしているところでございます。
今後の検討に向けて、遊具、ボール遊びなどができる施設を検討することとしておりまして、みんなの広場の整備、利用のイメージ写真を掲載させていただいておるところでございます。みんなの広場の整備内容を検討するに当たりましては、子どもたちが走り回れる、起伏のある園地を希望する声もあったことから、高低差を生かした広場を整備するなど、楽しみながら体力向上が図れる空間を整備するほか、遊具の選定に当たりましては、インクルーシブな遊具を取り入れるなど、ユニバーサルな視点も取り入れていきたいと考えているところでございます。
また、御指摘いただきましたとおり、今後の設計を進める中で、皆様の御意見もお聞きしながら、できるだけ早期に整備のイメージをお示ししていきたいと考えております。

(吉田)
みんなが行きたいとか、子どもが行きたいというのが一番重要だと思いますので、よろしくお願いいたします。
もう1つ、公園についてちょっと違う観点なんですけれども、市長がこの間の神戸ストークスの包括連携協定の際であるとか、今年度の月刊神戸っ子のインタビューでも、神戸ではいろいろな公園でバスケットができる環境を作っていきますよと言ったものの、今年度、進捗は数件程度かなと思いますし、灘区においては、現状2か所ぐらいしかないというような状況がありまして、旗をせっかく振っているんだから、着実に進めていくべきと考えますけれども、これも一言御見解いただければありがたいです。

(久元市長)
現在、屋外で自由に使えるバスケットゴールが、市内で50か所の公園にあります。これをさらに大幅に増やすためには、整備スペースの確保のほか、プレー中の音とか夜間利用に対する住民の皆さんの理解が必要です。そういう課題はありますけれども、せっかく神戸ストークスと連携協定も結びましたし、バスケットボールに対する関心が高まっておりますので、よくその辺の問題を精査したり、課題を整理した上で地域との調整を進め、できるだけバスケットゴールが増えるように、積極的に検討を進めていきたいと思います。

(吉田)
王子公園については、今後再整備するに当たって、やっぱり原田の森ということを動物園の中でもエッセンスを入れていただきたいですし、車路になっている部分よりも東側にも青谷川公園であったり、原田児童館もありますし、これもそこそこ老朽化しています。こうしたことも含めて、原田の森としていただきたいです。

写真提供 :神戸市交通局

5.交通事業審議会で答申を受けた交通局の方針について

(吉田)
市バス、地下鉄などの交通事業は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、大幅に乗客数が減少したことに加え、燃料費や資材費などの上昇の影響もあり、その経営環境は非常に厳しい状況になっています。さらに、今後の人口減少も将来見通しに大きく影響するものと推測されます。このような状況を踏まえ、交通局では6月下旬、交通事業審議会に対し、交通事業の中長期的な経営基盤の強化に関する諮問を行い、その後、同審議会において精力的な議論が行われ、このたび答申を受けたとのことであります。
現在の収支見通しを踏まえ、答申も参考に運賃改定を行う方向で検討するとのことでございますが、本答申に対する受け止め及び現段階における今後の対応方針について御見解をお伺いいたします。

(城南交通局長)
新型コロナを契機といたしました新しい生活様式の定着に加えまして、昨今の電気代、燃料代、資材費や労務単価等の高騰に伴います諸経費の増加は、安定的経営に深刻な影響を及ぼしているところでございます。このような経営環境の中、令和4年度決算を踏まえた今後の資金不足見通しは、令和14年度時点で、自動車事業会計では146億円、高速鉄道事業会計では154億円になると推計しておりまして、これまでに経験したことのない危機的な財政状況にございます。
答申を受けまして、交通局といたしましては、アフターコロナや人口減少時代など、社会の構造的変化にも対応しながら、まちづくりの中核として、市民生活と都市活動をしっかりと支える役割を果たしていけるよう、あらゆる施策を総動員することにより、この危機を早期に脱却し、今後も公共交通体系の一翼を担い、市民の足としての公営交通事業を維持し続けるべく、その決意を新たにしたところでございます。
この危機的状況からの脱却を目指しまして、まずは今春、この4月でございますが、4月より局採用職員の給与カットをこれまでの5%から倍の10%に引き上げたところでございます。加えまして、職員や車両の稼働率向上、新型コロナウイルスによる御利用者数に応じた減便等に取り組むなど、経営計画に2025に掲げます経営改善策に危機感を持って取り組んできたところでございます。
今後も事業継続していくために、安全運行の徹底及び組織風土改善に向けた取り組みの強化、これを事業継続の大前提とした上で、これまでにも増して抜本的な対策が必要であると考えております。特に、実質的に経営健全化団体にある市バス事業におきましては、このままでは新型コロナの影響に加え、諸経費の高騰に対しまして乗り越えることができないと考えておりまして、消費税改定等を除きまして、1992年以来、30数年据え置いてまいりました運賃の改定について、具体的な検討を行うことといたしました。具体的な運賃改定額を含めた総合的な対応案につきましては、令和6年度予算編成過程において幅広く検討の上、次年度予算案に盛り込んでまいりたいと考えているところでございます。

