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レビュー「好きなドラマ、小説、漫画等10作品」  第五回 ノルウェイの森

「ノルウェイの森」

1990年に何人かの登場人物とそんなに年齢の変わらない二十歳位の時に初めて読みました。物語は1970年位、端々でその時代の音楽、映画、小説等が素材として扱われていました。また、性についてや死について、それらも刺激的でしたがこの物語の魅力はそれらの事柄が関係していると思います。上下巻の長い物語、飽きることなく読むことができました。何度か読み返して最後に読んでから、だいぶ経ちますが印象に残っているのはレイコのトラウマの元になるエピソードとレイコとワタナベが物語の終わりの方でギターで数十曲、歌う場面です。「ノルウェイの森」は映画化されましたが先のエピソード等が上手く再現されなかったのが残念でした。ワタナベは独特なしゃべり方でした。誰かが海外の小説を翻訳したようなしゃべり方と言っていましたが納得です。「ノルウェイの森」と題された本作ですが、やはり、ビートルズの同名曲が浮かんできます。とは言え、極めて個人的ですが、読了後、また、この物語についてあれこれと考えた際に浮かんでくる曲はSION の「12号室」です。1990年に発表された「夜しか泳げない」に収められている曲です。同時期に読んだ知人も同意見でした。そんなことも確かめたい「ノルウェイの森」です。

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