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「個展、それはお金がかかる」

 表題の通り、今回の個展「枯花」にいくらかかった、という話とそれに伴うあれこれを雑多に書き散らした文章です。
 金額面だけを見れば、例えば個展やイベントを行うとすると何にどれほどお金がかかるのか、の一定の知見になると良いなと思いつつ、備忘も兼ねております。
 また、その雑多には僕の我執が多分に含まれるため、げんなりされる方もおられるやもで、その覚悟も含めて今回初めて有料記事という形で投下するつもりで書いておりましたが、なんとなくそれも違うかな、と思っていつも通りあげることにしました。

 いっくらっかな? いっくらっかな? サテサテフムー、サテフムー?
 (CV 西脇綾香)
 それでは逢坂憲吾個展「枯花」我執篇 「個展、それはお金がかかる」どうぞお読みください。


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では、金額。

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 結論:1,069069円+112,702円かかりました。
 なぜそんなことになったのか、何にいくらかかったのかを公開します


1 当初見込みと大幅に変わる制作費

 当初予定:約20万円(作品12点額装予定)
 結果総計:683,000円(作品7点アルポリ仕上化粧下駄)
当初の予定では、実は作品サイズが1000mm角ではありませんでした。予定では400mm〜500mmだったのです。
が、展示に関してご助言をいただいた渡部さとる先生から「逢坂さんの作品は小さいとあなたの意図するところが伝わらないので、大きくした方が絶対に良い」とご教授いただき、古賀さん(アーティスト古賀学氏)からは「やっぱり写真は大きくないとですよね、逢坂さん!」と煽られ(笑)、熟慮の結果、作品を大きくすることにしました。
その間、2度のテストプリントを経るわけですが、クリエイト銀座でのテスト分が約6万円強、その後仕上がりに納得がいかなかったためまたしても渡部さとる先生にご助言いただいたアトリエマツダイラ様にて2作品で3種類のテストプリント(1000mm角の作品のうち400mm角部分テスト)で約7万円(送料含)、その後、本プリント1000mm角を7点+1点出力することになりました(なお余談ですが、ある作品が額装加工する時点で傷が入っていたため再プリントになったため+1点となっております)。

それらの作品をフレームマン様で額装いただいたのですが、これまた当初予定のFMプレートによる額装が作品サイズによって不可能。より強度のあるアルポリック仕上となり、これまた額装代金がざっくり3倍に。
プリントと額装とで1点あたり約7万円弱
実は黒バラのみプリントにもう一手間加工が入っているためこれだけ8万弱かかっていて、7点で50万円強かかっています。
テストプリントや傷のついた分の再プリント、作品購入検討いただく方への大きさ事例分プリントを併せて、総計が上記金額になりました。

            当初予算の3倍(白目)。

とはい、個人的には作品を1000mm角にした事で、自作品への理解が深まりました。何を作ってたのか腹落ちした感じです。
渡部先生の示唆通りでした。ありがとうございます。

2 変則的会期のために会場2週間確保

 当初予定:20万円程度
 結果総計:198,000円

今年の展示は2019年の夏に実施する予定で準備を進めていて、昨年の1月ごろからギャラリー巡りをしておりました。
が、仕事の関係で8月が延期になり、どうするか迷いに迷っていたのですが、ある方のご助言でJamPhotoGallery様を知り、2月の下旬予定が空いていることを確認、予約を入れました。
2週間やるだけの余力はおそらくないだろうと思い、とはいえできる限りの方に見ていただけるように期間を確保することを考え、2月20日(木)搬入からの3月1日終了で、10日間(うち土日祝5日)
当然変則的な会期のため、2週間借りることになり(これ自体は当然だと思ってるので何の不満もありません為念)、この金額に。
とはいえ、目黒のあの場所で2週間をこの金額で借り切れるというのもありがたい話ですし、会場がホワイトキューブというのも作品をしっかり見せることができて本当によかったです。
見に来てくださった方の中には、作品に集中してまじまじと見てくださる方も多く、JamPhotoGallery開催は良い選択でした。

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3 京都在住でしたよね?

