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ディープラーニングE資格 2023#1 合格体験(学習期間:およそ3か月)

JDLAのディープラーニングE資格(エンジニア資格)の2023#1に合格しましたので、記録をまとめます。試験開始のおよそ3か月前から本資格を目指し勉強し無事取得できました。比較的短期間かつできるだけ費用を抑えて取得することができた(それでもトータルで10万円くらいかかってます)と思いますので、これから受験する方に参考にしていただければと思います。

タイムライン

およそ2か月で認定プログラムを修了させ、その後1か月間は試験に向けて学習をしました。以下が実際のタイムラインになります。

2022/11/16 認定プログラム申し込み
2023/1/10 認定プログラム修了
2023/2/19 試験
2023/3/10 合格通知

事前知識

  • AI・機械学習知識なし、 G検定等の関連資格なし

  • Python: 基本文法はわかる、簡単なコードはかけるレベル

  • 応用数学: 高校卒業レベル

費用 (実質8万円程度)

  • 認定プログラム 70,000円(キャンペーンを利用し合格後受験料相当の33,000円のAmazonギフト券バック)

  • 受験料 33,000円

  • 参考書代 10,000円程度(下記で紹介の3つ、基本メルカリ購入)

認定プログラムの選定

E資格を受験するには、JDLAが認定したプログラム(講座)のうち1つを申し込んで、修了する必要があります。

認定プログラムは15社程度ありますが、自身の事前知識レベル、金額、受講期間、プログラム実績を参考に選ぶ必要があります。この講座が高額なことがE資格取得のネックです。受験費用も別途3万以上かかるので個人で本資格を取得するためには結構な金銭的負担があります。

私は、Pythonの知識はある程度あったのと、できるだけ短期間で修了したかったので、受講期間とコスパ重視で株式会社zero2oneのE資格認定プログラム スピードパッケージを受講しました。(試験の3ヶ月くらい前に申し込みが開始されるようです、前回より少し値上げされてます)

E資格シラバスにてカバーされる範囲のみをピックアップされているので効率的に学習できるというのと金額が比較的安価であったためです。完全オンラインでメールサポートなしのプログラムで金額は7万円ですが、合格すると受験料相当(33,000円分)のアマゾンギフトカードがもらえるキャンペーンで申し込んだため実質4万以下で済みました。

最近ではこのようなE-learningベースでサポートなしの安価プログラムがでてきましたが、それでもやすくても5万円以上はだいたいかかります。またある程度数学やPython等の事前知識を持っている必要があります。

なお参考ですが、2023#1試験前において私が知るかぎり圧倒的最安プログラムはStudy-AI社のラビットチャレンジ(入会費22,000円+月額費3,300円)でしたが、レポートや各ステージの試験がハードと聞きましたので選択しませんでした。

他の一般的なプログラムだと15万から50万円くらいなので、個人で受けるにはだいぶ高額です。ただ中には厚生労働省「教育訓練給付制度」の「専門実践教育訓練」対象のプログラムもあるので、これを活用すれば、教育訓練給付金受講料の最大70%が助成されます。金銭的負担が大きい方はこれを活用するのがよいと思います。

ただし、手続きは自身でハローワークに対して実施する必要があり、受講の1カ月前までに実施するなど時間が必要になります。

フレームワークの選択

試験では、ディープラーニングモデル構築に利用する2大フレームワークのTensorFlowまたはPyTorchの実装も扱われるのでどちらかを選択する必要があります。これは正直好みですが、代表的な手法や公開されているコードはPyTorchが多く研究者に広く使われているという理由で私はPyTorchを選択しました。フレームワークは未経験でしたので一から勉強しました。

なお最近見つけたのですが、下記サイトでは2022年に開催された200以上の機械学習のコンペティションの分析結果を公表してます。この中で注目すべきは、ディープラーニングを使用した46の受賞ソリューションのうち、44はPyTorchをメインモデリングパッケージとして使用し、TensorFlowを使用したのはわずか2つだったそうです。グラフを見ても年々Tensorflow がPyTorch に押されている状況だと思いますのでこれから選択する人はPyTorchが個人的にはお勧めです。

出典:https://mlcontests.com/state-of-competitive-machine-learning-2022/#deep-learning-pytorch-vs-tensorflow

