見学商売

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    最近の記事

    縄文から現代、そして宇宙へ――AIが紡ぐ壮大な叙事詩が爆誕

    タイムラインをにぎわせているAI「ChatGPT」。最初はやや鼻白む思いで眺めていたが、GPT-4の登場以来、次々と報告されるその流麗な文章や的を射たアイデアに、どうもこれはスゴいらしいぞ、と考えを改めた。そこで有料アカウントを取得して試してみることに。 いろいろと楽しい会話ができたが、その中でも気に入ったやりとりをひとつ公開したい。 ややぶっとんだ小説のプロットを考えさせてみようじゃないか、と自分が入力した質問がコレ。 日本の縄文時代を舞台にしたミステリー小説を書こう

      • 坊っちゃん劇場『ジョンマイラブ』 絶賛漂流中の日本に希望をもたらす快作

        コロナ禍に開幕し、実に1年半に及ぶロングランを達成した、坊っちゃん劇場の『ジョンマイラブ』。昨年2月に観に行ったが、千秋楽を前にもう一度観ておきたいと考え、1年ぶりに愛媛に向かった。 作品の概要と坊っちゃん劇場については昨年のエントリーで。 実は前回、ちょっと心残りがあった。それは『マンマ・ミーア!』はじめいくつかの舞台でヘビーに観ていた五十嵐可絵の出演を見逃したことだ。このまま俺の中でのジョンマイラブは終われない、と捲土重来を期していたが、千秋楽を前に五十嵐可絵が三度目

        • 三谷幸喜『笑の大学』昭和を描いた平成の傑作が令和に蘇る

          三谷幸喜作品の中でも、特に評価の高い『笑の大学』。それが24年ぶりに上演されるとのことでPARCO劇場へ。 本作品は1996年に青山円形劇場で初演、98年にPARCO劇場で再演。自分はこの再演を劇場で観ている。確か、初演の映像がテレビで放送され、それを観て「これは面白い」とチケットを確保したのだった。この初演の評判はすこぶる高く、読売演劇大賞最優秀作品賞も受賞している。 その再演の映像も何度か放送されているが、このほどデジタルリマスター版のブルーレイも発売になった。 日

          • 映画「Dr.コトー診療所」 圧倒的な絶望感と、救いの生田絵梨花

            【ネタばれを含みます】 映画「Dr.コトー診療所」観てきた。ドラマはシーズン1、特別編、2004、シーズン2と全て観ており、大好きな作品のひとつ。勢いで与那国島にも行ってしまったほどだ。 そして16年の時を経て制作された劇場版。 想像していたよりもずっと「重苦しい」映画だった。 この映画の登場人物たちは、ドラマ終了からの16年、そのまま年齢を重ねている。再結集したスター俳優たちも、「年齢を経た姿」を惜しげもなく、ありのままに晒している。 それを観ながら「ああ、自分も

            ニューヨークよもやま話

            【ニューヨーク2022番外編】 2022年末ニューヨークツアーのあれこれをメモがわりに。 <食べたもの> 何せ自分は英語がニガ手なので、旅行先の食生活は日本でおなじみのファストフードや日本食に頼りがちである。 初日の夜は以前にも訪問したことのある「たばたラーメン」。こちらは東京の田端で修行したミャンマー出身の店主が開いた店で、以前訪問したときはまんま日本の中華屋さんだったが、だいぶアメリカナイズされてきたようだ。 (前回訪問時のブログ) その後、支店の「Nippori

            『HAMILTON』(ハミルトン) 観るというより体験する舞台

            12/29 19:00 RICHARD RODGERS TEATRE 【ニューヨーク2022⑧】 今回のツアーの掉尾を飾るのは、泣く子も黙る『ハミルトン』だ。2016年のトニー賞でミュージカル作品賞をはじめ11部門で受賞。開幕から数年たってもチケット入手困難な状況が続いた、ここ10年ほどのブロードウェイ作品ではダントツの大ヒット作である。 自分は2015年12月、2016年5月にニューヨークを訪れているが、とうていチケットは入手できなかった。そして、2020年に初めてチ

            『HADESTOWN』(ハデスタウン)  ブロードウェイの現在地

            12/29 14:00 Walter Kerr Theatre 【ニューヨーク2022⑦】 この時間帯はギリギリまで何を観るか悩んだが、最終的に選んだのは2019年のトニー賞作品である「ハデスタウン」だ。 ギリシャ神話を現代的な視点で――というだけで、ちょっと自分には敷居が高いかな、と思い、2020年の幻のNY旅行では観劇予定がなかった。しかし今回、観る気になったのはパトリック・ペイジが間もなく降板、というニュースに触れたからだ。 紹介動画の中でも、ヘルメスを演じて見

            『Christmas Spectacular』(クリスマス・スペクタキュラー) 2022年版

            12/29 11:00 Radio City Music Hall 【ニューヨーク2022⑥】 3日目にして最終日。ニューヨークの冬の名物、ラジオシティ・ミュージックホールのクリスマス・スペクタキュラーである。午前中からやってるし、公演時間短いので毎回のように足を運んでしまう。 ただ、前回は朝9時の回があったが、今回は初回が11時。すっかりコロナ前に戻ったように見えるブロードウェイだが、実際にはそこまで回復はしていないのかもしれない。 前回まで、写真撮影黙認されてたっ