 当初予定:?
 結果総計:60,000円

京都在住のため、東京滞在費がどうしてもかかるわけですが、会場管理が作家に委ねられるタイプのギャラリーであったため全日滞在の必要性があり、また目黒ということもあって、隣駅五反田の「ドシー五反田」というカプセルホテルを利用しました。
だいたい1泊2,000円ちょい(笑)。
ここ、シャワーとサウナしかないのですが、川向こう挟んだ所に銭湯があるので、湯に浸かりたいときはそこに行く、ということができるのが大変良いです。またコインランドリーも近いので長期滞在向(ただし、歓楽街のど真ん中にあるので、客引きされます)。
中二日だけビジネスホテルに宿泊(ある目的のために確保したのですが、その目的はあえなくコロナで直前中止に)。
宿泊費は10日間で大凡30,000円強、これに京都・東京間新幹線代が27,000円、ほか細かい数字を合わせて60,000円でした。
10日間カプセルは流石にきつかったので、中二日普通のホテルを確保していたのは正解。
あと、予定がないときは毎日歩いて目黒まで行き、五反田まで帰る、ということができたので、運動不足にならなかったのも良かったです。
幾人かの友人や親族が「うちにとまる?」と助け舟だしてくれましたが、毎日の予定が変わることもあって、それは遠慮しました。
その節はありがとうございました。

4 お茶くらい用意せねば
 当初予定:?
 結果総計:約17,000円 

2月下旬の会期でしたので、寒い中来ていただく皆さんにちょっとでも温かくしてもらうべくお茶をご用意しておりました。
ありがたいことに展示期間中に述べ180人ちょっとの方にお越しいただきましたので、その皆さんに出すお茶とコーヒーに紙コップ、それに搬入日の内覧会用に用意したアルコール類あわせて、ざっくり9,000円
小さなお子さんを連れたご友人家族も来てくれて、100パーセントジュースが役に立ちました。オレンジ、グレープフルーツ、ミックスと3種用意しておりましたが、小さいお子さんにはりんごジュースが人気の模様でしたので次回はりんごジュースご用意いたします。
また内覧会後に古賀さんご夫妻およびアーティストの石黒さんとご飯食べに行って、それは僕が出させていただいたので、これで8,000円くらい

5 搬入出は専門家に
 当初予算:数万円でできたらいいな(逢坂の妄想)
 結果総計:110,000円

1000mm角作品をレベル合わせて正確に設置するとか僕には全然無理でしたので、これまたフレームマン様にお願いしました。
もともと搬入にお二人、搬出にお二人でお見積りいただいておりましたが、搬入に三人来ていただきまして、おかげで設置自体はあっさり完了(途中、社長様も顔だしてくださいました。会期中にも来ていただき恐縮でした)。
作品の配置については、写真家かつギャラリーオーナーの鶴巻育子先生のご助言もいただき、最終的にあのようになりました。
紫のチューリップと黒背景のバラをあの位置に置いたら、あとはすんなりでしたね。

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6 その他雑費という名の不測の事態(とほほ
 当初予算:2〜30,000円
 結果総計:113,000円

期間中にいくつかの展示(西尾雄太先生原画展五百羅漢寺写真展conixさん展示)に行ったために、漫画単行本・写真集・グラスなどを購入したのですが、それは1万円ちょっとだったのですが、会期中にやらかしました。
僕が長年ファンをやってますPerfumeというアーティストさんがいるのですが、そのファンイベントが某クラブで会期中に行われておりまして。
で、自分の会場閉めた後に遊びに行ったのですが、友人からチケット代を回収した後だったので手元には多額の現金が。気づくとあっという間に25,000円ほど飲んでしまいまして(クラブ遊びしたことある人はわかると思いますが、勢いつくとこんな感じになります)。
ここまではよかったのですが、途中テキーラをキメ過ぎた結果、ホテルへの帰宅途中に腰が砕けて転倒、右膝に大きな擦り傷をつくるとともに、手に持っていたiPhoneを破壊してしまうという大失態をやらかしました。
翌日までなんとか動いてはいたものの画面に綺麗なグリッチが見られるごろにはうんともすんとも言わなくなり、翌々日に慌ててアップル渋谷店に駆け込み、ボーナス一括払いでiPhoneXRを購入する羽目になりました。
壊れたiPhoneは6、買替の必要には迫られていたので、必要設備投資とすることにしています(遠い目)。
「テキーラダメゼッタイ」を合言葉に、今後は自分は飲まずにお友達にご馳走するだけにしようと思います…。

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7 不躾な話とどんくさい僕の話

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今回の展示では180名を超える皆様にご来場いただきました。改めてお礼申し上げます。
みなさんがお気を使ってくださったことで、実は現在もちょっとだけ頭を悩ませてるものがあります。
それは「お土産」
最初の写真は最終日の3月1日までにいただいたものなのですが、実は会期前半にいただいたものは一部は食べて、残りを自宅に箱詰めにして送りました(写真はいただいたものの総量の半分くらい。なお酒類除く。送料は箱代あわせて2,000円弱)。
これ書くの非常に悩んだのですが、お土産に関してはまじで「日持ちが3ヶ月くらいするもの」とか「スタバカード(これ実際に持ってきてくれた友人がおりました)」とか、いっそ「ア○ゾンカード」とか「○本○行券」とかの方が良さそうだな、と自分を省みるきっかけになりました。
いただけたことは本当に嬉しかった反面、食べきれなくて傷ませて処分してしまう、が一番悲しいので。
傷まない、かさばらない、持ち運びしやすい、は重要。