参考書

認定プログラムとは別に学習に使用した学習書を3つ紹介します。

1つ目はこの界隈では有名なゼロつくシリーズ1つ目のPythonで学ぶディープラーニングの理論と実践です。フレームワークを使わずPythonのnumpyのみでニューラルネットワークの基本からコードを書いて学べます。シラバスの深層学習の前半部分の基礎的な理解にはぴったりです。

2つ目はこれもE資格界隈では有名な黒本とよばれる問題集です。E資格は過去問が公開されていないので、認定講座の修了試験のほかに試験前に余裕があればやっておくとよいと思います。

注意として現在販売されている第2版(最新、3版はまだない)においては、E資格2022#2から変更あったシラバスは反映されていないことです。
新シラバスで追加となった深層学習モデル範囲がごっそり抜けているので、これだけでは試験範囲すべてはカバーされません。よって黒本だけ何周もやり込めばよいという体験記もありますが、これは過去の情報で今は違います、新シラバス追加範囲は認定プログラムの問題などで対策しなければなりません。
また、一部範囲外になった分野(例えば線形代数の特異値分解やネステロフのモメンタム等)も含まれているのでそこは除いてやりましょう。
それでも、この問題集の質は高く、また解説が非常にわかりやすいのでそれを読むだけでもあいまいだった分野の理解が深まります。
なおこの問題集も非常に高額ですので、メルカリ等で中古で入手するのがよいです。

最後は全くの未経験のPyTorchを一から勉強するために購入した本です。深層学習の基礎も含め、非常に説明がわかりやすいので初心者にはお勧めです。ただし自然言語処理等は扱ってないので、もう一歩踏み込んだ学習は講座の演習課題や公式サイトで補いました。

おまけ
下記は、受験後に知った本ですが、データ分析に用いられる手法を「分析モデル」として用途・特徴から原理・実践まで幅広くまとめられた本です。E資格の最新シラバス範囲のモデルも含めほぼすべて網羅されていますので、これもE資格受験のための参考書として大変便利だと感じましたので紹介します。

試験の合格率

試験内容については、受験時に秘密保持契約に同意しているので紹介はできません。また過去問や合格ラインも公開されていませんが、合格率、各科目の平均得点率はHPに公開されてます。合格率は7割程度です。わりと合格率は高いなと思ったのも資格取得を決意できた要因でもあります。

出典: https://www.jdla.org/news/20230310003/

試験申し込み・CBT形式

認定プログラム修了後はすぐに試験の申し込みをします。ぎりぎりになると近隣の試験場の枠が埋まっている可能性があるので注意。
試験は試験会場のコンピュータで実施するCBT形式ですので当日操作に戸惑わないように必ずCBT試験のデモで操作方法を確認しておきましょう

試験に向けて

資格取得を最短で目指すならば、短期間で終了できる認定プログラムを選ぶのがよいでしょう。これをできるだけ早く修了させ、試験資格を得ましょう。試験の1か月前までには終わらせたいところです。

合格率は7割程度あるので第1ハードルの認定プログラムを修了させ、私のようにその後1か月程度試験対策をすれば充分合格できると思います。出題範囲はシラバスから、JDLA認定プログラム修了レベルの問題ですので、認定プログラムをやりこめば十分合格ラインのレベルに達するはずです。

試験対策は、どの認定プログラムでもJDLAの公式例題が提供されているはずですので、まずはそれを解けるようにするのが一番重要だと感じました。また、自分は最新のシラバスをよく確認して、各分野のキーワード、数式、仕組みをノートを整理し、苦手な分野について、認定プログラムの問題を繰り返しやりました。

余裕があったら黒本や模試(一部会社で実施、これも高額)をやってみるのがよいですが余計にお金がかかるので、プログラムだけでは不安な方や金銭的に余裕のある方のみやればよいと思います。

最後に

合否発表メール受信後、合格者がこぞってtwitterで合格報告ともに自身の分野別の得点率を公開してましたが、正直えっそんな低い得点率でも受かるの?というものもありました。なので合格者でもレベルは結構差があるものだと思いますが、資格取得だけを目指すのであれば合格への難易度は高くないと思います。

この資格で学べた内容は大変役立ちますし、学習してよかったと思いますので今後は実践的なものにチャレンジしてきたいと思います。
E資格は、やはり費用がかかるのでもう少し安くして、チャレンジする人が増えてほしいですね。