「ちゃんと」スル。それだけ。
以前から気になっていた書籍をようやく入手できました。
安達裕哉さんの書かれた「頭のいい人が話す前に考えていること」です。
著者の安達さんは筑波大学大学院卒とのこと。筑波大学大学院といえば、あの有名選手が移籍しているところです。しかしながら、書籍の内容は剣道とは全く関係ありません。おそらく安達さん自身も。
まだすべてを読んだわけではありません。というか、読み終えたのは「まえがき」部分+α程度です。しかし、その「まえがき」部分で僕の心は鷲掴みにされてしまったので、忘れない内に書き残しておくことにしました。
よくよく考えてみると、「ちゃんと考える」ということをちゃんと考えたこともありません。もちろん、「ちゃんと」の意味もよくわかりません。
そういえば……
「ちゃんと」の意味
「ちゃんと」のニュアンスは何となくわかるのですが、明確な意味がわかりません。ネットのgoo辞書で調べてみると、下記のように書かれていました。
どうやら、「ちゃんと考える」の場合は、1の「少しも乱れがなく、よく整っているさま」もしくは、2の「確実で間違いのないさま」を表すようです。
つまり、「ちゃんと考えてから話す」は、人に話す前に言いたいことを整理して確実に伝えることでしょう。
賢明な読者のあなたは気がついたのではないでしょうか。
「ちゃんと」はすぐに省略さる
「ちゃんと」はすぐに省略されます。しかも、僕のように、日々をぼけ~っとしながら生活している者にはなかなか気付けません。
たとえば、「攻めて、打つ」。おそらくここにも「ちゃんと」が省略されています。正しくは、「(ちゃんと)攻めて、打つ」です。つまり、確実に、間違いなく攻めて、打つ。
五段の審査で苦労していた頃、先輩には「(ちゃんと)攻めて、打つ。それだけ」と何度も言われました。
うん。
ちゃんと、攻めて、打った。
けど、不合格だった。
それの繰り返し。どう考えても「ちゃんと」出来ていなかったのです。審査員の考える「ちゃんと」と自分の考える「ちゃんと」にズレが生じていたということになります。これでは誰にも伝わりません。
「(ちゃんと)攻めた(つもり)」ではダメ。相手に伝わってこそ、ちゃんと攻めたことになります。相手に伝わらないものは、審査員にも伝わりません。ちゃんと攻めていないからです。
剣道の醍醐味は「攻め」
ただ「打つ」だけなら「運動」です。もちろん、剣道は運動芸術と呼ばれることもあり、運動であることに間違いありません。頑張ればシェイプアップにも最適です。
しかし、単純にスピードや正確性を競う競技ではなく、ましてや体重を減らす競技でもなく、そこには心の闘いがあります。
つまり、理合に基づいた攻めです。剣道に限らず、対人競技であれば同様かもしれません。重要なのは、相手との駆け引きです。
自分がこう動けば、相手はこう動く。確実に相手を自分の思った通りに動かせれば、(ちゃんと)攻めたといえるでしょう。
それは簡単なことではありません。難しいからこそ、多くの人が挑戦し続け、試行錯誤するのです。しかし、ほんの少しでもできるようになれば、大きく前進できるでしょう。
ある人は、「攻めは自転車に乗るのと同じです。一度乗り方を覚えてしまえば、ずっと乗れますよ」と言いました。
ただし、「Aさんの自転車には乗れたけど、Bさんの自転車には乗れない」という状況も多いのが現状です。だからこそ、日々新たな乗り方にも挑戦し続け、相手によって乗り方を変えなければなりません。
一輪車にはまだまだ乗れそうにありませんが、一般的な二輪車にはそこそこ乗れるようになってきました。三輪車は逆にコケそうになるので難しいかもしれません。そろそろ、車輪が三角形△や四角形◇の自転車にも挑戦したいところです。
ちゃんと攻めるってどういうこと?
そんな疑問が残ってモヤモヤしている人は、ぜひ一緒に挑戦していきましょう。
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