なお、日持ちしないお菓子の一部は自分とおよめの分を確保したのち、京都の某喫茶店で配布させていただきました。
また、和菓子はいけるだろ、とばかりに賞味期限きれても食べちゃいました(笑)。
今も二人で少しずつ食べながら、少しずつ体重を増やしております。
あと、日持ちはしないけどお昼時に「抜けられないだろうと思って」、夕方に「明日の朝ごはんにでもしてよ」と調理パンをいただいたのですが、会場に冷蔵庫がありましたので、無事翌日の朝ごはんになりました。
先のスタバカードでコーヒー買って、という感じで食費が浮いてありがたかったです。
と、ここまで書いておいてなんですが、逆に自分がどんくさかったことは「せっかく足を運んでくださったお友達に、気を遣わせるためのアイテムの一つも用意してなかった」ということ。
これもまた不躾な話なのですが、いろんな作家さんの展示に行くと「記念に」という感じで買えそうなものをちゃんと用意してるんですよね。
多分僕もちょっとした図録的なものを作り、一冊2,000円とかで売れば、みんなお土産とか持って来ずに、それを買う形で僕の財布の中身を気遣ってくれたんだろうな、と。
後に友人からその点を指摘されるまで、全く気がついてませんでした。
なお、図録的なものを作りたかったのですが、なぜなかったかというと、それは「資金が尽きた」から。

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8 最後に
と、ここまでいくらかかったか、という我執溢れるエントリーを書いてみましたが、これが「個展」なるものをやってみようと思われる方にちょっとでも役に立てばな、と思うばかりです。
勿論、写真だけに限らず、絵画やイラスト・彫刻などなど、メディウムによってかかる費用や時間は全く変わると思いますので、一概に言えないですが、こういうことをやろうとするとどのくらいのお金が動いてるのか、ということがちょっとでも理解してもらえれば幸いです。
身も蓋もないことを書きすぎた感もあるのでドン引きさせてるやもで恐縮ですが、会期中に来てくださった皆さんには本当に感謝しておりますし、その会期中に本作品1点・小作品3点をご購入いただけたりと、本当に嬉しく思っております(おかげをもちまして、会場費は売却益でなんとか賄えそうです)。

今後の計画ですが、当初5月に予定されていた京都国際写真展のフリンジ枠に参加予定でしたが、こちらは9月以降に延期。
それに代わる形で友人写真作家とともに、それぞれの在住地域で2人展をやろうかと模索しております。
関西圏でもみていただけるように努力しておりますので、もう少々お待ちいただければと思います。

なお、今回有料記事にはいたしませんでしたが、noteにアカウントお持ちの方には是非サポートを、そうでない方には下記口座まで是非投げ銭いただけると幸いです。

みずほ銀行 京都支店
普通1276392 オオサカ ケンゴ


個展開催当初には全く想定してなかったコロナ禍によって3月は失注が相次いでおります(すでに3月だけで50万円近くの失注)
打てる手を打ってはいますが、とはいえ収支はなかなか厳しい状況です。
いっちょ逢坂の作家活動をサポートしてやるか、と思われる向きの方にはぜひサポートおよび投げ銭いただければと思います。

また、作品購入に関しては今月末までは逢坂憲吾のサイトに上がっております枯花作品内から500mm角サイズまでのオーダーも承っております。
「壁空いてるし、作品買ってもいいな」と思われる向きの方は
 kengoあっとluceat-photo.comまでご連絡くださいませ。
勿論、本作品をご購入希望の方いらっしゃいましたら、そちらも承ります。

以上「個展、それはお金がかかる」でございました。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。 拝謝。


2020年3月24日 追補 
大変重要なことを掻き落としておりましたので、補足させていただきます。
今回の個展に際して、多方面より様々なご支援をいただきましたことは以前も書き添えましたが、同時にこれまで逢坂の撮影及び周辺能力にご期待いただき、撮影発注くださいましたクライアントの皆様のおかげで、このような個展を開催することができました。
お金の話を書いてて、最大の支援者であるクライアントの皆様に言及しておりませんこと、大変失礼いたしました。
今後とも変わらぬお引き立てをいただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

ウラ面-osaka-dm2020


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