コロナウイルスと日本の貿易

コロナウイルスの影響で、世界各国の貿易は減速しています。今年の貿易量が、前年に比べ最大3割減少するとの予測もあり、コロナウイルスの深刻さがうかがえます。日本もこの影響を大きく受けています。そこで、日本における貿易の現状や今後の展開について説明していきたいと思います。

実は、今年2月の日本の貿易収支はおよそ1兆3千億円の黒字だったといいます。つまり、日本は貿易で儲かっていたのです。コロナウイルスが流行りかけていた時期に、どうして貿易面でこのような成果を残したのでしょうか?この要因として挙げられるのは、中国からの輸入量が減少したことです。中国は長年、日本の最大貿易相手国です。中国の生産ラインがウイルスの影響を受け、十分な輸出体制がとれなかったという訳です。決して、黒字だからといって喜ばしくない状況だとわかると思います。

さて、3月になるとどうでしょう?3月上中旬の貿易収支は一転、400 億円弱の赤字となりました。2月同様、輸入量が落ち込んだことはもちろん、国内の輸出も大打撃を受けていることが原因です。この大打撃の理由をもう少し詳しく見ていきましょう。まず、中国と同じように従来通りの生産体制が整備されていないことが挙げられます。そして、為替の問題もここに付け加えるべきでしょう。私のコラムをご覧になっている方はピンときたかもしれませんね。(そうでない方は、下のコラムを読んでみて下さい。きっと下記の内容への理解が深まります。) 


最近は、「有事の円買い」によって円高ドル安傾向にあります。ちなみに、円と中国人民元のレートを見ても、円高傾向にあることがわかります。特に3月にはいってからのグラフが急に円高傾向になっていますね。(下記 URL 参照) 

https://ja.valutafx.com/CNY-JPY.htm 「オンライン通貨コンバータより」

今後、このような状況が続いたら日本の貿易や社会はどうなるのでしょうか?最悪の場合、「双子の赤字」のような現象になるかもしれません。 (かなり挑戦的な予想ではあります。)双子の赤字とは、アメリカのレーガン政権下で起こった現象で、簡単に言えば経常収支と赤字と財政赤字が同時に起こるものです。
実際は、貿易収支が赤字でも所得収支の黒字が続いているので経常収支が大幅な赤字にはなりにくいかと思います。難しい言葉が並んできたので整理しましょう。

経常収支:①貿易収支、②所得収支(海外との経済的取引で生まれた利益)、その他サービス収支や経常移転収支からなる。

上の言葉がいまいち理解できなかった方も、双子の赤字になると「政府も貿易会社も大変になる」事を押さえておけば大丈夫です。政府はつい最近国債の新規発行で支援策を打ったところです し、財政収支が赤字になる可能性は高いでしょう。今後の動向を注意深く見ていく必要がありそうですね。

最後までご覧いただきありがとうございました!!スキやフォローもお待ちしています!!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?