(吉田)
今、市バス運賃の改定の必要性についての御答弁をいただきましたが、市民に必要な市バス路線を今後とも維持していくためには健全な経営基盤を維持していく必要があります。市バスは地方公営企業であり、原則として独立採算制で運営されるべきであり、持続可能な運営を維持していくための利用者負担をどのようにしていくのかという議論は必要であるものの、一方で実際の利用者負担がどのようになるのかという観点からの慎重な判断も必要であると考えています。
答申では、少なくとも30円程度の改定が必要ではないかとの見解が出されておりますが、今以上の経営努力を考えていくという御答弁もありましたが、とりわけ重要なのは特に家計負担に対する配慮という観点からかなと思っております。そのあたりどのような検討されていくのか御見解をお伺いいたします。

(城南交通局長)
答申におきましては、燃料費や人件費の上昇について経営努力のみで吸収、対応することには限界があるのは明らかであると述べられており、また、将来にわたって公営交通として、安全かつ安定的に事業を継続するためには、一定額について利用者への価格転嫁が不可避であること、これを、その審議会委員の多数の方から出されておるところでございまして、答申では、少なくとも30円程度の改定を行うことが必要とされております。
しかし、家計負担に対します配慮を要するとの吉田議員の御指摘につきましては、政府におけます総合経済対策が進められている現下の状況も踏まえまして、答申において提示のあった改定額30円、これを所与のものとすることなく、また運賃改定のみにより、収支均衡を目指すのではなく、徹底したコスト削減策と増収策による経営効率化等の交通局としての最大限の経営努力により、少しでも家計負担の軽減につながるよう、御提案ができるよう、しっかりと検討してまいりたいと考えております。

(吉田)
先の決算審査でも指摘してきたところではありますけれども、本来の趣旨以上のものの、また課題となっていると思われるような割引制度の見直しなども検討することにより、総合的に家計負担の軽減に努めていただきたいです。
また、負担の議論だけではなく、併せてサービス水準の向上についてもしっかりと検討していただきたいです。具体的には、市バスを含む市域のバス事業者各社があたかも経営主体が一体であるかのようなサービス水準の共通化、例えば定期券の共通化や乗り継ぎ割引の相互実施を実現できるよう民間バス事業者各社との一層の協調関係を構築の上、協議調整を進めていただきますようにこちらは要望とさせていただきます。

6.保護司会活動に対する支援について

(吉田)
本市では、今年度から複合的な福祉的課題の対応を強化するため、福祉局に相談支援課を新設し、新たに再犯防止コーディネーターを配置するなど、再犯防止の取り組みを進めていますが、再犯防止に当たっては、保護司が大変重要な役割を果たしていると考えています。
保護司には国より活動経費が支給されていますが、その活動に対して十分な額ではなく、本市でも、保護司活動充実のため、保護司会への補助金を年々拡充しているものの、いまだ活動経費を個人の持ち出しで対応している保護司さんもいらっしゃいます。このような実情から、保護司に対してさらなる支援が必要と考えますが、御見解をお伺いいたします。

(小原副市長)
保護司が行います対象者の支援、また社会を明るくする運動といった活動につきましては、安全安心なまちづくりを大きな目的といたしておりまして、今年度から再犯防止の取り組みを実施している神戸市としても大変重要な取り組みであると考えているところでございます。
保護司活動の拠点となる更生保護サポートセンターの運営や社会を明るくする運動といった活動を支援するため、保護司会への補助金を拡充させてきたところでございまして、令和4年度には480万円に増額させたところでございます。
先般、保護司の活動状況や課題につきまして、保護観察所や神戸市保護司会連絡協議会、また各区の保護司会の役員をはじめとした複数の方々の保護司からヒアリングをさせていただいたところでございます。御指摘のとおり、活動経費として国からの一定の実費弁償はあるものの、一部を保護司個人の持ち出しで対応しているというお声もいただいたところでございます。また、自宅での面談が難しい保護司が増えてきているため、面談場所確保に対する支援が必要という御意見もいただいたところでございます。
国におきましては、令和5年3月に第2次再犯防止推進計画が策定され、その具体的施策の1つとして、持続的な保護司制度の確立に取り組むことが明記されておりまして、現在、国におきまして、保護司の待遇、活動環境などを含めた検討が進められているとお聞きしているところでございます。
一方で、地域社会の安全安心を目指す上で、保護司活動は重要な取り組みであることから、神戸市におきましても、先般、ヒアリングでいただきました御意見を踏まえながら、補助金の増額といった方策を通じて支援を拡充していきたいと考えているところでございます。特に、ヒアリングでの御意見のあった面談場所確保に対する支援につきましては、文化センターとか公民館といった公的施設のほか、民間施設を含めた最寄りの有料会議室などを柔軟に御利用いただくことも想定しておりまして、その必要経費を含めた補助金の増額について検討しているところでございます。
いずれにいたしましても、保護司におかれましては、日頃、対象者の支援に御尽力いただいていることから、神戸市といたしましても、国の動きや関係者からの御意見等も踏まえながら、保護司活動へのさらなる支援の方策について検討を深めてまいりたいと考えているところでございます。

7.要望 保育所等の建て替え補助の拡充について

(吉田)
今年度予算において、保育所等の老朽建て替え補助につきましては、1か所分として2億5,000万円が確保されています。しかし、この予算では、実際の需要に応えられていないと考えています。今後、築年数の経過とともに、施設の建て替えや大規模改修の必要な施設は増えていきます。認定こども園等の施設の現状を十分に把握され、実態に即した対応になっていくことを要望いたします。

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