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ジーザス・クライスト=スーパースター in コンサート 出会えて満足じゃ


https://theatre-orb.com/lineup/wmcs/

あー楽しかった。

以上。

というぐらい、至福の時間。ホントこの公演を実現してくれた関係者に感謝だ。

ラミン・カリムルーがユダ、というだけで無条件購入案件。彼が日本の公演に出るのは、それこそイニエスタがJリーグでプレーするようなものだ。と思ったらそれはもう実現してた。この奇跡のようなキャスティングも「プリンス・オブ・ブロードウェイ」「エビータ」に続き3回目。ほんと、ラミン・カリムルーが日本を嫌いにならないように、国民を挙げてオモテナシしなくては。

彼がユダを演じるのはなんと初めてという。「エビータ」のチェはやや斜に構えたところがあるが、ユダは屈折しながらも直球で自分の感情をぶつけてくる。その熱量がラミン・カリムル―のあの歌声に乗って届く。これに魂を震えさせられない人はおるまい。

そしてラミン・カリムルーだけでなく、この舞台には過去に出会ったことのある役者が多数出演している。客観的にも主観的にも豪華な舞台だ。

まずアンナス役のアーロン・ウォルポール。2016年のキンキーブーツ来日公演でも見ているが、自分が彼を最初に観たのは2014年のブロードウェイ。
コレのときだ。

http://kingdom.cocolog-nifty.com/dokimemo/2014/12/les-miserables-.html

ラミン・カリムルーのバルジャンを観るために東海岸まで行ったのに、休演というショッキングな出来事。しかし代わって舞台に立ったアーロン・ウォルポールに罪はない。そして数年後、この二人が同じ舞台に立つのを目撃することになるなんて。ほんと人生は分からないものだ。

バルジャンの「Bring him home」でも堪能したあの高音を惜しみなく披露するアンナス。こんなに存在感のあるアンナスは観たことがない・・・いや。どっかで味わった感覚だぞ?そうだ、劇団四季のJCSに登場した、明戸信吾だ。あの雰囲気にとっても似てる。声量は3倍増しだけど。

その3倍アンナスを前にして、ややおとなしく見えたのが鈴木壮麻のカヤパ様。カヤパといったら低音、低音といったら芥川英司。芥川英司といったら鈴木綜馬。鈴木綜馬といったら鈴木壮麻である。どちらかというとカヤパはピラトに比べて悪辣だけど、鈴木カヤパはやや人の良さがにじみ出る。2018年のNBCによるライブコンサートではカヤパをノーム・ルイスが演じていたのを思い出した。この映像、アマゾンで一瞬観られたけど、もう視聴できなくなった。ざんねん。

そしてペテロ役のテリー・リアンは2015年末にブロードウェイでジョージ・タケイによる日系アメリカ人の苦悩と誇りを描いた「アリージャンス」で見ている。が、パンフレットによると2009年のRENT来日公演でも見ていたようだ。

海宝直人や成河もいる。海宝シモンはまさに熱心党と呼ぶにふさわしい、熱くて、まっすぐで、青臭いシモン。そうだよね、シモンってこうだよね、と納得させてくれる。そしてJCS一番の楽しみと言っても過言ではないヘロデ。これまでさまざまなヘロデを楽しんできたが、成河ヘロデは何というか、自由。コンサートバージョンということもあり、演技というより150%客を楽しませるエンターテイナーなユダ。エンターテイナーっぽい演技のユダはこれまでにもいたが、そうではなく、エンターテイナーそのものだ。

と、ここまでは観る前から「知ってる俳優さんだ」と認識していたのだけど、劇場に行って、もう一人、以前観たことがある(かもしれない)人がいることに気付いた。

マグダラのマリアを演じたジョアンナ・アンビル。一幕を観て、伸びのある歌声にどっか聴き覚えがあるなあ、と思ったら、あった。1996-1997年のロンドン・ライシアム劇場のジーザス・クライスト=スーパースターにマリア役で彼女は出演しており、自分それ観てる(自慢)。もちろんその歌声をきっちり覚えていたわけではないが、この公演はCD化されており、それを持ってるから聴き覚えがあったのだ。

あれから20年。当時、欧米のミュージカル公演はほんと「遠いところの出来事」で、だからこそお金を貯めてわざわざ観に行く価値があった。その価値自体は何ら変わることがないけれど、世界のエンターテイメント地図は何と狭くなったことだろう。一時はジャパン・パッシングになっていたけど、今や日本と海外のエンターテイメントの距離はぐっと縮まった。関係者の努力に改めて感謝するとともに、単なるオタクとしては、これからもがんばって貢がなくてはいけないと決意を新たにしたのでした。


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