            『BEETLE JUICE』(ビートルジュース)  お化けは死なない コロナも何にもない

            12/28 20:00 Marquis Theatre 【ニューヨーク2022⑤】 『ビートルジュース』といえば、ティム・バートン監督の出世作であり、後に『バットマン』でもタッグを組むことになるマイケル・キートン主演の映画である。その舞台化、ということで注目を集め、当初は評論家によって酷評され、それに反して観客の支持を集めちょっとしたブームになり、さらにウィンターガーデン劇場を『ミュージックマン』に明け渡すために打ち切りになり・・・と、とかく話題に事欠かない、『ビートルジュ

            『Funny Girl』(ファニーガール) これが女優の生きる道

            12/28 14:00 August Wilson Theatre 【ニューヨーク2022④】 ラミン・カリムルーが出演しているということで、本作はこの年末に観る作品として早くから候補に挙がっていた。そこに、主役をリア・ミシェルが演じるというニュース。これで候補作から一気に当確へ。もたもたしていたらどんどんチケットが売れていく。慌てて手配し、1階席の最後列の端の席をようやく確保できた。 押しも押されぬブロードウェイの看板役者であるラミン・カリムルーは、日本にもひんぱんに来

            『THE MAGIC FLUTE』(魔笛) ジュリー・テイモア初級編

            12/28 11:00 The Metropolitan Opera 【ニューヨーク2022③】 普段行かないのに、海外旅行したときだけ美術館や博物館に行ったりする人がいる。自分がそうだ。そのノリで、ニューヨークに来たときにメトロポリタン・オペラやニューヨークシティバレエを観たりする。 だが理由はそれだけではない。観劇メインの旅行だと、午前中の予定がぱかっと空く。しかしこのホリデーシーズンだと、家族向けのショウなどが午前中から行われることがあるのだ。 今回の『魔笛』も家

            『THE MUSIC MAN』(ザ・ミュージックマン) BWを愛し、BWに愛された超絶怒涛の夫婦漫才

            12/27 20:00 Winter Garden Theatre 【ニューヨーク2022②】 ヒュー・ジャックマン&サットン・フォスター『ミュージックマン』である。もともと2020年9月から公演の予定だったが、コロナの影響で延期を重ね、2021年12月にようやくプレビューが始まった。 実はこのプレビュー公演のチケットを持っていた。だが日本の水際対策はまだ全く緩和される気配がなく、実際の感染状況も高止まり。とても渡航できる状態ではなかったので断念。主演の2人が相次いでコロ

            『& Juliet』(&ジュリエット)陽キャすぎる舞台が世界を救う

            12/27 14:00 Stephen Sondheim Theatre 【ニューヨーク2022①】 ロンドンで2019年に開幕したヒット作が10月にブロードウェイ上陸。1本目は何か明るく元気な作品を観ようと、『K-POP』と『& Juliet』のどちらかにするか迷っていたら、『K-POP』は突然のクローズ。というわけでソンドハイムシアターへ。 ブリトニー・スピアーズやケイティ・ペリー、テイラー・スウィフトらへの楽曲提供で知られるヒットメーカー、マックス・マーティンの楽曲

            お久しぶりのニューヨーク

            【ニューヨーク2022⓪】 12月27日、2016年5月以来のニューヨークへ。 寒いし高いしのこのシーズンにわざわざ来るのは、午前中にファミリー向けの公演があったり、オフブロードウェイでは深夜の公演があったりと、いつもより短いスケジュールでたくさんの演目が観られるメリットがあるからだ。しかし今回はチケット予約を進めた感触では、まだ以前ほどには戻っていないようだ。それで最終的に3日間で8本、というまあまあ常識的なスケジュールに落ち着いた。 羽田からANA便。そこそこ混んでた

            『My Neighbour Totoro(となりのトトロ)』ワールドツアーを期待

            11/5 19:00 Barbican Theatre ロンドン4本目。翌日は帰る日なので、今回の旅行で観られるのはこれが最後の作品。もともとこの時間は、ウエストエンドでスマッシュヒットとなり、来年のブロードウェイ進出も決まっている舞台版『Back to the Future』を観る予定だった。この作品を観ることはこのロンドン行きの大きな目的の一つでもあった。 『となりのトトロ』を天下のロイヤル・シェイクスピア・カンパニーと久石譲が舞台化する、というニュースは知っていたが

            『MARY POPPINS(メリー・ポピンズ)』こっちは魔女のジジ・ストラレン

            11/5 14:30 Prince Edward Theatre ロンドン3本目。メリー・ポピンズである。「一番好きなミュージカルは何か」と聞かれるのは、「一番好きな食べ物は?」と聞かれるのと同様、ぱっと答えるのは難しい。しかし「海外発のミュージカル」と絞られたら、たぶん「メリー・ポピンズ」と答えるだろう。そのぐらい好きな作品。 ブロードウェイでは4回観た。 日本公演も、ブログあげてないけど相当観てる。特に、2022年の笹本玲奈メリーが国内マイベストメリー。 と、メリ